【友好的TOBに移行】新生銀行よりもSBIHD株に注目の訳

新生銀行とSBIHD

SBIホールディングス(以下SBIHD)が新生銀行へ仕掛けた敵対的TOBは、11月14日にこのブログでも予想した通り、好的TOBに移行することが決定しました。

あれだけSBIHDの悪口言っていたのに、結局は白旗あげて降参するんだね。

まあ、海外の機関投資筋を味方にした時点まではよかったのですが、肝心の隠れ筆頭株主である国に対する対策をおろそかにしたことが不味かったですね。

新生銀行は「どうせ国は棄権するさ!」と考えていて、機関投資に向けた対応をメインに行っていた節が見られます。

国としては「借金も返さず、プランも出さない、経営陣は高額収入…さらにTOBの危機になっても明確な返済プランを出さない」と怒り心頭だったと思いますよ。

その証拠に買収防衛策の反対についてはあまり揉めなかったとの報道もありました。

本日のブログは2021年11月25日に実施予定だった臨時株主総会を中止し、敵対的TOBから友好的TOBに移行した新生銀行のこれからと、いよいよ考えたい投資判断について考えてみます。

 

新生銀行に対するTOBの話題は「【SBIの勝利か?】新生銀行のポイズンピルに国が反対の方針」も見てください。

 

 

新生銀行の株価は上昇…だけど結論は投資は無しで…

新生銀行は11月25日に開催予定だった臨時株主総会で、SBIHDからのTOBに対しての買収防衛策(ポイズンピル)の発動を決議する予定でした。

しかし株式全体の22%程度を保有する国が、ポイズンピルの発動に反対することが分かり、一転して臨時株主総会自体の開催を中止したのです。

前のブログで国が反対したことで、友好的TOBへの移行を模索すると予言していたね。

国が保有する22%とSBIHDが保有する20%の株式。
合計するするとそれだけで42%なので、個人投資の議決権をあわせると強硬裁決しても否決されたでしょう。

まさかの国の反対意見に、これまで保身で走っていた新生銀行経営陣も、やっと我に返ったような感じですね。

新生銀行がポインズンピルの発動を諦めたことで、SBIHDのTOBが成功することが確実視されており、新生銀行の株価は素直に上昇しています。

新生銀行がポイズンピルを実施する可能性を示唆したことで、1,700円水準まで下がっていた株価は、臨時株主総会の中止を受けて1,900円半ばまで急回復を見せました。

これからの株価はどうなるの?

ここまでさまざまなやり取りがありましたが、TOBの買い付け期間を12月10日まで延長することが決まりました。

つまり12月10日までは現在の株価水準を維持し、TOBによりSBIHDが48%の新生銀行株を取得することでさらに株価に動きがでるのではないでしょうか?

 しかし今回の動きでJ塾長は新生銀行株に投資することはありません。

結論から言いますと、FIRE(ファイア)銘柄として魅力が増したのは新生銀行株ではなく、SBIホールディングス株です。

SBIホールディングス傘下に入り新生銀行の株価は上昇するか?

新生銀行がSBIHD傘下にはいることは、消費者金融のレイクなどグループ企業も参加に入ります。

SBIHDの北尾社長は新生銀行グループをSBIHDの中核事業に育てると話しており、これからSBI証券、SBI銀行などとの連携による事業を進めると思います。

新生銀行と住信SBIネット銀行を合わせることで、あらたなメガバンク構想もあるようですね。
現状ではどのような相乗効果がでるのかは、未知数ですがビジネス的には期待が持てると思います。

しかし新生銀行の業績は芳しくないことから、このまま2,000円を超えて上昇を続けるのは難しいと思いますね。

J塾長的には新生銀行へのTOB成功がしたことで、新生銀行よりもSBIHD株の魅力が増したと感じています。

 

SBIホールディングスの株価は?

国の反対が報道されたことでSBIHDの株価は上昇、さらにTOBの受け入れを発表したことで2,900円水準だった株価が一時3,150円まで上昇しています。

新生銀行を傘下に入れることでメリットが出るのはSBIHDだよね。

たしかに新生銀行は国の借金3,700億円を返済しなくてはならない状況なので、SBIHD傘下に入っても厳しい経営が続くでしょう。
相乗効果でメリットが高いのはむしろSBIHDかもしれませんね。

ここでSBIHDの株式の状況を見てみましょう。

 

  • SBIホールディングス(8473)
  • 株価:3,015円(11/26)
  • PER:8.87倍
  • PBR:1.02倍
  • ミックス係数:9.04倍
  • ROE:16.00%
  • ROA:1.13%
  • 配当利回り:3.98%(昨年と同額として)

SBIHDは10月28日に2022年3月期第二四半期累計の決算を公表しており、連結経常利益が1,092億と発表しています。

SBIHD決算2022年3月期前期
引用:SBIHD2022年3月期第二四半期決算から

前年同期は545億円だったので2倍に急回復していることがわかりますね。

配当については中間配当を昨年より10円増配の30円(前期20円)、期末配当は未定ままです。

中間配当が少ないような…

SBIHDの配当は期末がメインなので、通期の決算が出てから金額が決まります。

前期も中間配当は20円でしたが、期末配当は100円で合計120円でした。
今期も同じく中間が30円ですから、期末は100円以上出ると思います。

SBIHDのIRを見ると配当は自社株買いを含めた株式還元の原資を当期利益の40%以上と考えており、株主還元に対して積極的なイメージを受けます。

ここ5年間の配当性向を見てみましょう。

 

  • 2021年:35.3%
  • 2020年:61.3%
  • 2019年:43.2%
  • 2018年:38.5%
  • 2017年:31.4%

 

ここ5年間の配当性向の平均は40%以上あり、FIRE投資として注目できる企業です。
また配当とは別に自社株買いも実施しているので、株価の上昇や下落を抑える対策も期待できます。

チャート的にも2021年7月を底に、下値を切り上げて上昇する上昇トレンドに入っており、テクニカル指標的にも上昇トレンドを示唆しています。(若干弱めかなぁ?)

SBIHDはミックス係数も9倍台で、割安感も感じられるので、調整タイミングがあれば投資を検討したいと思います。

 

※このブログはあくまでJ塾長の感想であり、投資を勧めるものではありません。投資は自己判断と責任でおこなってください。

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