連続増配株の花王、株価下落で高配当、オーケーとの対立が懸念

花王決算

日本で連続増配株と言えば「花王(4452)」です。

花王は連続増配株として日本市場の第一位
なんと31年間も連続して増配をおこなっているよね。

第2位の会社が23年連続なので、花王が飛びぬけて増配をおこなっていることが分かります。
またそれだけ業績が安定している優良企業だとも言えますよね。

この花王ですが最近の株価下落で配当利回りが上昇しており、FIRE銘柄としての有望株になっています。

本日のブログは株価下落により長期投資に光が見えてきた連続増配銘柄の花王について紹介します。

連続増配株については「【連続増配株とFIRE】長期の株式投資は増配銘柄がおすすめ」なども見て下さい。

 

 

花王の株価がさえない理由

花王の株価をここ5年で見ると半円のように株価が5年前の水準に戻っています。

2016年12月ごろの株価は5,500円程度だったよ。
それから2018年秋にピークの9,300円をつけたところで下落し、さらにコロナ需要で巻き返したものの、今では5,160円水準に戻っているよね。

現在の下落トレンドが始まったのは2020年7月なので1年半程度、下落トレンドが続いている状況ですね。

花王の株価がさえない理由は、市場が期待している業績を残していないことで、2022年2月3日に発表した2021年12月連結決算を見ると、売上は2.7%増でしたが純利益は最終になっています。

  • 2021年12月期連結決算(通期)
  • 売上:1兆4,187億円(前期比2.7%増)
  • 営業利益:1,435億円(前期比18.3%減)
  • 純利益:1,096億円(前期比13.1%減)

売上が前期比で2.7%増えているのに、営業利益は18.3%減だよね。
最終利益である純利益も13.1%減っているよ。

売上が増えているのに利益が減る背景は、やはり原油高が関係しています。
花王の製品の多くは石油を原料とするものが多く、原材料の値上げにより製造コストが大幅に上昇しています。

 

原油の値上がりで利益が減少

花王の決算資料を見ると2021年12月期の決算における営業利益の減益理由が見えてきます。

大きいのは「原材料価格変動の影響」で、2020年度と比較して160億円相当の負担増となっています。
また運送費、物流費も30億円負担が増加しているようです。

花王の石鹸や洗剤類などは石油製品だから、原油価格の高騰はモロ業績を圧迫させるよね。

WTI原油価格が一時的に1バレル94ドルを突破した報道もあるので、しばらくは原油高が続きそうです。
あ~あ、原油ETF売るんじゃなかったよぉ。
今日のブログには関係ないけどwwww。

2020年は紙おむつなどの紙製品や消毒関連品に人気が集中していましたが、昨年は騒動も落ち着いたことで在庫等が出た可能性もあります。

とくに中国人が競って購入していた紙おむつ事業では45億円の純損失を計上しています。

 

花王の増配方針は維持

純利益が13.1%も低下しましたが、2021年12月期は2020年12月期より4円増配の144円に決まったようです。

前期と比べて4円の増配ですね。
花王の株価が5,150円とすると配当利回りは2.79%です。

また来期の予想として配当を年間148円を予定しており、実現すると2.87%の配当利回りです。

花王は意地でも連続増配を続けるつもりだよね。

ただ心配なのは花王の配当性向が60%を超えていることです。
頑張りすぎている感じもしますね。

しかし花王は大企業で事業やシェアもしっかりしているので、この程度の配当性向は問題ないと思います。

 

値上げで利益率を回復か…オーケーの反乱も

オーケーストア

原材料費の高騰をうけて日本中の製造メーカーが値上げを模索していますが、花王も製品の値上げを3月に実施することを表明しました。

原油価格が上昇しているので仕方がない部分もありますが、花王の製品は生活に直結しているので国民に受け入れられるかが心配です。

これに対してさっそく大手スーパーマーケットの「オーケー」が反応、値上げを理由に花王製品の取り扱いを中止したことが分かりました。

オーケーは花王から大幅な仕入れ値の値上げを要求されたことで、花王製品を引き上げ他社製品に切り替えています。

このようなスーパーはまだまだ出るかもよ。

最近では各社のプライベートブランドが多いので、イオンなんかは値上げ理由にプライベートブランドの売り上げを伸ばそうと考えているかもしれないね。

そうなると花王の売上は減少する可能性も考えられます。

 

花王の株価下落によりFIRE(ファイア)銘柄入りに

いままでも花王は大企業で業績もよいことから、FIRE銘柄として注目していました。

しかし、配当利回りが2%以下だったことから、採用とまではならず将来的な増配を期待するしかありませんでした。

しかし、ここ1年半の下落により、配当利回りは2.7%を超えており、NISAによる運用であれば十分にFIREで活用できる水準に到達しています。

花王をFIRE銘柄として採用するかは、「値上げ問題がスムーズに決着するか」だと思います。
もし値上げがとん挫すると2022年12月期の業績予想が崩れてしまうでしょう。

その意味ではオーケーに追随する小売企業が出ないことが重要ですね。

花王の株式をこの価格で購入できるタイミングは多くはないので、投資を考えている人は原油価格と値上げ動向を勘案して投資タイミングを考えてください。

でも長期で投資するならタイミングを考えず、いつ購入しても問題ないと思います。

だけどJ塾長が本当に言いたいのは、原油高で製品が値上がりするのは仕方がこと。
それを許容できなくなっている原因は、絶対に日本人の所得が増えていないからです。
スムーズな値上げができない背景は、日本人の所得を増やさなかった大企業が結局のところツケを支払っているようにも見えますね。

 

※このブログはあくまでJ塾長の感想であり、投資を勧めるものではありません。投資は自己判断と責任でおこなってください。

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