【米雇用統計が予想を下回る】これからの米国株価を予想
アメリカの労働省が11月の雇用統計を発表しました。
テーパリングが決まった後だけに11月の雇用統計は注目されていましたが、思いがけず予想を下回わる結果でした。
10月の雇用統計は絶好調だったけど
11月は悪化したの?
微妙な部分はあるんだけど…はやり結果的には悪かったね。
株価もこの結果には失望しているので、これからが心配ですね。
本日のブログは2021年12月3日に発表した米雇用統計、そして株価の行方について考えます。
米国経済についての話題は「【量的緩和は年内維持】FRB議長テーパリングは年後半に?」なども見て下さい。
それでも米国経済は強い
米国FRBは量的緩和の縮小を意味するテーパリングの開始を11月のFOMCで発表していますが、その後、パウエル議長はテーパリングの終了を早めることを示唆しています。
意味不明…
簡単に説明すると
テーパリングは段階的に経済対策である量的緩和の規模を減らすことなんだよ。
11月のFOMCではそのスケジュールが示されたのだけど、米国経済のインフレ懸念から、そのスケジュールを早めてテーパリングを終了させることを言っています。
つまり「11月に発表したスケジュールより前倒しでやります!」…みたいな。
そしてこの前倒しの議論は12月14日から開催されるFOMCの議題になるようです。
しかし、この状況下で発表された米雇用統計は思いがけず予想を下回っており、米国経済に潜む問題点を浮き彫りにした形です。
ただし、非製造業景気指数などは上昇していることから、今回の雇用統計のみの結果でテーパリングのスケジュールを見直す判断はないと受け止められているようです。
確かに今回の雇用統計は厳しい部分もありましたが、9月、10月はコロナで休んでいた人の雇用環境が動き出した月でした。
その反動が11月に出ている可能性があります。
J塾長はそれでも米国経済は強く、テーパリングも予定通り開始されると予想しています。
また主な企業の決算も悪くないことから、株価についても一段落した時点で上昇を再開するのではないでしょうか?
米雇用統計の概要をチェック
米労働省の発表した11月の雇用統計では、非農業部門雇用者数が21万人増でした。
非農業部門とは農業に従事していないサラリーマンなどの雇用労働者のことです。
10月は54万人増だったので、雇用の増加でみると半分程度に減っています。
今回の結果の原因として考えられるのが世界的な半導体不足などから、製造業が稼働できない問題などが考えらます。
つまり、仕事をしたいけど部品がないから、工場を本格再開できないんだね。
アメリカでは好景気から労働者不足の様相を見せていましたが、アジアなどからの部品が供給されないことで雇用したくてもできない状況が起きているようですね。
失業率はやや改善…オミクロン株の影響は?
今度は失業率でみてみると、11月の失業率は4.2%で10月の失業率である4.6%より改善しています。
失業率は改善しているので、やはり自宅待機などが理由で働けない人が増えている印象ですね。
失業率に含まれる失業者のなかに、どの程度の長期失業者が含まれるを表すのが「長期失業者数」です。
FRBは長期失業者数のなかでも27週間以上の長期失業者数を重視しています。
求職活動をしているにも関わらず、27週間以上仕事が見つからない状況の人たちだね。
FRBが注目している27週間以上の長期失業者は10月が31.6%でしたが、11月は32.1%と微増でした。
これも製造業の部不足が影響しているのかもしれません。
しかし雇用統計と同じく失業率も微増だったことから、それでもテーパリングのスケジュールは前倒しされる可能性が高いと思います。
テーパリングの前倒しにより一時的な株安がおこるのか?
米国経済だけでなく日本でも部品供給の遅れから、さまざまな産業に悪影響が出始めています。
しかし、米国はインフレも進んでいることから、経済的には活況な状態だと判断できます。
また原油高の問題も解決の見通しがついたので、年末から年始に向けてもう一段階の改善が期待できます。
やはりここで気になるのがオミクロン株ですね。
アジアでオミクロン株が猛威を振るった場合、世界中で半導体などの部品不足が加速して経済に悪影響が出る可能性が高まっています。
とくに航空業界、旅行業界、自動車産業、製造業などでは、工場の生産を抑制しています。
J塾長的には一時的に米国株安が起きた場合は、S&P500インデックスETFなどの投資のチャンスと考えて検討したいと思います。
※このブログはあくまでJ塾長の感想であり、投資を勧めるものではありません。投資は自己判断と責任でおこなってください。