不動産投資⑰危ないキャッシュフロー計算と見方…物件価格
先日は不動産投資におけるキャッシュフローとキャッシュフロー(CF)シミュレーションについて紹介しました。
(参考:「不動産投資⑯業者が作るキャッシュフローの計算に騙されるな」)
不動産業者が作るキャッシュフロー表で騙されないためには、自分でキャッシュフローを計算することが重要です。
そのためにはCFシミュレーションに入力する各データを正確に把握して、正しい数値を入力しなければなりません。
本日のブログでは、投資初心者が騙されやすいCFシミュレーション項目のなかから、「物件価格」について紹介します。
CFシミュレーションの物件価格の考え方
このCFシミュレーションのブログでは、参考とするシミュレーションとして「株式会社ファーストロジック:楽待」が一般公開しているCFシミュレーションを利用します。😍(ありがとうございます)
楽待のCFシミュレーション画面をみると、最初に「物件情報」を入力するようになっています。
入力する項目は以下の通りです。
- 物件価格
- 表面利回り
- 物件構造
- 築年数
- 建物面積
不動産投資で購入する物件価格や構造、表面利回りなどの投資情報についても入力します。
さらに細かい条件等は、下の段で入力する仕組みですね。
ベテランの投資家も利用する楽待のCFシミュレーションですから、さすがに使い勝手もよさそうなシステムです。
それでは本日はこの入力項目のなから、「物件価格」について説明します。
「それはわかるよwww物件価格って不動産の価格でしょうwww」🤓
「あたりまえじゃない購入価格だよwww」😆
違います… 投資の初心者ならそのように思うでしょうが、購入する不動産価格だけでは正しいCFシミュレーションにはなりません。😎
「え~なんで?」😬
実は物件価格には不動産を購入するときに支払った、購入に関わるすべての経費を含めなくてはなりません。
業者のキャッシュフロー表で騙されやすい物件価格
たとえばAさんが5,000万円のアパートを購入した場合、CFシミュレーションに入力する物件価格はいくらになるでしょうか?
「5,000万円と言いたいけど…そうじゃないのでしょう?」🤔
そうですね、投資初心者に不動産を売りつけたい業者であれば、5,000万円にするでしょうがそうではありません。😎
実はCFシミュレーションの物件価格には「不動産価格」以外に「購入にかかった経費」や「消費税や不動産取得税などの税金」、「修繕費用」等を含めなくてはなりません。
また不動産投資ローンを利用した場合は、「ローン手数料」も含めることが望ましいでしょう。
物件価格に含めるべき金額詳細
それでは各項目について説明します。
不動産価格と消費税
契約書に記載のある不動産価格で、土地と建物の合計金額を含めます。
土地には消費税がかかりませんが、建物には消費税が必要なので消費税も忘れずにCFシミュレーションの物件価格に含めます。
業者のなかには消費税分をCFシミュレーションからわざと外して、物件価格を安く見せることがありますので、消費税が含まれているかは大きなチェックポイントです。
不動産取得で支払った経費
不動産を取得するにはさまざまな経費が必要です。
- 印紙
- 仲介手数料
- 登記費用
- その他雑費
不動産を契約する場合には印紙が必要で、不動産価格5,000万円では2万円程度かかります。(軽減税率1万円)
5,000万円超~1億円以下では6万円(軽減税率3万円)もかかるので、無視できない金額です。
また不動産を仲介業者から購入した場合、仲介手数料を支払います。
5,000万円の不動産であれば171万円程度の仲介手数料を支払うので、これもCFシミュレーションとしては無視できません。(仲介手数料は不動産価格の3%+6万円)
さらに登記時に司法書士に支払う登記費用も15万円~30万円程度必要。
また雑費として物件購入にかかる経費(交通費、宿泊費、食事代)なども含めると正確なシミュレーションができます。
これら経費だけでも200万円を超えることもあるので、しっかりと物件価格に含めてください。
税金
CFシミュレーションで注意したい税金は「消費税」と「不動産取得税」です。
消費税は不動産価格に含めます。
そして忘れやすいのが不動産を購入した翌年に納付する「不動産取得税」です。
不動産取得税は購入する不動産価格ではなく、評価額で決定するので、評価額の3%~4%程度を目安にしてください。
「評価額の3%って結構大きい額だね」🤔
そうです、初期費用としては無視できない金額なので、CFシミュレーションには含むべき費用ですね。😎
新築アパート等を購入するケースでは、評価額がわからない場合もありますが、同エリアのアパートを参考にするのも良い方法です。(不動産業者に聞くことでわかります)
業者のなかには不動産取得税の請求が翌年になることから、CFシミュレーションに含めないことがあります。
しかし、購入時に必要な経費なので、シミュレーションには必ず含めてください。
修繕費用等
とくに中古の投資用不動産を購入する場合は、実際に客付けをおこなう前に修繕をするケースが多いようです。
部屋のクロス、給湯器、エアコン、シンクなど、築年数が古いほど修繕にかかる費用がかさみます。
業者がつくるキャッシュフロー表では、購入直後に必要な修繕費用は含まれておらず、それを聞いても答えを貰えないことが多いようです。
「どの程度修繕するかは大家さん次第だけど」🙁
「それでもしっかりと修繕計画を立ててCFシミュレーションに入れなきゃ」😤
そうですね、修繕費用は高額になる場合もあるので、物件価格に組み入れてシミュレーションすることが大切です。😎
不動産ローン手数料
不動産を購入するにあたり不動産投資ローンを利用することがありますが、契約には事務手数料などの「ローン手数料」が必要なことが多く、借入れ額の1%~3%程度が請求されます。
4,000万円の借入れであれば、40万円~120万円程度なので無視できる金額ではありません。
また金融機関によってはローン契約時に団信や火災保険などを一括で支払う場合もあります。
このように購入時に支払う手数料についても物件価格に含めなくてはなりません。
CFシミュレーションの物件価格には購入時の全費用
CFシミュレーションの物件価格には、不動産を購入したさいに支払う、費用のすべてを入力することで正確なシミュレーションができます。
CFシミュレーションの物件価格を小さくすることで、将来的なキャッシュフローは改善し、キャッシュフロー表も見栄えが良くなので、業者はなるべく物件価格を小さく見せます。
「それじゃ詐欺と同じゃないか!」😠
「騙されない目が大切なんだね」😜
そうです、いい加減なシミュレーションに騙されないで、必要な購入費用を算出することが大切です。😎
実は今回利用した楽待CFシミュレーションは、物件価格の7%が自動的に経費として上乗せされる仕組みになっています。
「さすが楽待だねぇ」😘
しかし、悪意のある業者のシミュレーションはそのようにはなっていないので、しっかりと理解して棚されないようにしてください。
また楽待の7%経緯もあくまで目安として加算されていることから、それ以上の経費が出た場合は、差額を物件価格に加算してください。
今日は物件価格だけで一杯書いてしまいましたが、明日は「CFシミュレーションに入力する表面利回り」について紹介します。