【退職金の使い道の相談】預金か投資かが問題だぁ~

退職金

先日、あるご夫婦から退職金についての相談をうけました。

FPのJ塾長は年に数回は退職金に関する相談を受けますが、とくにコロナ禍の現状で将来を不安に思っている人がが少なくないのだと思います。

老後資金として退職金をどうすればよいのか悩むよね。

本日のブログは先日受けた相談をベースに、退職金について考えてみます。

FIRE(ファイア)生活については「【FIRE後の肩書】不労所得だけでは社会的信用が低下する」なども見て下さい。

 

退職金の使い道に悩む

まず相談者の属性について簡単に紹介します。

Aさん(夫):64歳
Bさん(妻):63歳
貯蓄:約800万円
持ち家:ローンなし
年金:手取り18万円(夫婦)
退職金:1,200万円
子ども:2名(独立)
現在夫:無職
現在妻:パート(月収5万円)

今回の相談は退職金で貰った1,200万円の使い道です。
現金のまま銀行に預金するか?それとも投資するか?で悩んでいるそうです。

また銀行からは投資信託を購入するようにしつこく勧誘されている状態です。

貯金は800万円を定期預金と普通預金に預けています。

退職金で貰った1,200万円と合わせると2,000万円程度の老後資金ができますが、それでもこれからの生活を考えると少しでも増やすことを検討したいとの話でした。

 

銀行は付き合いよりも金利で選ぶ

これからの生活を送る上で、全ての資産を投資に回すことはできません。

その上で現金資産は必須ですが、なるべく金利の高い銀行に預けるようにアドバイスしました。

 

Aさん夫婦が使用している銀行は栃木県の地銀で、普通預金は0.001%、据え置き定期預金でも0.002%の金利しか付きません。

だめだめ金利だね。
800万円の預金はここに預けていたの?

そう。
現在は地銀に口座を持っているから安心だとかはありません。
ネットバンクなどを比較して、最も金利が有利な銀行を選ぶようにアドバイスしました。

幸いAさんはパソコンスキルがあることから、普通預金で0.2%の金利がつく「あおぞら銀行BANK支店」を紹介しました。

Aさんの銀行資産はBさんも含めて合計800万円を普通預金に預けていたので、これだけで金利が0.001%から0.2%に200倍もアップしたことになります。

これにより800万円あずけ年間80円(手取り約64円)の利息だったのが、16,000円(手取り約12,800円)に上昇しました。(実際は20.315%が税金)

年間で12,000円以上の投資を現状と同リスクで達成したことになります。

 

退職金の使い道

過去に話題になった「老後2,000万円問題」を覚えていると思いますが、夫婦で老後を全うするには年金以外に資金として2,000万円必要だとの指摘があった問題です。

これは叩かれたよね。

フルボッコだったもん。

たしかに居住種別や年金種別、生活レベルなどの要素を無視して、2,000万円が一人歩きしたので驚いた人も多いと思います。
しかし、計算的には結構合っているとの指摘もあります。

金融庁の主張では65歳以上で夫婦ともに無職の高齢者世帯に必要な生活費は、平均で約25.5万円と言われています。

これはあくまで金融庁が言う平均で、実際には15万円以下で生活している人も普通にいて、あくまで都市部を含む平均(中央値ではない)だと推測します。

そして金融庁の試算では一世帯あたりの年金が約20万円。(これも怪しいけど)

日本人の平均寿命を85歳と仮定すると、65歳の年金支給から30年間は生きる計算です。

そこで毎月足りない生活費の5.5万円を貯金から補う必要があるんだね。
5.5万円×12ヵ月×30年=1,980万円って訳さ。

これはあくまで金融庁のモデルケースでもっと少ない金額で生活できるし、実際の年金受給額も手取りで20万円も貰える人は少ないと思いますよ。

叩かれるよね…これじゃ。

 

J塾長のアドバイスは?

Aさん夫婦は持ち家で大きな修繕予定はないそうです。
毎月の年金が手取りで18万円あり、生活面は困っていない様子でした。
また現金預金として800万円を確保していることから、退職金の1200万円のなかから700万円は預金、500万円を投資に回すことを提案しました。

現金資産が1,500万円あれば、50万円を30年間生活費に補てんできます。
車の維持費や買換えにも利用できるので、安心できる資産になります。
これなら少しの贅沢も可能です。

もちろん預金は0.2%のあおぞら銀行です。
これでBANK支店の普通預金の合計が1,500万円になり、利息が14,000円増えて、合計30,000円になります。(手取りで24,000円)
口座はAさんとBさんと2口座開設し、1口座で1,000万円を超えないように説明しています。

年間3万円ですがお小遣いとして食事代などで使うには嬉しい金額ですよね。

投資は何をすすめたの?

Aさんは昔、株を購入した経験がありますが、現在は投資はおこなっていません。
そこで500万円のうち250万円は、これからも経済が好調予想の米国株式ETFに連動した投資信託です。
実際にはS&P500インデックスファンド、さらに米国高配当株式インデックスファンドなどを紹介しました。

また日本株のなかから数社、おすすめの銘柄やETF、Jリートを紹介し、それぞれ50万円を上限に分散投資する方法も伝えました。

Aさんのケースではしっかりした資金があるので、リスクの高い投資は避けるべきで、比較的リスクの少ない投資で十分と判断しました。

いつでも使える1,500万円の現金資産があれば、急な病気になっても心配ありません。

また投資も日本だけでなく米国市場を含めておこなうことで、リスクヘッジだけでなく一定のリターンも期待できます。

 

今回は相談に来られたAさんについて紹介しましたが、ここで書いたのはあくまで一部の話です。

実際にはライフプランに沿った細分化されたポートフォリオを提案しており、実現の判断はAさんに委ねています。

FPはあくまで相談までが業務で実際の判断はAさんが行わなくてはなりません。
人に任せる投資は失敗の元です。
少しづつ勉強してくださいね。

 

※このブログはあくまでJ塾長の感想であり、投資を勧めるものではありません。投資は自己判断と責任でおこなってください。

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