JTが大幅下落で買場到来か?ロシアのウクライナ進攻で

JT下落

JT(日本たばこ:2914)」がロシア軍のウクライナ侵攻により、大幅な下落となっています。

え~
この間、増配を発表したばかりなのに、ロシアのウクライナ侵攻で株価が下がってるの?

JTは日本企業のなかでもロシア市場と関わりが深い企業とみられており、業績悪化の懸念が出たようですね。
しかし株価が下落したことは、JT投資にとってメリットもあるかもしれません。

本日のブログはロシアのウクライナ侵攻によるJTへの影響を考えてみます。

JTの増配については過去ブログ「JTが増配と株主優待廃止を発表!当6%超えの高配当の行方」を見てください。

 

 

株価下落は買場のチャンス

JTの株価は2022年2月21日は終値が2,323円でした。

しかしウクライナ情勢の悪化とともに株価は下落し、2月22日には2,250円、2月24日は2,191円、そして2月28日は2,120円まで下落しています。

2月21日から28日までで203円も下落したね。
約9%の下落率だよ。
それだけロシアとJTの繋がりが深いと見られているんだね。

大きく売られたJTですが、3月1日午前の株価は23円高(9:51)の2,143円まで上昇しています。

株価が下がったことで割安感が出て買い戻しの動きが出たと思います。
またロシアとウクライナが交渉を始めたとのニュースも好感されました。

しかしSWIFT排除によりロシア経済はガタガタになる可能性が高いことから、JTに与える影響は少なくないでしょう。

株価が下落したことでJTの配当利回りは株価下落で約7%の水準まで上昇しています。

現状ではJTの影響が正確に見えてきませんが、ロシアルーブルがとんでもない状況なので一定の売上が吹き飛ぶ可能性もあります。

しかしJT全体でみると割安水準に株価があるのは事実なので、「ここで買いもあるかな?」と思っています。
ウクライナ情勢が落ち着くタイミングが鍵ですね。

 

ロシアとJTの関係

JTはロシアとウクライナに工場を持っており、とくにロシアには5つのたばこ工場があります。
ウクライナにあるJTの工場は、もちろん現在一時停止中です。

日本では紙巻きたばこの需要は減っていますが、ロシアやウクライナでは需要が高く、今回の軍事侵攻でJTの業績悪化は免れないでしょう。

またJTは2022年の経営計画」でロシア・欧州への事業拡大を示しており、電子タバコの普及などを未来事業の柱にしていました。

 

ロシアをSWIFTから排除でJTが苦境に

今回の軍事侵攻でロシアをSWIFT(国際銀行間通信協会)から排除することが決まったことで、JTはさらに苦境に立たされる可能性があります。

なんで?

SWIFTは国際間の銀行送金システムの一つです。
国際的な銀行の送金は実際にお金をやり取りすのではなく、信頼できる通信を利用して手続きします。
その信頼できる通信システムがSWIFTであり、排除されたロシアは国外への送金業務ができません。
もちろん他のシステムもありますが、世界シェアは圧倒的にSWIFTなので、現実的にはロシアの金融機関は孤立するでしょう。

そうなるとJTはロシアの金融機関に預けている資産を日本、欧州などに送金できなくなります。

そうかぁ
ロシアで出た売上がどこにも動かせなくなるんだ。

 

ロシアルーブルの下落でJTが苦境に

DOWN

さらに為替ではロシアルーブルがおかしなことになっているので、動かせない資産がドンドンと価値を失う可能性もあります。

ロシアルーブルはウクライナ軍事侵攻により大きく下落し、約30%下落しました。

これはどういうこと?

ロシアルーブルが一瞬で30%下落したことで、通貨価値も30%下がったんだよ。
簡単に説明すると100万円が一瞬で70万円の価値になったと考えてもいいよ。

たとえば「1万ルーブルで100個買えた輸入商品が、70個しか買えなくなる」と思えば簡単です。

ロシアルーブルの価値が下がることは、ルーブルで預金していたロシア国民の資産も30%少なくなったことを意味します。

ロシアの中央銀行が政策金利を20%に引き上げても追いつかない下落ですね。
これではロシア経済を圧迫し、国民の不満も大きくなるでしょう。

わかった!
JTはSWIFTの問題でロシアから資産を出せないだけでなく、ルーブルの価値も下がっているから資産価値も減ってい二重に危ない状況なんだ。

JTの子会社が保有するロシア国内の資産はドンドンと目減りする可能性が高く、SWIFTの排除で他国通貨に換えることもできません。

泣きっ面に蜂だね。

うーん…
ポメラニアンに言われるのもなんだけど、まさにそのとおりですよね。
なんとかこの危機を脱してほしいと思います。

JT自体の業績は回復傾向にあったので、今回のウクライナ侵攻はとても残念です。

西側諸国の制裁により軍事侵攻が終息を迎えても、ロシアの制裁は簡単に終わらない可能性もあります。
ロシアは産油国なので為替だけでなく原油にも影響を与えるので、そこも注視したいと思います。

 

※このブログはあくまでJ塾長の感想であり、投資を勧めるものではありません。投資は自己判断と責任でおこなってください。

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