【楽天グループが赤字拡大へ】人気銘柄の株価はどうなる?

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人気銘柄の楽天グループが(楽天G:4755)2021年1月~9月の連結決算で922億円の純損失(赤字)を出したことが発表されました。

楽天市場の楽天だよね。
なんでそんな大きな赤字になったの?

楽天Gは現在整備を進めている携帯電話事業に対する先行投資がかさんためと説明しています。
だたし楽天Gの同期間中の赤字は3年連続で、前期の714億円の赤字からさらに拡大しているのが気になりますね。

本日のブログは楽天Gの決算と株価について考えてみます。

投資ニュースについては「【大型経済対策の行方】岸田内閣の経済対策は株価を上げるか?」などもご覧ください。

楽天グループの株価の行方は?

楽天グループの株は1株あたり1,157円水準で、1,050円水準を底に低迷しています。

株価が低迷している理由は子会社である楽天モバイルの先行投資が要因であり、膨大な投資を支えるためにメインであるEC事業の利益が消えているように感じます。

楽天市場は好調のようだから、楽天モバイルの設備投資が影響しているんだね。

楽天Gが行っている先行投資が正しければ、最終的には大きな収益になって帰ってきます。
ただし、ここ数年は厳しい局面なので、FIRE(ファイア)投資では楽天Gは控えた方がよいと考えます。

楽天Gの決算書をみると2021年の配当は年間で4.5円、配当利回りは0.38%程度です。

赤字で配当を出すのは嬉しいのですが、この配当ではFIRE(ファイア)銘柄としては使用できません。

将来を期待して購入する選択はありますが、先行投資の効果が表れるまでには時間がかかりそうなので、しっかりと考えた上で投資を判断してください。

人気の優待銘柄

楽天G株は人気の株主優待銘柄で、株式保有数に対して楽天キャッシュが貰えます。

  • 100株以上   :  500円(5年未満)、1,000円(5年以上)
  • 1,000株以上  :  1,000円(5年未満)、1,500円(5年以上)
  • 5,000株以上  :  1,500円(5年未満)、2,000円(5年以上)
  • 10,000株以上  :  2,000円(5年未満)、2,500円(5年以上)

さらに

  • 100株以上   : 1,500円(楽天トラベルクーポン)

年1回保有株式数に応じた楽天キャッシュと楽天トラベルの1,500円のクーポンが貰えます。

100株で考えると5年未満で0.43%の優待利回りだね。
さらに楽天トラベルのクーポンは1.29%だから合計で1.72%の優待利回りまで上がるね。

配当利回りが0.38%だから合計利回りは2.1%です。
楽天トラベルのクーポンは保有株式数は関係ないので、100株保有が最も利回りが高くなります。

23年の黒字を目指す

楽天市場の楽天株式会社を子会社に持つ楽天Gの三木谷社長は、楽天モバイル単独の黒字を2023年と考えていることを公表しています。

今回の赤字の要因は、子会社の楽天モバイルの設備投資だよね。
携帯事業ってそんなにお金がかかるの?

携帯事業の設備投資では、基地局を建築するための土地やビルなどを取得しなくてはなりません。
人口96%カバーの達成(4Gベース)を目標にする楽天モバイルですが、それだけ基地局の数が必要となり費用もかかります。

またユーザーを獲得するために、さまざまな優遇キャンペーンを実施しており、本来の収益を上げられないのも問題ですね。

J塾長は若いころ(NTTの自動車電話時代)から、1996年まで携帯電話システムの開発に携わっており、若干は情報通のところがあります。

携帯電話ビジネスは始めると利益率が高くて美味しいのですが、そこまでにかかる経費が半端ありません。
楽天Gも新規参入者として、これに苦しめられていると感じます。

携帯電話事業における楽天Gの収益とは?

一般的には携帯電話事業における収益は、加入者の通信費だと思いますが、実際にはそれ以外に波及するビジネスを作り出せます。

スマホの代金で儲けるんじゃないの?

たしかにそれが一番ですが、それ以外に構築したシステムを他社へ売却することも可能です。

J塾長が働いていた携帯事業者も、自社で開発した通信システムを南米などの発展途上国などに売却して大きな利益を上げていました。
またその場合はシステムだけでなく、エンジニアの派遣やコンサルなど大きな契約となることが多いですね。

楽天Gも5Gシステムを海外の事業者へ販売する計画があり、ここからも多額の収益を得る計画です。
さらにシステムの販売も全体丸ごとではなく、パッケージとして販売することも考えているようです。

楽天モバイルはKDDIから借り入れてきたローミング回線を自社回線に切替する作業を進めており、それにより今まで支払っていたローミング費用の負担が削減されることも収益の改善に繋がると説明しています。

ローミングってなに?

ローミングとは自社のユーザーが自社以外の通信網を使用することです。

楽天モバイルのユーザーが、楽天モバイルのサービスエリア外でスマホを利用した場合、自社回線がないことからKDDIの回線を使用していました。

そこで楽天モバイルはKDDIに回線使用料として多額の費用を支払っていました。

しかし楽天の通信網が拡大すると、KDDIの回線に頼らずにサービスが提供できることから、今まで支払ってきたローミング費用は必要なく収益改善に繋がります。

これらのビジネスプラン自体は目を見張るものがありますが、予定通りに進むかは現状では想像できません。

スマホビジネスはこれからも進化し続けるので、投資が止まることはないでしょう。
その意味では体力のある事業者が最終的に勝つように思えてなりません。

実はJ塾長も楽天モバイルを7年前から使用しているユーザーです。
ぜひ頑張って貰いたいですね。

ただし投資は様子見ですよ。(笑)

優待株