【レバレッジ型ETF】FIRE銘柄で利用するのが危険な訳

バッファロー

投資の世界でレバレッジとは「てこの原理」みたいに、一定の指標に対して倍率を乗じた結果が生まれるもので活用されることの多い手法です。

 

たとえばFX(外国為替取引)では、少額の証拠金を預けることで、2倍~25倍程度の取引が可能です。

 

5万円を証拠金として預けたら10万円~125万円の取引ができるね。
小さな資金で大きな投資ができるから利益も大きいぞ!

でも反対に損失にもてこがかかることを忘れてはなりません。
25倍のレバレッジで取引した場合、損失が出たら証拠金などは一瞬でなくなってしまいます。

そのことからレバレッジをかける取引は本来、長期投資に向いていないと考えらえています。

 

実は過去にブログで紹介したETF(上場投資信託)にも、レバレッジがかかっている商品があります。

本日のブログはレバレッジ型ETFについて紹介します。

 

ETFについては「ETFと投資信託の違いとは?NISAの適用や買い方を紹介」をご覧ください。

 

 

レバレッジ型ETFは別名「ダブルブル型ETF」

レバレッジ型ETFは別名「ダブルブルETF」とも呼ばれており、名称にレバレッジではなくダブルブルと表記される場合もあります。

ブルとは「牡牛」のことで牛が角を上げる動作から、相場が上がっていることを示しています。

 

バッファローが攻撃するときは、角を上に突き上げるよね。

その動作がチャートが大きく上昇しているイメージと似ていることからブルと名付けらえたと言われています。(諸説あるのかな?)

そしてレバレッジがかけられているブルは、2倍超の上昇を見せることからダブルブルが使用されます。

 

レバレッジ型ETFは対象指数に対して数倍の動き

レバレッジ型ETFには対象となる指数が決められており、日々の値動きに対して一定の倍率で運用できるように作られています。

 

それじゃ日経平均指数に連動したダブルブル型ETFなら、日経平均が5%上昇したら10%上昇するの?

そうです。
考え方としてはそのとおりで、2倍のレバレッジがかかるETFでは、日経平均が5%上昇すれば、原則10%程度価格が上昇します。

 

レバレッジ型ETFは対象となる指数にたいして、商品ごとに2倍~4倍程度の値動きをします。

指数が上昇局面では短期間で大きな利益をもたらすことが可能ですが、反対に購入後下落すると損失も大きくなります。

 

損失も大きいレバレッジ型ETF

損失の出たサラリーマン

レバレッジ型ETFは上昇局面では、レバレッジ効果により利益も拡大します。

 

たとえば日経平均株価インデックスに2倍のレバレッジをかけたETFでは、日経平均が4%上昇した場合、レバレッジ型ETFは8%上します。

 

しかしここで重要なのは日経平均が値下がりした場合は、同じくETFの価格が8%下落することです。

 

そうかぁレバレッジ型ETFは指数が下落すると、てこがかかった状態で値下がりするんだ。

レバレッジ型ETFは値上がりだけでなく、値下がりでもレバレッジ効果が出ます。
日経平均が5%下落したら、10%の下落です。

レバレッジ型ETFの投資を考えているなら、ここは本当に理解して貰いたいポイントですね。

 

レバレッジ型ETFの損失が蓄積される訳

たとえば日経平均株価が1日目は1,000円、2日目は20%下落の800円、そして3日目は25%上昇して1,000円に回復したとします。

 

日経平均連動ブルETF

  • 1日目:1,000円
  • 2日目:800円(20%下落)
  • 3日目:1,000円(25%上昇)

これわかりますか?
レバレッジがかかっていないブル型ETFを1,000円で購入した場合、翌日20%下落するとETFの価格は800円です。

そして3日目は相場が回復し25%の上昇となり、ETF価格は1,000円に回復し元の価格に戻ります。

つまり20%下落したら25%上昇しないと元の価格には戻らないことがわかります。

つぎに同じ相場でイレバレッジ型ETF(2倍)を運用した場合を見てみましょう。

 

日経平均連動レバレッジ型ETF

  • 購入価格:1,000円
  • 2日目:600円(40%下落)
  • 3日目:900円(50%上昇)

 

レバレッジ型ETFでは2日目の下落が2倍の40%下落してETFの価格が600円まで低下しています。

3日目は指数が25%上昇したので、ETF価格も50%上昇したのですが、600円に対する50%上昇なので900円までしか回復しません。
 
つまり同じ状況でもレバレッジ型ETFは、元値に回復しないことがわかりますね。

 

えっ
レバレッジがないETFなら元値に戻っているのにレバレッジ型ETFでは、元値の10%も下落したままなの?

そうです。
対象の指数の動きは同じであっても、下落した場合の動きは同じではありません。
指数が元に戻ってもレバレッジ型ETFの場合では、元値に回復しないことが多くあります。

投資初心者はとくに下落時の値動きについてよく理解してください。

 

金融庁からも注意文書が出ている

実際にレバレッジ型ETFを理解しないで、投資をおこない大きな損失を出した投資家が少なくありません。

そこで金融庁からレバレッジ型ETFについての注意文書が出ています。

(金融庁:レバレッジ型・インバース型 ETF 等への投資にあたってご注意ください)

内容はここで紹介したとおりですが、とにかくレバレッジ型ETFは長期投資を避けることが大切だと書かれています。

 

なぜ長期投資はだめなの?

レバレッジ型ETFはあくまで値動きの倍数を1日で達成するように作られたETFだから、そもそも長期運用には適していません。

運用を長期化させることで、少しづつ運用結果にずれが出ます。
これが大きくなることで、回復不可能な損害が出る可能性があります。

 

レバレッジETFは投資初心者がよく理解しないで手を出すと、大きな損失を出しやすい商品です。

投資には十分な勉強をおこなったあとに判断して下さい。

明日のブログはインバース型ETFとレバレッジ、インバース型のETF商品の紹介をします。

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