【FIREと貯金】コロナ禍における日本人の貯蓄額
FIRE(ファイア)を始めるには不労所得となる資産運用が必要です。
しかし投資を開始するには元になる資金を準備しなくてはならず、運用を始めたくてもなかなかできない人もいます。
とくに現在のコロナ禍で収入が激減している人も多く、将来の生活にさえ不安を感じることも多くなっています。
みんなはどのくらい貯金しているのかな?
こう思う人も少なくないはず…そこで本日のブログはコロナ危機が始まった令和2年の日本人の金融資産額について紹介します。
FIRE資金の目安などは別記事の「FIREには年間支出の25倍の資産が必要!4%ルールとは?」を参照ください。
統計の概要
本日のブログは「金融広告中央委員会」が実施した「家計の金融行動に関する世論調査 令和2年 単身世帯調査」と「家計の金融行動に関する世論調査 令和2年 二人以上世帯調査」を元に紹介します。
調査対象は以下のとおりです。
【単身世帯】
- 全国2,500世帯
- 世帯主が20歳以上
- 世帯員が単身世帯
- 金融資産は預貯金、株式、有価証券、債券、財形貯蓄、積立型保険等金融商品を含む
- 土地・建物は含まない
- 貴金属は含まない
【二人以上世帯】
- 全国8,000世帯
- 世帯主が20歳以上
- 世帯員が2名以上
- 金融資産は預貯金、株式、有価証券、債券、財形貯蓄、積立型保険等金融商品を含む
- 土地・建物は含まない
- 貴金属は含まない
この調査では20歳代から70歳以上までを10歳ごとに分類しており、それぞれの平均値と中央値が示されています。
今回のブログではFIREに関心のある20歳代、30歳代、40歳代を紹介します。
また平均値や中央値を出す統計は「金融資産を保有しない世帯」を含みます。
平均値と中央値の考え方
たとえば5人の投資家がいる場合、投資家Aの資産は100万円、投資家Bの資産は200万円、投資家Cさんは250万円、投資家Dさんは300万円、そして投資家Eさんは1,000万円とします。
A : 100万円
B : 200万円
C : 250万円
D : 300万円
E : 1,000万円
このケースの平均値は「(100+200+250+300+1000)÷5」ですから370万円です。
しかし実際には370万円以上の資産を持つのは投資家Eだけなので、この平均値は全体を表しているとは言えません。
5人のなかで370万円を持っているのは1名だけだから、平均で全体を把握するのは難しいね。
そうですね。
とくに平均は大きな値や小さな値に引っ張られることが多いので、統計的に実情を表さないことがありますね。
つぎに「中央値」ですが、中央値はデータを値を順番に並べてちょうど中央にあたるデータのことだと思ってください。
この例では投資家Cさんが中央に来るので、中央値は250万円です。
250万円なら5人中3人が保有している金額だから全体を表しているね。
とくに金融系の統計では平均が上下に引っ張られて実態を表していないことが多く、最近では中央値を参考にする手法が多く取り入れられています。
単身世帯の金融資産保有額は?
それでは単身世帯の貯蓄額である金融資産保有額を見てみましょう。
平均額 中央値
- 20歳代 : 113万円 8万円
- 30歳代 : 327万円 70万円
- 40歳代 : 666万円 40万円
20歳代の貯蓄額の中央値が8万円…
40歳代でも40万円だよ
40歳代は30歳代よりも中央値が少なくなっている(泣)
J塾長もびっくりの8万円が20歳代の中央値です。
平均値は113万円ですが、貯蓄が全くない世帯が全体の43%もあることから、このような数値になっています。
それでは単身世帯の各年代で金融資産を全く保有していない割合を見てみましょう。
- 20歳代 : 43.2%
- 30歳代 : 31.1%い
- 40歳代 : 35.5%
単身世帯では全体の30%以上の人が金融資産を保有してないと回答しています。
また特に20歳代は40%以上が金融資産を保有しておらず、全体の中央値が減る要因です。
つまり20歳代の単身者の43%は貯蓄が0なんだ。
単身世帯では貯蓄額がどうこうではなく、貯蓄が全くない人が多いことから社会的な貧困の原因になるかもしれません。
2人以上世帯の金融資産保有額は?
つぎに二人以上世帯の貯蓄額である金融資産保有額を見てみましょう。
平均額 中央値
- 20歳代 : 292万円 135万円
- 30歳代 : 591万円 400万円
- 40歳代 : 1,012万円 520万円
単身世帯と違って中央値も多くなっているね。
30歳代で400万円、40歳代で520万円も貯蓄があるよ。
二人世帯の場合は、夫婦で収入を得ることも多いので、保有金資産も増えているようです。
またマイホーム資金として積極的に貯蓄をおこなっていることも要因ではないでしょうか?
単身世帯では平均と中央値に5倍~10倍以上の開きがありましたが、二人以上世帯では2倍程度の開きしかありません。
これは二人以上世帯には、貯蓄が全くない世帯が少ないことが要因です。
それでは二人以上世帯の各年代で金融資産を全く保有していない割合を見てみましょう。
- 20歳代 : 16.0%
- 30歳代 : 8.2%
- 40歳代 : 13.5%
単身世帯では金融資産が全くない世帯が43%もありましたが、二人以上世帯では16%に半減しています。
さらに30歳代では8%に低下しており、92%程度の世帯で貯蓄をおこなっていることがわかります。
FIREを目標にするなら貯蓄も大切
ここまで日本人の貯蓄状況について統計を参考に紹介してきましたが、思ったより少ないと感じた人も多いと思います。
とくに単身世帯の貯蓄額の中央値は8万円と、衝撃的な数字でした。
FIRE(ファイア)を実現させるには不労所得を得て、安定した収入を得る必要があります。
投資には元となる資金が必要なことから、まずは貯蓄で資金を集めることも大切です。
投資初心者にも関わらず「レバレッジをかけて大きく儲けてやる!」みたいな話を真顔でする人もいますが、このような投資は高確率で失敗します。
もし成功したとしても、後から大きな損失を出す可能性が高いでしょう。
FIRE(ファイア)の投資は安全に安定した収入が目的だから、「少ないお金を大金にする投資は避けた方がよい」とJ塾長は考えています。
そのためにはまずは計画的な貯蓄をおこない、投資の元となる資金を集めることも大切です。