株式投資⑯ミックス係数による高配当株の見つけ方

ビジネス計算

先日、高配当株を見つけるためのかんたんなスクリーニング方法について紹介しました。

このブログのなかには「J塾長はミックス係数を重要視」していることも記載しています。

「えっ だからミックス係数ってなに?」🙄

そうですよね、株式投資の世界ではそこそこメジャーですが、知らない人も多いミックス係数について本日は紹介します。

高配当株を見つけるためのスクリーニングについては「株式投資⑮優良&高配当株をスクリーニングで見つける方法」をご覧ください。

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アメリカの経済学者が提唱した指標がミックス係数

ミックス係数はアメリカの「賢明な投資家」、「バリュー株投資の父」と言われている「ベンジャミン・グレアム」氏が提唱した指標です。

経済学者でもあるベンジャミン氏は、いわゆる「バリュー株」に注目しており、いかに安全、安定した投資ができるかを判断する材料としてミックス係数を提唱しました。

バリュー株とは「本来企業が持つ業績や価値に対して株価が割安で放置されている株式」であり、好業績ににもかかわらず株価が低迷している企業のことです。

「日本ではこのような株を出遅れ株といいますね。」😎ニヤ

バリュー株は企業の業績や安定性は問題ないにもかかわらず、なぜか株が買われずに放置されている状態

また他人気銘柄の株価が一通り高騰した時点では、必ず投資家の注目を集めて高騰を開始する可能性も高い銘柄だともいえます。

「たまたま見逃されていた株とだったんだね」😆

たまたまかはわかりませんが、なぜか放置されていることは事実です。

その意味ではいち早く出遅れているバリュー株を見つけて投資することで、効率的な資産運用が実現することでしょう。😎

ミックス係数はPERとPBRで計算

ミックス係数は「純資産と当期純利益で株価のバリュー性(割安性) 」を示す指標で、計算にはPER(株価収益率)と、PBR(株価純資産倍率)を使います。

 【 ミックス係数 = PER(株価収益率) × PBR(株価純資産倍率) 】

「なんだぁPERとPBRをかけるだけなんだね!」😆

そうです、ミックス係数を算出するには、純資産で計算するPBRと純利益で計算するPERをかけるので、バランスの良い評価ができます。😎

ミックス係数の目安は?

ベンジャミン氏はミックス係数が22.2未満の企業を、バリュー性が高い優良企業だと紹介しています。

PERで割安と判定されるのは、一般的に15倍以下と言われています。

たとえばPERを重視する投資においてPER20倍の会社は、買われすぎで株価が高く投資の対象外になるかもしれません。

しかし、この会社は資産を多く所有しており、PBRは0.5倍、そしてミックス係数を計算すると10倍です。

「これなら投資対象だね」😊

そうですね、つまり、PERだけ見ると買われすぎで株価が高いように見えても、PBRを加味することでその会社の安定性がわかります。

例に上げた会社はPERが20倍と株価はそこそこ上がっていますが、保有する資産には余裕があり、借入れも少なくキャッシュフローにも問題ないことが推測できます。

このような会社をPERだけで判断するのは、もったいないことですよね。

J塾長はミックス係数10以下を目指す

ベンジャミン氏が提唱したミックス係数の上限は22.5ですが、これは「PER15倍」と「PBR1.5倍」で計算されたものだと思います。

たしかに一般的な株式投資の目安では、PER15倍とPBR1.5倍は教科書とおりの上限値です。

J塾長としては22.5はあくまで上限値であり、実際の投資判断で使うなら「15.0」以下が妥当だと考えます。

またベンジャミン氏は「ミックス係数が5以下の銘柄への投資は損することはない」とも話していたらしく、このような株を見つけたら積極的に投資を検討するのもよいでしょう。

J塾長は基本は15以下を投資対象にしていますが、できれば10以下の銘柄を探したいと思っています。

実際の企業のミックス係数を見てみよう

中部電力株式情報
参照:SBI証券

この写真はあるネット証券の銘柄情報画面で「中部電力(9502)」を表示したものです。

J塾長が数ヵ月間に投資した銘柄ですが、予想PERが10.77倍、予想PBRは0.5倍で、ミックス係数は5.385ですから、出遅れバリュー株だと判断しました。

もちろん決算など他の指標も加味した上の判断ですが、配当も3.7%もあり、購入後も順調に値を上げています。

つぎに同じ電力会社の「中国電力(9504)」をみてみましょう。

中国電力の予想PERは24.35倍、予想PBRは0.56倍なので、ミックス係数は13.36です。

電力会社は比較的PBRが低いことが特徴です。

中国電力もPBRに助けられた形でミックス係数も13程度に落ち着いていますが、J塾長の条件である10を上回っていることから投資対象ではありません。

中国電力の配当は4%以上と魅力ですが、2021年3月をピークに値を下げ続けており、この判断は正しかったと思っています。

さらにみんなが大好なきユニクロの「ファーストリテイリング(9983)」はどうでしょう。

ファーストリテイリングのPERは50.89倍、PBRは7.95倍です。

まだまだ成長を続ける企業であれば、株価も高騰しており、借入金もかなりありそうですね。

ミックス係数は404.57で、とてもバリュー株とは言えない状態ですね。

「それならユニクロは投資対象じゃないの?」🤔

投資は目的により対象に違いがあります。😎

J塾長が実践しているは安定した高配当株に対する不労所得向けの投資です。

その意味ではファーストリテイリングは対象にならないだけで、短期間で売買を繰り返す短期トレードなどでは、十分に投資対象の銘柄です。

ミックス係数は不労所得構築には使える指標

PERとPBRだけを見ていれば、どちらかの数値に問題があることで、投資を撤退することもありました。

しかしミックス係数を利用することで、どちらかに問題があっても総合して判断できることから、バリュー株の選択が増えると思います。

J塾長も新しい銘柄を購入する際には、基本ミックス係数10以下の銘柄を選ぶようにしています。

「ミックス係数10以下の株なんてそんなにあるの?」😕

それが探せばあるんですよ。

先ほど紹介した中部電力などの大企業でも見つかることがあります。😎

FIRE(ファイア)の不労所得構築は高配当、安心、安全が第一ですから、ミックス係数を利用して安心性の高いバリュー株を見つけるのもよい方法だと思います。

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