【人気優待株】サイゼリアの株価が急上昇…その理由は?
株主優待株でも人気のイタリアンファミレスの「サイゼリア(7581)」が、10月13日に「2021年8月期決算短信(連結)」を発表しました。
安価な値段でイタリアンが楽しめるファミレスとして人気の高いサイゼリアでしたが、やはりコロナの影響で客足は遠のき、さらに時短の影響で業績は悪化している印象です。
今回の決算では売上は1,265億円で前年同期の0.3%減、営業利益は22.6億の赤字でした。
やっぱりコロナの影響はまだまだ強かったと見るべきだね。
営業利益が赤字になのは2年連続で、まだまだ回復には時間がかかる印象を受けましたが、決算発表翌日には株価が大きく上昇しています。
本日のブログは赤字決算にも関わらず株価が上昇したサイゼリアについて考えます。
コロナの影響日苦しむ株主優待銘柄については「【緊急宣言解除】アフターコロナ狙い目はANA、JAL」などもご覧ください。
経常利益は黒字化に
サイゼリアの決算をみると営業利益は赤字ですが、経常利益は17.6億円の黒字転換されています。
売り上げによる利益が赤字なのに、なんで経常利益が黒字なのさ?
一般的な感じでは人件費削減等の経費削減効果により黒字化を目指すのですが、今回はあくまで時短協力金による黒字転換だと説明されています。
ただしサイゼリアは経費削減にも大きく力を入れており、ガス、電気、消耗品などの無駄を見直す取り組みをおこなっています。
海外店舗が大きく貢献
今回の決算で注目を集めたのが海外店舗の売上が急激に伸びている点です。
日本店舗
- 売上 :861.8億円
- 営業利益 :△72.1億円
豪州店舗
- 売上 :48.4億円
- 営業利益 :6.2億円
アジア店舗
- 売上 :402.1億円
- 営業利益 :44.2億円
このように日本以外の海外店舗ではコロナ禍にもあるにも関わらず営業利益は黒字であり、日本の赤字を海外店舗で補っている印象を受けます。
サイゼリアがアジアでこれだけのビジネスを展開していたのは知らなかったよ。
サイゼリアは中国大陸に対しても積極的な出店を行っており、コロナの影響からいち早く脱却した中国の売上が急増しているようです。
中国におけるビジネスを拡大させていることを知らない人も多かったので、これはサプライズとして受けとめらえていました。
中国ビジネスには問題が多いのですが、サイゼリアは現状では成功していると思います。
来期は黒字転換を明言
決算短信によると来期はコロナの影響が見えないとしながらも売上1,500億円、営業利益70億円経常利益130億円、当期純利益86億円を見込んでいます。
来期は営業利益を含めて黒字の予定で完全復活かな?
そうでもないようです。
決算短信には、政府の時協力金65億円を見込んでいることが黒字の前提とも書かれています。
ただし時短協力金は営業外収益なので、売上や営業利益の増収増益が見込まれていることも事実ですね。
今期の売上が1,260億円なので約20%売上が伸びる予想です。
株価の動き
サイゼリアの決算内容が公表された翌日の10月14日には株価は大きく上昇し、10月19日時点で3,060円水準で推移しています。
発表前の株価が2,610円(3/13終値)なので4営業日で17.7%程度上昇しています。
2期連続で営業赤字なのに株価は結構上昇したね。
海外店舗のおかげで赤字幅が予想を下回ったことと、来期の強気予想が功を奏した感じですね。
サイゼリアは株主優待を食品から食事券に変更したことも好感されていたので、興味を持つ投資家が多いのも事実でしょう。
ただし業績についてはコロナ次第なので、このまま株価が上昇することはないと思いますので、高掴みはしないように注意したいところです。
配当と株主優待
サイゼリアの配当は1株18円を維持する予定で、配当利回りは0.59%程度です。
また株主優待は年1回(8月末)に実施されます。
- 100株~499株 : 2,000円の食事券
- 500株~999株 : 10,000万円の食事券
- 1,000株以上 : 20,000円 の食事券
100株購入する費用は306,000円なので配当利回りは0.65%です。
合計利回りは1.24%なのでFIRE(ファイア)銘柄としては魅力はありませんね。
利回り的には魅力が薄いサイゼリアですが、調整が入った時点で短期投資として購入するのはありだと思います。
J塾長は3,000円水準の株価では手が出しにくいと考えますが…どうでしょう。
※このブログはあくまでJ塾長の感想であり、投資を勧めるものではありません。投資は自己判断と責任でおこなってください。