【優待改悪】吉野家が株主優待制度の改悪を発表…株価は?

牛丼

吉野家(9861)が2022年2月期第二四半期の決算を発表しました。

決算自体は悪くはなく、業績も急激に回復しているように見えます。
株価も決算発表から上昇しており、発表後の10月14日には190円程度の上昇を見せています。

でもねぇ~

何か気になるの?

今回の決算発表に合わせて株主優待制度の変更も実施します。
しかし今回の変更は改悪的な印象がありますね。

本日のブログは吉野家の株主優待改悪について紹介します。

 

株主優待制度については「【J塾長のFIRE銘柄】高配当&充実優待のオリックス」などもご覧ください。

 

 

100株保有株主の優待が改悪へ

吉野家の株主優待は超人気で、優待目当てに一単元のみ保有する株主も少なくありません。

今までの優待制度では100株の保有で年2回、300円の優待券を10枚づつ、年間20枚(6,000円)貰えました。

これが年2回、500円の優待券を4枚、年間8枚(4,000円)に改悪されます。

現行優待制度

  • 100株〜999株    : 300円×10枚×2回 年間6,000円
  • 1,000株〜1,999株 : 300円×20枚×2回 年間1,2000円
  • 2,000株〜     : 300円×40枚×2回 年間24,000円

 

変更後

  • 100株〜199株   :500円×4枚×2回 年間4,000円
  • 200株〜999株   :500円×10枚×2回 年間10,000円
  • 1000株〜1,999株 :500円×12枚×2回 年間12,000円
  • 2,000株〜      :500円×24枚×2回 年間24,000円

(「株主優待制度の変更に関するお知らせ」吉野家ホールディングス)

 

額面300円の優待券が500円になるんだね。

牛丼の価格は並盛りが390円程度なので、500円券だと使いづらいと感じる人もいるかもしれませんね。
1回の利用で500円の優待券を使用するには、牛丼にサイドメニューの追加が必要です。

優待券の額面が上がると使用回数自体は減るので、吉野家的には負担が少なくなります。

額面を300円から500円にするだけでも吉野家にメリットはありそうですね。

今回の変更では額面変更はあるけど、1,000株以上の株主に対する金額はは変わらないね。

そうです。
変更はあくまで999株以下の株主に対して実施されます。

今までは100株から999株の保有では優待金額は同じでしたが、新たに100株と200株以上とに分けて、それぞれ年間5000円と10000円に変更されます。

200株以上では6,000円が10,000円に増えるので拡充ですが、100株では6,000円が4,000円に大幅に改悪される内容です。

 

やっぱり改悪だと思う理由

今回の吉野家の優待変更は、100株では改悪ですが、200株以上では拡充になっています。

でもやっぱり改悪だと思うのですよね。

吉野家の株主の特徴は、吉野家の牛丼が好きなファンが1単元だけ投資して優待を楽しむものです。

また普段、投資をしないが、吉野家のみ保有している人も少なくありません。

このような1単元の吉野家ファンに悪影響が出る変更はどうかなぁ?と思います。
要はもう100株買い増せと言うことですよ。

J塾長が思うに吉野家は100株株主が圧倒的に多く、バランス的には今回の変更では吉野家にメリットが大きいように感じます。

100株を買い増すには22万円程度必要なので、手が出ない人も多いと思いますね。

 

改悪でも株価は上昇

吉野屋チャート
(引用:Yahoo!ファイナンス)

株主優待の変更により株価が下落すると思いましたが、予想を超える上昇を見せました。

理由は業績が予想以上に回復したことですが、J塾長は少し疑問があります。

今回の業績上方修正の要因は政府の時短協力金によるものと決算説明書に記載されています。
つまり、国から貰う協力金により、業績予想が上方修正されたのです。

(「2022年2月期 第1四半期決算補足資料」吉野家ホールディングス)

え〜それじゃ、業績が予想以上に良かった訳ではないんだ。

業績は回復傾向ですが、あくまで今回の予想修正は時短協力金のおかげですね。
この内容で株価が急上昇するとは…

 

優待利回りと配当

吉野家の株価は2、274円なので100株保有だと優待利回りは1.75%です。

また中間配当は無配予定でしたが、5円の復配が決まりました。

復配は中間配当のみで、期末配当は未定です。
5円なので配当利回りは0.2%、優待利回りを加えた合計利回りは1.95%です。

FIRE銘柄としては3%は欲しいとこなので、少し物足りない利回りです。

 

吉野家への投資は冷静に

吉野家の優待は改悪により100株投資の魅力は減少しました。

また合計利回りも2%未満なので、利回りに魅力があるとも言えません。

 

さらに今期の決算は時短協力金の影響が大きく、来期以降が見えない状況です。

回復傾向にあるのは間違いありませんが、このまま増収が続くかは疑問です。

利回りが高くないので、株価の上昇に期待するしかありません。
しかし、先が見えない印象です。
投資の判断は慎重にしたほうが良いでしょう。

 

※このブログはあくまでJ塾長の感想であり、投資を勧めるものではありません。投資は自己判断と責任でおこなってください。

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