年金の繰り上げ受給の減額率が変更へ!FIREでの活用は?
令和2年の法改正により令和4年4月から年金の繰り上げ受給した場合の減額率が変更されます。
繰り上げ受給って本来65歳から受給できる公的年金を、最大5年間前倒しで貰える制度だよね。
繰り上げ受給では60歳から年金を受け取ることが可能でしたが、早く受給できる代わりに年金の支給額が減額されるデメリットがあります。
来年4月に始まる新制度では、この減額率が変更になります。
FIREを始めたい人にもメリットがありますので、よく理解してください。
本日のブログはいよいよ開始まで、3ヵ月に迫った年金の繰り上げ受給について説明します。
住宅ローン減税の法改正については「【住宅ローン減税の縮小】まだ間に合うか11月30日まで」を見て下さい。
年金の繰り上げ受給の減額率が0.5%から0.4%に
2022年4月に始まる年金の繰り上げ受給制度では、繰り上げ率が0.5%から0.4%に減額されます。
これはお得なことなの?
年金の繰り上げは60歳からできる制度で、現行は繰り上げ月数に対して0.5%の年金額が減額されています。
来年4月の改正により0.4%に繰り上げ率が変更になるので、実質20%減額利率が減る計算ですね。
例えば年金額が年間200万円のケースで、60歳から繰り上げ受給した場合で説明します。
本来の年金は65歳からなので、このケースでは5年間の繰り上げ受給です。
この場合、減額される年金は「60ヵ月(5年)×0.5%=30%」ですから、年金額の30%減額されます。
200万円×30%=140万円
このケースでは65歳から支給予定の年金を、60歳から繰り上げ受給した例です。
繰り上げ受給による減額は30%、年間60万円年金が少なくなりますね。
ただし年金の受給が60ヵ月早く貰えることから、選択する人も少なくありません。
次に2022年4月からの繰り上げ受給を見てみましょう。
同じく60ヵ月(5年間)繰り上げ受給した場合の計算は以下の通りです。
「60ヵ月×0.4%=24%」ですから、年金額の24%が減額され、現状の制度より6%の減額率がへりました。
200万円×24%=152万円
来年の4月からは繰り上げ受給による減額率が月に0.4%なので、5年繰り上げ受給した場合の減額は24%です。
年間48万円減額しますが、現行制度と比較して12万円も多くなります。
12万円年金が増えるので、月の支給が1万円増えると言うことですね。
これは負担が軽くなります。
年金の繰り上げ受給は繰り上げする月数により変わるので、「繰り上げする月数×0.4%」で減額率を計算して、自身の年金額と掛け合わせて計算してください。
また繰り上げ受給では老齢基礎年金と老齢厚生年金を切り離しての申請はできないので注意して下さい。
FIREの生活費として強い味方に
年金の繰り上げ受給はFIRE生活を目指している人にとって強い味方ですが、年金の減額率が高かったことから実際には利用しにくい制度でした。
月で0.5%の減額から0.4%へ20%も改善されたから、FIRE資金としての選択肢も増えたよね。
先ほども書きましたが年間200万円の年金支給がある人は、毎月1万円程度支給が増える計算なのでこれは大きいと思いますね。
投資などで得られる不労所得に不安がある人は、年金を早めに受給して安定した生活資金を作るのもFIREでは有効です。
不労所得が少ない人はよく考えて
今回のブログでJ塾長が年金の繰り上げ受給をおすすめする対象は、あくまで一定の不労所得を持っている人です。
そのような人は生活を年金のみに頼らず、あくまで不労所得の補てんとして年金を充当できます。
たとえば不労所得で年間150万円の配当が入る人は、年金が140万円に減額されても合計で290万円の収入を得られます。
月で24万円ですから生活費としては安心できる金額でしょう。
でも年金が主な収入だったらキツイよね?
60歳から繰り上げ受給した場合の損益分岐点は80歳程度ですから、80歳以上になると65歳から受給した人の方が年金合計額が多くなります。
年金が主な生活費の人はここをよく考えて選択した方がよいでしょう。
年金の繰り上げ受給は一度選択したら元に戻すことはできません。
しつこいですがFIREの実現を理由とする年金の繰り上げ受給は、不労所得を構築している人が、生活費の補てんで活用するのが望まししいとJ塾長は考えています。
その他の人はよく考えて選択してくださいね。
年金はFIREにとっての安定収入
年金は公的な制度ですからFIREにとっても安定収入の一つです。
FIREを実現するには将来の不労所得に組み込んで、計画を立てることが重要だと思います。
来年からは繰り上げ受給の減額率が0.4%になるので、現在構築している不労所得と合わせて早期のFIREが実現できるように計画を立てましょう。
※このブログはあくまでJ塾長の感想であり、投資を勧めるものではありません。投資は自己判断と責任でおこなってください。