FIREの不労所得でファンドラップをおすすめできない理由
皆さんは「ラップ」と言えば何を連想しますか?
「サランラップ」や音楽の「ラップ」などが多いと思いますが、J塾長はやはり「ファンドラップ」を連想します。
ファンドラップとは資産運用の手法の一つで、投資のプロに資金を預けて運用を一任する投資のことです。
1999年ころは一部の裕福層にのみ提供されてサービスでしたが、2004年からは法改正により一般投資家に対して積極的な勧誘を行っています。
もともとラップとは「包む」と言う英語であり、ファンドラップはさまざまな金融商品を包んで提供するとの意味があるそうです。
このファンドラップをFIRE(ファイア)における不労所得に考えている人もいると思いますが、一般的な投資と比較して魅力はあるのでしょうか?
J塾長は言います。
「あえて言おう…ファンドラップはすすめないと…」😤
実はJ塾長はこのファンドラップで「やらかした」経験があります。
そのときの実体験からファンドラップと不労所得の関係を紹介します。
FIRE(ファイヤ)と不労所得については「FIRE(ファイア)における不労所得生活の必要額」もご覧ください。
[blogcard url="https://jj-money.com/post-149/"]
ファンドラップは一任型の投資サービス
まず覚えておきたいのがファンドラップは金融商品ではなく、「金融サービスの提供」である点です。
資産運用は多くの金融商品から目的に合った商品を探し出し、それを購入してさらに管理もしなくてはなりません。
近年では金融商品の数もべらぼうな数があり、とくに投資初心者には何が何だかわからなくなります。
ファンドラップは商品選びや運用を投資のプロ(ファンドマネージャー)に一任することで、投資家のリスクを減らし効率のよい運用を目指すサービスです。
「そうかぁ 運用をプロに任せることで安心して運用できるんだ」😀
そうです、J塾長も最初はそう思って安心していました。😎
「えっ 違うの?」🙄
考え方は色々とありましたが、J塾長はファンドラップで資金を半分程度に減らした経験があるので安心な運用とは思っていません。
当時のJ塾長は投資に対する知識も乏しいく、ファンドラップも「楽」、「簡単」、「安心」だからと安直に証券会社のセミナーに行って契約したのでした。
一任型は怖い
「一任する」とは「すべてを任せるが責任は任せた側が取る」ことを意味しており、任せた以上は結果に対して文句は言えない契約です。
「それじゃ、いい加減な運用で損失が出ても文句が言えないの?」😨
そのとおり、納得できない投資で損失が出ても責任は投資家本人が取らなくてはなりません。
まぁ、J塾長は文句だけは言いましたがね。😎ニヤ
とにかくファンドラップは一任型なので、あとから文句は言えても補償などは一切受けられず、投資の責任はあくまで投資家本人が取るサービスです。
そこをまず理解して利用を検討してください。
簡単なアンケートで投資方針を決定
ファンドラップの運用方針は担当の営業マンがおこなう簡単なアンケートで決定されます。
J塾長のケースでは証券会社の担当者からアンケート用紙を渡されて、それをパソコンに入力する形で実施しました。
アンケートの内容は「投資資産」、「運用リスクの許容範囲」、「運用姿勢」、「運用期間」…などありますが、細かいものはなかったと記憶しています。
あくまでファンドラップは投資に詳しくない投資初心者をターゲットにしていたので専門的な質問はなく、
「年間でどのくらいの損失まで許容できますか?」
「積極的な投資と安定を目指す投資のレベルは?」
みたいな曖昧な意識調査のようでした。
しかし、このアンケートのような調査がファンドラップの投資方針を決める重要な投資計画書であり、いい加減に答えると後から後悔することになるでしょう。
とくに損失の許容範囲は重要なポイントなので、しっかりと押さえたい部分ですね。
ファンドラップは一任報酬が高い
ファンドラップは証券会社や銀行などが提供するサービスですが、「一任報酬」と呼ばれる経費がかかります。
たとえば「SMBC日興証券」のファンドラップでは、毎年資産の1.33%の一任報酬が必要です。
また直接的に支払う一任報酬とは別に、運用する投資信託の信託報酬も支払う必要があります。
- 一任報酬 : 1.3%程度
- 信託報酬 : 1.7%程度
- 報酬合計 : 4.0%程度
これはある証券会社のファンドラップ手数料の内訳ですが、合計で4%の年間手数料が必要です。
「えー1000万円預けていたら年間40万円も取られるの?」😱
そうです、もし運用で損失が出たとしても報酬は支払わなくてはなりません。
運用で大きな損失が出ても「ご苦労様、ありがとう」と言って、報酬を支払うのがファンドラップの実態です。😎
自社の投資信託を優先的に利用
ファンドラップで投資する金融商品は投資信託が主体ですが聞いたことがない投資信託が多く、それらはファンドラップ用に作られた一般販売されていない商品です。
つまり各証券会社や銀行は一般向けに販売されないラップ専用商品を開発し、それを優先することで投資信託の信託報酬も自社に流れる仕組みを構築しています。
たとえばA証券会社が提供するファンドラップで利用できる投資信託が数種類ある場合、なるべくA証券会社が運用する投資信託を選択することで一任報酬と信託報酬の2つが得られます。
反対にB社が提供する投資信託を選択すると一任報酬は得られても、信託報酬はB社に支払わなくてはなりません。
そう考えると運用成績よりも自社の投資信託を選びたくなりますよね。
- ファンドラップ一任報酬 => A証券会社
- A証券提供の投資信託報酬 => A証券会社
- B社提供の投資信託報酬 => B社
このようにファンドラップでは投資信託の選択や運用を一任されていることから、なるべく自社の投資信託を利用することで報酬が増加する仕組みができています。
またJ塾長の経験から言うと、ファンドラップ専用の投資信託は縛りが多く、よい商品はなかった記憶があります。
さらにファンドラップ専用の投資信託は一般公開されていないので、格付け会社の対象商品ではなくで公正な評価を見ることもできませんでした。
「運用成績よりも自社の投資信託を選択することが重要視されているのでは?」😤
そうです、J塾長も当時はこのように思っており、今でもそう思っています。😎
FIRE(ファイア)でファンドラップはすすめない
ファンドラップのテレビCMを見かけますが、今でもファンドラップは裕福層が利用するべき金融サービスだと思っています。
ファンドラップは小回りがきかず、換金にも時間がかかります。
また投資信託の購入や組み換えなどもあくまで事後報告であり、何に投資しているかは口座を確認するしか方法はありません。
投資の方針を変えるにしてもあいまいな方向を変更するだけで、思ったような方向性も作れず結果として損失を生む結果を呼ぶかもしれません。(これは担当者にもよりますが…)
さらに配当や分配金は基本再投資なので、不労所得を得ることはできずFIRE(ファイヤ)資金を貯めるには活用できますが、生活費としては利用できません。
そして一番の問題は「高コスト」であること。
先日まで紹介したアメリカETFでは管理費用が「0.06%」で、ファンドラップの1/66です。
先ほども言いましたが1000万円の運用で、年間40万円を手数料として支払うのがファンドラップです。
「その価値があるのかなぁ?」🤔
現状ではその価値があるとはJ塾長は思えません。
もちろん投資には勉強が必要ですから、それが嫌な人はファンドラップがよいかもしれません。
しかし、そのような人は「投資によるFIRE(ファイヤ)」は不可能だと思います。
明日は実際にJ塾長がやらかしたファンドラップの実体験を紹介します。😎ニヤ