正月から一括返済①フラット35の不正融資がバレた

フラット35不正

J塾長はファイナンシャルプランナーとして活動しており、稀にFIREについての相談を受けます。

年末に知り合いから紹介された相談者(仮名:田中さん)から、不動産投資についての相談依頼がありました。
さらに正月そうそうですが、昨日も電話で相談を受けることに。
内容けっこうヤバい話なので、注意喚起も含めて概略だけ2回に渡って紹介しますね。

不動産投資については「【最新情報】住宅ローン減税が1%から0.7%へ…さらに」も見て下さいね。

 

 

フラット35の不正発覚で一括返済の危機

田中さんは50代半ばでJ塾長より少しだけ年下、奥さんと専門学校生、高校生の子どもの4人家族です。

地方の大学卒業から有名企業の工場に勤務しており、年収も約700万円程度と地方のサラリーマンとしては高収入だと言えます。

その田中さんから突然相談を持ち掛けられたんだよね。

J塾長の友人から「ぜひ相談に乗って貰いたい…」を連絡を受けて、年末でしたが12月30日に自宅で会うことにしました。

実は田中さんは将来的にFIREを計画しており、埼玉に区分の賃貸マンションを3部屋保有しています。

1部屋目は過去に奥さんの両親が住んでいた相続物件で、ローンはありません。

2部屋目は6年前に購入した物件でローンがまだ約10年残っています。

そして問題の3部屋目です。

この部屋は3年前に購入したマンションで、残債も多いのですが、問題はローンを組むにあたりフラット35を使用したことです。

フラット35は住宅金融支援機構と銀行等が提携して融資するお得な住宅ローンだよね。

フラット35は最長35年の返済が可能で、金利は固定金利保証人も不要で繰り上げ返済の手数料もかかりません。
金利はローン年数により現在1.210%~1.330%程度です。

フラット35は安い固定金利で最長35年間のローンが組めるだけでなく、収入要件が合うことで比較的審査もとおりやすい住宅ローンです。

田中さんはあることが問題視されて、住宅金融支援機構から一括返済を求められてしまいました。
その額は約4,900万円です。
FIREを夢見て不動産投資を行ってきた田中さんですが、このままでは破綻が待っているかもしれません。

 

住宅金融支援機構からフラット35の一括返済を求められた理由

田中さんが住宅金融支援機構からフラット35の一括返済を求められた理由は、ネットでもお馴染みの不正利用です。

ここ数年、ネットでも話題になっている不正利用でしょう?
不動産投資では有名な話なのに、本当に手を出している人がいたんだね。

いきなり厳しいねぇ。むーちゃんは。
J塾長も「いまだにいるんだ…」と思いましたが、実際には2年前に購入したマンションらしいので、当時はそこまでまずいと思っていなかったようです。

フラット35の利用条件として「本人または親族が住む」とあります。

 

つまりフラット35はあくまでローン名義人が住むことが条件で、不動産投資などの賃貸目的では利用できません

田中さんはマンション購入当時、不動産会社の営業マンから、「大丈夫だから」と言われてローンに申込みしたみたいだよ。
1部屋目の区分はローン完済でしたが、2部屋目の区分は残債があるので、審査が心配だった田中さんは、やってはいけないことに手を出したみたいだね。

 

田中さんが不動産会社と話した内容

メモ

田中さんがマンション区分を購入するさいに不動産会社の営業と話した内容がメモで残っていました。

生々しい内容だよね。

 

  • 銀行での打ち合わせでは「自分が住みます。」と言う。
  • 完成時には一時的に奥さんだけでも住民票を移す。
  • ローン名義人は単身赴任と話す。
  • 賃貸を始めたら奥さんの住民票を戻しても大丈夫。
  • あとで問題が生じても一時的に親戚が住んでいると話す。

このような対策が不動産会社と話し合われており、実際にこれでフラット35の融資が通りました。

「もはや詐欺の領域ですよね…」って田中さんに話したら、「そうですよね」って頷いていたのが印象的です。

とにかく、これで融資は完了し田中さんは3部屋目の区分マンションを手に入れたのです。

 

ついにバレた!フラット35の一括返済通知が来た

実はフラット35の不正がバレても、直ぐに一括返済にはなりません。

まずなぜ居住していないのかを詳細に聞かれます。
転居に関する経緯説明」を文書で求められるのですが、田中さんは「親戚が住んでいる」と打ち合わせ通りに虚偽の説明を繰り返しました。

また入居者について親戚関係の証明を求められても同じ内容を繰り返し話すだけしかできません。

不動産会社に相談しても、「それで乗りきって下さい」しかアドバイスがありません。

そしてそれから数ヵ月経過したところで、「全額繰上償還請求」の予告が送られてきました。

これは予告文書ですが、実際には一括返済通知と同じです。

つまり住宅金融支援機構は田中さんが契約した、フラット35の全額返済を決定した訳です。

そしてJ塾長に相談に来たのがこの話の経緯です。

 

話が長くなるのでこの続きは次回のブログで紹介します。

どうなる田中さん?

 

※このブログはあくまでJ塾長の感想であり、投資を勧めるものではありません。投資は自己判断と責任でおこなってください。

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