吉野家75億円の赤字に…不労所得における優待株式投資

2021/4/13の共同通信のニュースで、吉野家ホールディングスが75億円の赤字だと報道されました。(2021年2月期連結決算)

原因はコロナ禍での時短営業で、テイクアウトが好調と思われていた吉野家も実際には苦戦したことがわかります。

吉野屋は超有名優待株

ところで吉野家は超有名な株主優待銘柄であることをご存じでしょうか?

優待銘柄とは年に1-2回程度、自社製品やサービス、商品券などの「優待品」が貰えるサービスで、上場している企業の1500社程度が実施しています。

株主優待と言えば「桐谷さん」ですが、彼がテレビに出てから株主優待銘柄は注目されています。

吉野屋の株主優待内容

吉野屋の株主優待制度を見てみましょう。

  • 権利確定月  2月、8月
  • 単元株数   100株
  • 優待内容   300円の食事券(100株以上:10枚、1000株以上:20枚、2000株以上:40枚)

吉野家の株主優待は2月と8月の末時点で、100株以上の株式を保有する株主に対して実施され、株式保有数により3000円-12000円までの食事券が半年ごとに提供されます。

吉野屋の配当利回り

吉野屋では株主優待とともに配当金も受け取れますが、赤字に転落した状況では、無配(配当が実施されない)可能性もあります。昨年までの実績では1株当たり5円程度の配当をおこなっていたので、0.2%程度の利回りでした。

FIRE(ファイア)における吉野家

FIRE(ファイア)用の不労所得として吉野家への投資は妥当でしょうか?

吉野屋の株主優待は100株で年間6000円相当(3000円×年2回)の食事券です。

現在の株価が1株2100円程度なので、100株の投資に21万円が必要です。

そうなると株主優待の利回りは2.8%程度で、昨年なみの配当を加算しても3.0%です。

また今期は無配の可能性もあることから、3.0%を切ることも考えられます。

FPとしてFIRE(ファイア)生活において「株主優待をどう考えればいいの?」などの質問を受けることがありますが、私的にはまず「現金を育てる銘柄に注力」するように答えています。

FIRE(ファイア)生活は日常生活であり、お金がないと生活が成り立ちません。

その意味では優待券を株多く保有していても、電気代、ガス代、水道代などを賄えないのですね。

現状では4.0%以上の配当利回り銘柄が多くあることから、株主優待銘柄を組み入れるメリットは少ないように感じています。

21万円で配当利回り4.0%銘柄では年間8400円が貰えるので、6000円の株主優待券よりも有利だと考えます。(税金は考慮せず)

株主優待銘柄は一定の不労所得を得た後に、娯楽目的で考えた方がよいでしょう。

また吉野家は来期予測で黒字化を計画していますが、投資は計画通りに進まないので慎重に判断することも大切です。

吉野屋の株主優待券はヤフオク、メルカリなどで超人気

株主優待券を現金化する方法があります。

一部の株主優待券はヤフオク、メルカリなどに出品することが可能で、額面近辺で落札されることもめずらしくありません。

とくに吉野家、ゼンショー(すき家など)、マクドナルドなどの優待券は超人気で、額面の90%以上の金額での取引が可能です。

ただし、落札金額からシステム利用料が8-10%程度差し引かれるので、実際には80%程度の売却額になるでしょう。

このように株主優待株は現金化できますが、それは一部の人気優待券のみで、人気のないものは1/3以下の値段で取引さえれたり、入札がされなかったりしますので注意してください。

また、落札金額やシステム手数料を差し引いたら、優待利回りがさらに下がることも覚えておきましょう。

吉野屋の株主優待券3000円分を2800円でヤフオク落札された場合、システム手数料8%を引いて手元に入るのは2500円程度です。

年間で5000円なので年間の優待利回りは2.3%に低下します。

「株主優待券は売ればいいや」

と考える人もいますが、売却すれば多くのケースで利回りが大幅に下がります。

FIRE(ファイア)生活では無駄な出費は現金なので、手数料を払うような無駄は避けるようにしてくだい。

優待株