ワンオペで従業員死亡、懲りないすき家とゼンショーの闇
先週の6月1日に非常に驚いた事件が各社から報道されていました。
その内容は牛丼チェーンの「すき家」で女性従業員が仕事中に倒れ、そのまま死亡が確認されたものです。
すき家って「ゼンショーホールディングス(7550)」が運営する牛丼チェーンだよね。
たしか父ちゃんもそこそこ持っていなかった?
ゼンショーは10年前から応援していた企業だったけど、昨年秋に全株売却しています。
今回の事故でJ塾長が驚いたのは、「ワンオペ」と呼ばれるシフトが現在も行われていたことです。
2014年の事件で廃止されたと思っていたのですが…違ったみたいですね。
本日にブログは今回の事故をテーマに、人気優待株である「ゼンショーホールディングス(7550)」株の行方を考えてみます。
牛丼チェーンについての過去ブログは「吉野屋、不祥事3連発で不買運動?株価と業績悪化リスクも」も見て下さい。
廃止されたと思っていたワンオペが…あった?
「ゼンショーホールディングス(7550)」が運営するすき家は、2014年にワンオペ問題が発覚し大問題になりました。
たしか従業員の過労問題とか、深夜帯の強盗問題とか色々叩かれて株価も低迷するきっけになったんだ。
そうそう2週間も店舗で寝泊まりしていた従業員もいたんだよ。
あのころはJ塾長も株主で1,000株ほど保有してかな。
すき家は応援していたので、売却しないで立ち直ってほしいと思っていたよ。
結果として深夜帯のワンオペを廃止するとの決定を行い、「0時から5時のワンオペは廃止」されました。
しかしここに穴があったのが今回の闇。
ゼンショーホールディングス(ゼンショー)の説明では2014年に深夜帯である0時~5時のワンオペは廃止しましたが、それ以外の22時~0時、5時~9時のワンオペは変わらず行っていたのです。
えっ、深夜帯のワンオペを廃止するって言ったら、誰だって全日ワンオペを廃止するって思うよ。
J塾長もまだ人の動きがある22時~0時と5時~9時を、ワンオペOKにしているとは思っていませんよ。
とくに7時~9時って朝食忙しい時間帯、そこをワンオペOKにするなんて信じられないよ。
たしかにゼンショーは深夜帯のワンオペを廃止と説明していたので、勘違いしたのは私ですけど…多くの人が誤解したのではないでしょうか?
ゼンショーが運営するすき家では、相変わらずワンオペが行われており、今回の残念な事故は朝のワンオペ中におきたものでした。
すき家のワンオペがなかったら防げた事故か?
今回の事故は亡くなった女性従業員の心不全とみられていますが、もしワンオペ中でなかったら命が助かった可能性は高いと思います。
倒れてもワンオペで人がおらず、3時間以上放置されていたことが報道されていたよ。
すぐに救急車を呼べればって思うよ。
たしかに5時~9時は深夜帯ではないと思う。
だけど昼夜問わずスタッフが1人しかいない運用では、トラブルが起きても対応が全くできないのも事実。
ゼンショーのルールではワイヤレスの非常ボタンを身に着ける義務があったようですが、倒れた従業員は携帯していませんでした。
ゼンショーとしてはこれを従業員の過失としたいようですが、ワンオペで心不全で倒れて後頭部を什器にぶつけてボタンを押せますか?
つまり今回の事故では、非常ボタンはなんら意味をなさないと思いますね。
そもそも非常ボタンの義務化はワンオペをさせるための手段であって、安全に働ける仕組みではないです。
ゼンショーホールディングスには大きく失望
過去にゼンショー株は大きく売られた局面が何回かありました。
牛丼に異物が混入したり、従業員の過労問題だったりと色々ありましたが、改善策を出したゼンショーに対してJ塾長は、ゼンショーを応援するべく売却をせずに買い増しをしたのです。
しかし勝手に勘違いしていたようですね。
ワンオペは続いており、さらに事故を起こしてしまったのですから…
現在、ゼンショー株をすべて売却していますが、もう購入することはないでしょう。
ゼンショーホールディングスの株価は割高
今回の事故でゼンショーは、こんどこそ全日ワンオペを廃止することを発表しました。
2014年にやったと思っていたワンオペ廃止がやっと実現するんだね。
交通事故もそうだけど、なんで日本って人が死なないと改善されないんだろう?
ゼンショー株は1株あたり3,000円の高水準で取引されています。
コロナで一時期下落する局面はありましたが、テイクアウト需要で持ち返した状況と考えられます。
ゼンショーのPER:33.13倍、PBR:4.50倍、ミックス係数は149.08倍と割高水準です。
ミックス係数が149倍とはかなり割高水準だよね。
でも吉野家のミックス経緯数も156倍だから業界的には標準なのかな?
松屋も94倍だから牛丼チェーンは利益に対して株価が評価されすぎている印象を受けるね。
牛丼チェーンなどは根強いファンが、優待目的で株を購入することが多く、業績による価値とかけ離れるケースが少なくなりません。
たとえば「ワイズテーブルコーポレーション(2798)」は、債務超過であっても株価は1,900円台を維持しています。
ワイズテーブルが株価を維持できる理由は、年間1万円の優待食事券が理由です。
100株保有で年間1万円の食事券がもらえるので、赤字でも債務超過でも株を購入するファンが一定数おり、業績なんてまったく関係ありません。
吉野屋や松屋もそうだけど牛丼チェーンの株が人気なのも、株主優待があるからなんだよ。
ゼンショーホールディングス株に投資しない理由
ゼンショーの株主優待は保有株式数により年2回、優待食事券が貰えるものです。
- 100株以上 : 年間2,000円1,000円×2回)
- 300株以上 : 年間6,000円(3,000円×2回)
- 500株以上 : 年間12,000円(6,000円×2回)
- 1,000株以上 : 年間24,000円(12,000円×2回)
- 5,000株以上 : 年間60,000円30,000円×2回)
ゼンショーの株主優待はすき家やココス、ビッグボーイ等で使える食事券ですが、500株が最も効率よく優待を得られる投資株数です。
ゼンショーの株価を3,000円と仮定すると500株の投資にには、150万円必要だよね。
年間の株主優待が12,000円だから優待利回りは0.8%しかないね。
年間の配当利回りはどうなの?
ゼンショーの配当は1株当たり年24円だから、配当利回りも0.8%になるよ。
優待利回りと合わせた総合利回りは1.6%だね。
昨年J塾長がゼンショー株を売却した理由は、店舗の接客が雑になった感じたことと、株価が割高になったことです。
とくに総合利回りが1%台なのはFIRE(ファイア)銘柄としては不適格だと思いました。
ゼンショーの株価はPERやミックス係数で分かるように、過度に評価されているように感じています。
業績は好調に見えるがワンオペ完全廃止の影響は?
ゼンショーの2022年3月期の決算では増収増益を達成し、過去最高益となっています。
- 売上 : 6,585億円(前期比10.7%増)
- 経常利益 : 231億円(前期比89.2%増)
- 純利益 : 138億円(前期比513.8%増)
さらに今期である2023年3月期についても連続して増収増益を予想しています。
- 売上 : 7,455億円
- 経常利益 : 246億円
- 純利益 : 140億円
とりあえず業績は悪くないよね。
今期も増収増益だし…でも今回の件がどのように響くかが問題だよ。
現在、ゼンショーは火消しに必死ですが、今度こそワンオペを廃止したことで、人件費が増えるのは間違いないでしょう。
さらにワンオペを廃止するための人材登用も必要になり、時給アップなどの手段も必要になります。
人件費に合わせて材料費の高騰からさらに値上げが必要になれば、客離れの可能性も出てきます。
ゼンショーホールディングスへの投資は人件費増加に注意
ゼンショーはワンオペを全日廃止したことで、人件費を増加させる必要が生まれました。
結果として2022年3月期決算で発表された2023年3月期の業績予想は、下方修正される可能性もあります。
ワンオペの問題はすき家だけでなく、なか卯などの店舗も同様なので、人件費としては少なくないでしょう。
ゼンショー株は割高で不安要素もあることから、現在投資を行うタイミングでないと考えます。
FIREで投資するなら総合利回りが3.0%を超えるのを目安にするのも良いと思います。
※このブログはあくまでJ塾長の感想であり、投資を勧めるものではありません。投資は自己判断と責任でおこなってください。