【上場廃止か?】施工不良のレオパレスが黒字へ…投資判断は?

賃貸アパート

賃貸住宅大手のレオパレス21(8848)が11月12日(金曜日)の大引け後に2022年3月期第2四半期累計の決算を発表しました。

レオパレスって施工不良が社会問題にまで発展したアパート賃貸大手だよね。

そう
うちのお姉ちゃんも東京で入居していたよ。
今年、引っ越したけどね。

本日のブログはレオパレス21(8848)の決算と投資対象としての評価を考えます。

株式投信ついてのブログは「【楽天グループが赤字拡大へ】人気銘柄の株価はどうなる?」なども見て下さい。

 

レオパレス21が4年ぶりに赤字から脱出…投資は難しい

レオパレス21が12日の大引け後に2022年3月期の中間決算を発表し、4月から9月の最終利益が6.4億円の黒字になったことを発表しました。(読売新聞オンラインの記事から)

前年同期は175億円の赤字だったので、今年に入り業績が急回復していることが伺えます。

レオパレスは防火壁の不良など、建築基準法に合っていない施工で問題化しているけど、あの問題は解決したの?

いや、解決はしていないよ。
オーナーに対してはレオパレスが全面的に補修をおこなうことを通告したのですが、実際にはスケジュール通りの工事が行われていいないようです。
オーナーのなかには裁判を検討している人も少なくありません。

簡単な工事で改修できるアパートもあれば、構造の問題で修繕できないものもあるようなので、これからの対応が気になりますね。

それでも175億円の赤字から6.4億円の黒字になったから、経営は安定しているのかな?
それなら株価が暴落している今こそ投資ではないの?

むーちゃんの言うこともわかりますが、FIRE(ファイア)銘柄としてレオパレスに投資するのは、難しい選択だと言わざるをえません。

今回の決算はあくまで4月~9月の半期に限ったもので、下期から来年以降については赤字脱却が難しい状況なのが理由です。

現状ではレオパレス株は投機的な銘柄であり、安定を求めるFIRE銘柄には該当しないので投資判断は慎重におこなってください。

それではレオパレスに対する投資が難しい理由を考えます。

レオパレス21が危険な理由

今回レオパレスが黒字化した大きな理由は、もちろん賃貸住宅の入居が増えたことが要因です。

賃貸住宅の入居は増えているの?

レオパレスの本業での営業利益は8億円の黒字(前年同期126億円の赤字)で、これはアパート賃貸事業が上手くいっている証拠です。
コロナの影響でおこもり需要が増えたことで、都心に近い物件に人気が集まっているようです。

またコロナで採用を見合わせていた企業も、採用や転勤などを再開したのも理由だと思いますね。

しかし、ここで注意したいのはあくまでこの現象はコロナ禍の一過性のもので、レオパレス自体の魅力が上がったことによるものではないことです。

つまり、「物件数が少ないので、仕方がなくレオパレスに入居した」人も大勢いると思います。

言い方は悪いですが、これくらいレオパレスの評判は落ちていると感じています。

レオパレスで新築物件は増えない

さらに問題なのはレオパレスで新築アパートが増えない可能性があることです。

施工不良で問題を抱えたレオパレスは、ある意味「悪徳不動産デベロッパー」であり、そのような会社に借金をしてアパートの建築を依頼するオーナーは少ないのではないでしょうか?

そうだよね。
何千万円~数億円もするアパートを購入するなら信頼のある業者にしたいから。

FIRE(ファイア)における投資では安心、安全、安定が必要だと考えており、レオパレスはどれにも該当せず、ただ投機だけが当てはまるように感じます。

レオパレスの事業は新築物件が増えないと尻つぼみに業益が縮小するモデルです。
その意味では将来的な展望が見えなく、長期的な株価高騰も期待できないと思います。

米投資ファンドへの金利支払いで通年決算は赤字

ハゲワシ

レオパレスは事業再建目的でアメリカの投資ファンド(ファースト・インベストメント・グループ)から572億円規模の借金をしており、金利の負担により2022年3月期の通年連結業績は15億円の赤字を予想しています。

半期では黒字だったのに…借金の金利を支払うと赤字かぁ。
毒リンゴを食べたようだね。

レオパレスが米投資ファンドから資金を入れた経緯は、日本国内で助けてくれる金融機関等が見つからなかったのが要因です。
たしか会社をつぶすと修繕を待っているオーナーに迷惑がかかる…的な話だったと思いますよ。

しかしこの状態では業績が回復しても利益はすべて投資ファンドへ吸い取られてしまいますよね。
はげたかファンド」とは、よく言ったネーミングです。

レオパレスは米投資ファンドからの借入れがあり、それが本来の株主利益を食い荒らしている状態です。

このことからも配当等の株主還元は期待できません。

上場廃止のカウントダウン

現在、レオパレスは110億円規模の債務超過状態で、2023年3月までに解消できない場合は、東証の規定で上場廃止になります。

上場廃止になった場合、レオパレスの株式は残りますが、市場での売却はできず、価値はなくなると考えてよいでしょう。

最悪、会社を清算(倒産)させる可能性も考えられます。

このシナリオは米投資ファンドの考え次第ですね。

裁判が増加するかも?

レオパレスの施工不良問題で一時は修繕を提案されながらも、実際にはいつまで経っても着工されず、最後には修繕不能を通知されたオーナーがいるそうです。

確かにレオパレスの不良建物は数が膨大で、すべてに対応するのは難しいことはわかります。

でも開き直るのはどうかなぁ?

施工不良は瑕疵担保責任もあるので、施工会社が対応しなくてはなりません。
そこで裁判などの争いがこれから増えることが予想されますね。

昨年から今年はコロナの件で、大きな動きを控えていたオーナー達ですが、レオパレスの黒字化の決算をみて、修繕を求める動きが活発化するのではないでしょうか?

不良物件の修繕費用と、米投資ファンドの金利とでは、どちらが優先されるべき費用なのかが問われる問題ですが、長期間解決しない可能性もあります。

これはあくまで妄想ですが、不良物件のオーナーたちが裁判を行うと勝訴すると思います。
しかしレオパレスにはその費用を支払うことをせず、結局は会社を破綻させるのではないでしょうか?
そしてその指示はあくまで米投資ファンドだと…

裁判が増えると嫌がるのは資金を提供した米投資ファンドですから、会社を清算させて回収をいそがせる可能性は大いに考えられます。

レオパレスの株価は夏の150円水準から現在は240円水準です。

今の状況で3ヵ月で60%の値上がりはおかしい感じがするので、もはやお祭り状態に突入しているようにも見えます。

やはりここは投資を控えた方が安全だと考えます。

※このブログはあくまでJ塾長の感想であり、投資を勧めるものではありません。投資は自己判断と責任でおこなってください。

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