不動産投資⑱危ないキャッシュフロー計算と見方…表面利回り
先日は不動産業者が作成するキャッシュフロー表には甘いデータが入力されており、それを信じると投資が失敗する可能性を指摘しました。
また物件価格は不動産価格だけではなく、その他の経費等も含めてCFシミュレーションをおこなうことも解説しています。
このCFシミュレーションのブログで参考とするシミュレーションとして、「株式会社ファーストロジック:楽待」が一般公開している「CFシミュレーション」を利用します。😍(ありがとうございます)
本日はシミュレーションで物件価格の次に入力する「表面利回り」の闇について紹介します。
キャッシュフローの計算については「不動産投資⑯業者が作るキャッシュフローの計算に騙されるな」からご覧くださいね。
[blogcard url="https://jj-money.com/post-1256/"]
[blogcard url="https://jj-money.com/post-1262/"]
表面利回りとは?
投資を開始する上で最も気になるのが「家賃収入」でないでしょうか?
中古物件であれば、「レントロール」とよばれる賃貸契約を集約している資料を見ることで、現在の契約状況や収入状況が確認できます。
しかし新築物件では、入居者がおらず、契約もないことからどの程度のキャッシュフローを得られるの計算ができません。
そこで業者はCFシミュレーション「予想の表面利回り」を入力し、キャッシュフロー表を作成します。
「そうかぁ 業者は予想で表面利回りをきめるのか?」🤔
「でも根拠にない予想だとキャッシュフロー表がおかしいことに…」😒
そうですね、表面利回りが現実と違うとキャッシュフローも見せかけだけになりますね。😎
表面利回りは状況を確認して決める
新築物件では入居者がいないことから、どの程度の家賃が発生するのかがわかりません。
業者はここを狙ってすこし高めの家賃を設定するかもしれません。
そこで購入する不動産の近辺にある同程度の賃貸物件の相場を自分の目で確認することが大切です。
相場を比較する目安としては、
- 駅からの距離
- 部屋の広さ(間取り)
- 設備
- 築年数が1~3年程度の差
- RC、木造など構造
- その他
このような条件に一致する物件の家賃と、空室率を確認して適正な家賃設定をおこなうことで表面利回りが算出できます。
過去に私が相談を受けた案件では、業者の家賃設定が7万円に対して、エリアの相場では5.5万円程度でした。
業者の家賃設定の80%になるのですから、CFシミュレーションの結果も大きく変わりました。
「20%の開きって…どんな家賃設定してたの?」😵
そうでうね、高すぎる家賃設定は夢がありますが、CFシミュレーションとしては間違った結果が出ます。😎
中古物件はレントロールだけで判断しない
中古物件を購入する場合は、業者が提示するレントロールを参考にしますが、ここで注意したいのは過去の家賃ではなく、新入居者の家賃です。
たとえば5年前から住んでいる入居者の家賃設定は5年前のものですよね。
日本は5年間でアパートやマンションが大きく増加して、その影響により古いアパート、マンションの家賃設定は減額されています。
そうなると現在入居している方が退去した場合、新しい入居者を探すためには家賃を見直して募集する可能性が高くなります。
中古物件でCFシミュレーションをおこなうには、現在の契約額は参考にして、現在の家賃相場で計算することが大切です。
「アパートを買ったらすぐに退去者が出たって話を聞くね」😖
そうですね、不動産を購入してすぐに退去者が出ることは「あるある」です。😎
そうなると新しい入居者を見つけるために、家賃の減額が必要になるかもしれません。
レントロールに記載される情報は過去のものなので、それだけを信じないで現状の調査をおこない標準的な相場を確認して表面利回りを設定しましょう。
業者の表面利回りは参考まで
業者は不動産を販売したいので魅力的な表面利回りを設定しますが、それが正しいのかを判断するのは投資家です。
家賃相場を確認することで、物件にあった相場の家賃は見つかります。
業者にたよるのではなく。自分の足で家賃を設定し、表面利回りを決定してください。
明日は家賃下落率について考えてみます。