東証の市場再編と概要!プライムから陥落する銘柄の株価は?

東京証券取引所の外観

2022年4月から東京証券取引所は市場を再編し、「プライム」、「スタンダード」、「グロース」の3市場に統合します。

再編が9か月後に迫り準備も進んでいるようですが、7月9日に気になるニュースが流れてきました。

その記事は「プライム基準、664社が未達 最上位新市場、改善なければ撤退も 東証:時事通信社」で、再編にあたり東証1部企業のなかからプライム市場の基準に合致しない企業が相当数あるようです。

本日は東京証券取引所の再編とプライム基準の問題について紹介します。

東証上場についてのブログは「JTBの赤字で考える非上場企業と不労所得の株式投資」をご覧ください。

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東証の再編概要

今まで東証は「東証1部」、「東証2部」、「ジャスダック」、「マザーズ」の4市場に分類されていましたが、これを「プライム」、「スタンダード」、「グロース」の3市場へ再編します。

今回の再編の目的は各市場の特徴を明確にすることであり、さらに東証1部に集中した企業を公平に分類し直すこともあります。

「東証1部には2191社も上場しているね」🙄

「最上位市場としては多すぎる数かも?」🤔

そうですね、東証1部市場は日本の最上位市場であり、本来、時価総額が大きい歴史のある大企業のみが上場できる市場です。

そこに2000社以上あるのは、確かに不自然な印象を受けますね。😎

つまり、東証は市場を再編してプライム市場を本当の意味での高級市場にする目的があるようです。

再編後の上場基準

それでは各市場の特徴を紹介します。

東証が公開している「市場区分の見直しに向けた上場制度の整備について」に各市場の特徴が記載されています。

これを見るとプライムは「多くの機関投資家が投資対象になる大企業」、スタンダードは「投資対象として一定の時価総額を持つ中堅企業」、グロースは「高い成長性が見込まれるがリスクもある新興企業」と分類されていますね。

「そーか プライム市場は個人投資だけでなく、世界中の機関投資家が注目する選ばれた企業だけが登録されるんだね」😉

そうですね、今までの東証1部はなんとなく一流企業が集まっているイメージがありましたが、実際にはさまざまな企業が含まれていました。

そこを今回の分類で整理する目的もあるようです。😎

1部上場落ちの企業が続出か?

冒頭に消化した時事通信社のニュースでは、東証1部に上場している2191社のなかから、664社がプライム市場の基準を満たしていないことが紹介されています。

東証は既に各上場企業に再編後の分類についての一次審査結果を通知しており、このままでは1部上場企業の3割がプライムではなくスタンダードへ変更になるでしょう。

「それってまずいことなの?」😲

プライムからスタンダードに変更になっても、株式売買は今まで通りなので、一見して影響はないと思われますが、株主にとってはそうも言ってられない問題を含んでいます。

1部上場からスタンダードへの変更で株価下落も

今までは東証1部に属するだけで一流企業のイメージがあり、投資に対するリスクも少ないと考える投資家も少なくありませんでした。

実際にJ塾長も安定した高配当を狙うなら東証1部をメイン、キャピタルゲイン狙いならジャスダック、マザーズとのイメージを持っています。😎

しかし、今回の再編により東証1部からスタンダードへ変更になった銘柄については、1流企業のレッテルをはがされる可能性があります。

とくに海外投資家から見ると、東証1部はブランド市場なので、そこから陥落となると大きくイメージを棄損することで株価が下落するかもしれません。

投資信託の売りによる下落も

下落チャート

東証1部の全銘柄で算出する「東証株価指数(TOPIX)」は、日本の株式市場において重要な株価指数です。

今回の編成でTOPIXの計算が変更されるのかはわかりませんが、スタンダードへ変更になった銘柄についてはTOPIXに含まれない可能性が高いでしょう。

TOPIXに含まれない銘柄は、TOPIX指数に連動した投資信託「TOPIX連動型公募投資信託」からも外される可能性があることから、再編後に売りが一定数集まることが予想されます。

投資信託からの売りが加速すると株価の下落要因になります。

投資信託にはさまざな商品があるので、スタンダードへ変更になった企業は組み入れ銘柄から外される可能性があります。

スタンダードへの変更が予想される東証1部銘柄

それでは東証1部からスタンダードへの変更がささやかれる企業の一部を紹介します。

  • 日立物流(9086)
  • コプロ・ホールディングス(7059)
  • チムニー(3178)
  • 近鉄百貨店(8244)
  • イオン北海道(7512)
  • エバラ食品(2819)
  • コナカ(7494)
  • アートネイチャー(7823)
  • 鳥貴族(3193)
  • ゆちょ銀行
  • Zホールディングス
  • アコム
  • オリエントコーポレーション
  • 三菱食品
  • その他

現状、600社以上の企業がプライム基準が達成されていません。

企業によっては日立物流のように既にプライムに残るための手段を講じた企業もありますが、審査結果自体を非公表としている企業も少なくありません。

「それじゃ 来年の4月に突然スタンダードに変更される企業もあるの?」😬

そうですね、東証1部からスタンダードへの変更は悪材料なので、事前に何らかの対応があるのでは?とJ塾長は考えています。

スタンダードに変更になった優良株を狙う

プライムに残れずスタンダードに変更になった企業は、業績悪化などの悪材料が原因で変更になった訳ではありません。

プライム基準には「流通株式比率」や「時価総額」による基準があり、優良企業であってもスタンダードへ変更される場合もあります。

もし、そのような企業の株価が下落した場合は、投資のチャンスと考えてもよいでしょう。

また「日本マクドナルドHD」のように現在ジャスダックに属していても、プライムの基準を見たいしている銘柄もあります。

それらの銘柄がプライムに移行することで、投資信託等の買いが入り、株価が上昇することも考えられます。

東証再編は来年ですが、現在既にさまざまな動きが加速しています。

不労所得構築のチャンスがあれば逃がさないように注目したいですね。😎ニヤ

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