【ゼロクーポン債】割引価格で購入、償還で利益が出る債券
債券から利益を得る方法にはいくつかの種類があります。
最近J塾長が購入したソフトバンク無担保社債(劣後特約付)などは、年2回設定された利払日に決められた利子が支払われるので、株式の配当と同じイメージです。
しかし、証券会社で取り扱われている債券のなかには「ゼロクーポン債」、「割引債」などと書かれているものがあります。
本日のブログではゼロクーポン債について注意点などを紹介します。
社債については「【高利率債券】人気のマネックス債は年利率0.7%」などをご覧ください。
ゼロクーポン債とは?
SBI証券の既発債券ページを見ると多くの債券が紹介されています。
各債券の情報欄には年率が「%」で記載されていますが、そのなかに数字ではなく「ゼロクーポン」と書かれた債券が含まれています。
なにかゼロクーポンってかっこいい名前だよね。
クーポンとは利子のことなので、ゼロクーポンとは「無利子」のことですよ。
かっこいい名前ではありませんね。
普通債券の場合は年率欄に債権の年利が%で記載されますが、ゼロ―クーポン債は利子がないのでゼロクーポン(無利子)と記載されています。
でも利子がない債券では投資にならないよ?
ゼロクーポン債は利子がつかない代わりに、額面を割り引いて購入できます。
つまり購入時に額面の割引価格で購入して、償還時に額面価格で支払われることで利益を得る債券です。
ゼロクーポン債が割引債と呼ばれるのは、これが理由です。
実際のゼロクーポン債を見てみよう
ネット証券で取り扱いされているゼロクーポン債の一つを見てみます。
- 欧州復興開発銀行2026/1/22満期ロシアルーブル建ゼロクーポン
- 単価:77.64%
- 販売単位:5万ルーブル以上5万ルーブル単位
- 利払日:なし
- 残存年数:4.3年
- 償還日2026/01/22
欧州開発銀行発行のロシアルーブル建ての債券です。
ゼロクーポン債なので利払い日は「なし」になっており、購入時に額面の77.64%で購入できることがわかりますね。
この債券は5万ルーブル単位の申込なので、2単位である10万ルーブルを購入した場合、実際の支払いは77,640ルーブルです。
償還時には10万ルーブルが支払われるので、10万ルーブルとの差である22,360ルーブルが債券の利益になります。
この債券の残存年数は約4年なので、年利で考えると7%程度と考えても良いでしょう。
償還期限まで利益が出ない
年利7%ならFIRE(ファイア)の投資にも使えるね。
ゼロクーポン債は購入時に割引価格で債権を購入し、償還時に満額受け取れる債券です。
その仕組みから利益は満期である償還期限が来ないと発生しません。
償還期限が長い債券だと利益が出るまで待たないといけないんだね。
この債券でも償還期限まで4年3ヵ月あります。
その期間は利益がでないのでFIREの生活費としては期待できない投資です。
しかし、償還時には大きな利益が発生するので、FIRE生活用の投資とは区別して活用することは問題ありません。
償還時の税金にも注意
利子が支払われる債券では、利子に対して20.315%の税金が発生します。(特定口座)
しかし、ゼロクーポン債では利子がないことから、償還時に発生した利益に対して一括で税金が発生します。
償還時に一括で税金が発生するから額が大きくなることもあるね。
特定口座であれば税率は20.315%です。
さきほどの債券はルーブル建でしたが、税金は日本円に換算した上で20.315%が課税されます。
ゼロクーポン債のなかには割引率が「どえらい大きな商品」がありますが、このような債券は為替に気を付けなければ損失が出る可能性もあります。
明日のブログでは「どえらい」割引率のゼロクーポン債を見てみましょう。
※このブログはあくまでJ塾長の感想であり、投資を勧めるものではありません。投資は自己判断と責任でおこなってください。