不動産投資㉑危ないキャッシュフロー計算と見方…大規模修繕
不動産投資を判断するキャッシュフロー表を作成するには、しっかりとした収支の予測が重要だと紹介してきました。
また不動産業者が提示するキャッシュフロー表は、現実とは乖離した情報が含まれており、騙されないためには自分でCFシミュレーションをおこない、比較することも大切です。
本日はCFシミュレーションの入力項目である「大規模修繕」について紹介します。
このブログでは参考とするシミュレーションとして、「株式会社ファーストロジック:楽待」が一般公開している「CFシミュレーション」を利用します。😍(ありがとうございます)
キャッシュフローの計算については「不動産投資⑯業者が作るキャッシュフローの計算に騙されるな」からご覧くださいね。
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不動産投資では大規模修繕は必須
FIRE(ファイヤ)目的の不動産投資では、キャピタルゲインではなくインカムゲイン狙いの投資になることから、物件の保有期間は長くなります。
そこで賃貸経営では建物の状態を一定に保つために、「大規模修繕」と呼ばれる改修工事を一定周期で実施します。
もちろん、細かい修繕などは日々おこないますが、大規模修繕は屋根や壁を含む大掛かりな修繕だと考えてください。
大規模修繕を実施しないと、将来的に雨漏りなどの重大なトラブルが発生し、入居者に対する補償等の問題が発生するかもしれません。
また投資と考えても建物が棄損することは入居率が減少し、投資利回りが悪化する結果を招きます。
そうならないためにも大規模修繕は大切です。
大規模修繕をキャッシュフロー表に含めない業者がいる
定期的な大規模修繕を実施するには、修繕計画を立てて予算を計上しなくてはなりません。
しかし、業者が提示するキャッシュフロー表には、大規模修繕の予定が記載されていないことも多く、それによりキャッシュフローの見栄えが良くなります。
投資用の不動産を購入さいには、騙されないようにかならず大規模修繕の計画を確認しましょう。
大規模修繕の内容
木造10部屋、1棟アパートを例に必要な大規模修繕の項目を見てみましょう。
- 屋根の防水工事(防水塗装、防錆)
- 外壁工事(防水塗装、ひびの補修等)
- 給排水管工事
- 貯水ポンプ交換
- 防錆工事
- 給湯器の交換
- エアコンの交換
- 電気設備(共用部等)
- その他
大規模修繕でおこなう項目はさまざまですが、基本的な修繕工事について紹介しました。
「いろいろとあるんだねー」🤓
「屋根や壁の塗装はお金がかかりそう」🤔
そうだね、大規模修繕で実施する工事のなかには、屋根や外壁工事も含まれており、これらの工事には時間や費用もかかることから、しっかりと計画を立てることが大切です。😎
大規模修繕の実施時期と費用
大規模修繕にかかる費用は、対象となる不動産の規模により違いが出ますが、国土交通省が発行する「民間賃貸住宅の計画修繕ガイドブック」を見ると、かんたんな目安を以下のように紹介しています。
【木造10部屋(1LDK~2DK)の新築アパートにおける大規模修繕の費用イメージ】
- 築5年~10年目 : 1部屋あたり9万円(10部屋の木造アパートでで90万円)
- 築11年~15年目 : 1部屋あたり64万円(10部屋の木造アパートで640万円)
- 築16年~20年目 : 1部屋あたり23万円(10部屋の木造アパートで230万円)
- 築21年~25年目 : 1部屋あたり98万円(10部屋の木造アパートで980万円)
- 築26年~30年目 : 1部屋あたり23万円(10部屋の木造アパートで230万円)
「えーこんなにかかるの?」😱
「新しいアパートが建てらえるかも」😳
そうですが、これはあくまで国土交通省が参考として作成したイメージです。
あくまで大規模修繕は物件の状態により必要な工事に違いが出ますので、これより少なかったり多かったりする可能性もあります。
定期的に実施する大規模修繕ですが、なかでも注目したいのは15年目と25年目です。😎ニヤ
この年は耐用年数を超えた給湯器や排水管、さらに25年には加えて浴室など水回りの交換も含まれています。
住宅設備の耐用年数は15年~25年程度が多いので、ここは理解しておきましょう。
実際の周期は10年周期が目安
国土交通省のガイドブックでは大規模修繕の周期が5年でしたが、実際には10年周期でおこなう投資家が多いようです。
つまり新築であれば、築10年、築20年、築30年で大規模修繕を実施するイメージですね。
「10年周期なら費用負担も少なくなるね」😆
そうですね、とくに築浅アパートは10年程度では修繕の必要がないケースもあります。
楽待が提供するCFシミュレーションでも、「支出」欄の「大規模修繕費」で1回目から任意の回数を入力できるので、自分に合ったスケジュールで大規模修繕費を設定してください。
中古アパートは大規模修繕のスケジュールを確認する
新築物件の投資では問題はありませんが、中古物件を購入する場合は、かならず大規模修繕の実施履歴を確認しましょう。
とくに築10年~築15年程度のアパート等を購入するさいは、過去におこなわれた大規模修繕を確認し、購入後に必要な修繕個所と費用を確認しなくてはなりません。
業者によってはこれらのデータを出さないこともありますので、資料に含まれていない場合は、必ず入手してキャッシュフロー表に反映させてください。
購入後すぐに大規模修繕が必要になるケースもありますので注意が必要です。
大規模修繕でキャッシュフローは大きく変わる
大規模修繕はお金がかかりますが、不動産の価値や入居者の満足を向上させるためには必須です。
大規模修繕をおろそかにすると、建物が傷むだけでなく入居者の不満もたまり、退去者が増加し新しい入居者も見つかりにくくなるでしょう。
「雨漏りリスクのあるアパートなんて嫌だね」😫
「築古でもしっかり管理されたアパートなら住みたい!」😛
誰でもそうおもいますよね。😎
大規模修繕をおろそかにすると、入居者が減り、家賃の減額などの対応が必要になります。
そうなるともはや投資は失敗となり、借金の返済等にも影響が出てきます。
キャッシュフロー表を作成するには、大規模修繕を計画してしっかりと予算を入力してください。
しばらくキャッシュフローのブログが続いたので、25日のブログで実際にCFシミュレーションを使った結果を紹介します。
明日は19日に発生したNYダウの大幅下落について考えます。😎