ウクライナ紛争&原油高?新電力撤退と高配当電力株の見通し

電力株見通し

いきなりだけど、4月27日にビックリしたメールが届いたよ。
キャンピングカーでRVパークにいたんだけど、内容はJ塾長が契約している電力会社が電力供給を停止する内容でした。

えっ、電力会社が電気の供給を止めたら、事業停止じゃない?
倒産なの?

そうではないみたいだけど…うーん。

本日のブログはウクライナ紛争や原油高にあえぐ、電力事業と高配当の電力株について考えます。

電力会社の話題は過去ブログ「原発再稼働が期待の東京電力HD、電力不安だけど株価上昇」も見てください。

 

 

新電力の撤退が始まった

J塾長が契約している新電力会社は「あしたでんき」です。

「あしたでんき」から送られたメールには「6月30日をもって電力の供給を停止する」と書かれており、7月1日以降は電力の供給を行わないと明記されています。

6月30日といったら2ヵ月先だよね。
それまでに電力会社を切り替えないと電気が利用できなくなるの?

そうだね。
あしたでんきのHPには、7月1日以降は電力が止る可能性を示唆しているよ。
J塾長はこのご時世なので安全を考えて、スイッチング先に「東京電力ホールディングス(9501)」の東京電力エナジーパートナーを選択して、さっそく申込みをおこないました。

今の状況下では新電力の経営は圧迫されているので、別の新電力へのスイッチングは高リスクだと思います。

でもなんで新電力の経営が圧迫しているの?

 

原油高や長引くウクライナ紛争で電力供給が悪化

現在の日本の電力供給に問題が生じている理由は、電力を生み出すエネルギー不足が要因です。

電力を作るにも他のエネルギーが必要なんだね。

原油、天然ガス、石炭…電力を作り出すには、これらの資源が必要で火発電所等で電力が作られます。

しかし、OPECプラスの減産ウクライナ紛争によるロシア産天然ガスの排除など、安定した資源を確保することが難しくなっています。
とくにウクライナ紛争によるロシアへの経済制裁に天然ガスが含まれていることから、資源不足は一定期間続くことが予想できますね

今回のあしたでんきの事業停止は、電気を生み出す資源の高騰が要因ですが、それらの原因が原油高、ウクライナ紛争、円安…など災害や枯渇ではなく、人為的に起きていることも特徴だと思います。

さらにこの期に及んでも検査済みの原発さえ再稼働させない岸田政権の対応のまずさも原因です。
これも人災ですよ…本当に何もやならい内閣だよね。

 

高配当の大手電力会社への投資について考える

昔の電力株は「ディフェンシブ銘柄」と呼ばれ、高配当で値動きが少ない株式だと考えられていました。

今のFIREみたいに配当狙いで保有する人が多かったんだよね。

電力会社と製薬会社などは安全資産だと思われていたので、貯金感覚で投資していた人もいたよ。
だけど東北大震災でそれらの考え方は吹っ飛んでしまい、電力株は高リスク銘柄と認識されるようになりました。
とくに「東京電力ホールディングス(9501)」は多額の賠償金の負担があるから、無配となりもはや「ディフェンシブ」でも「高配当」でない「ハイリスク株」になったのです。

しかし、東京電力以外の「関西電力」、「中部電力」、「四国電力」、「九州電力」…などの地方電力会社のなかには、原発を再稼働させている電力会社もあり、健闘を見せている会社もあります。

しかし、原油高やウクライナ紛争、さらに円安の状況で、のきなみ収益が悪化、決算が業績予想に届かい状況に陥っています。

 

原発を再稼働している電力会社に注目

現在、原子力発電所を稼働させているのは「関西電力」、「四国電力」、「九州電力」の3社の合計5基のみです。

その意味ではこの3社は他電力会社より、現状は安定しているのかな?

関西電力は2基、四国電力は1基、九州電力は2基の原発が運転中です。
つまりこの3社の電力会社は、おそらく東北電力、北陸電力、東京電力HDよりも安定した供給が可能なはずです。

各電力会の2023年期の業績予想を見てみましょう。

1.関西電力

  • 売上   : 3.4兆円
  • 経常利益 : △1,000億円
  • 純利益  : △750億円

2.四国電力

  • 業績予想 : 未定

3.九州電力

  • 業績予想 : 未定

原発が稼働している電力会社でも、2023年期の業績予想は難しいんだ。

現在の電力会社は外的な要因により業績が上下するので、現状で予想するのは難しいと思います。
しかし、状況が変わればいきなり上昇へ転じる可能性も低くありません。

 

J塾長は九州電力(9508)に注目

九州電力チャート
参照:Yahoo!ファイナンス

現状ではとても新規投資できない電力株ですが、魅力的な株価まで急落していることも事実です。

関西電力、中部電力、四国電力、九州電力については、原発の再稼働の可能性が高いことからも注目したい銘柄です。

株価も格安水準まで下がっているので、好材料が出た時には投資を考えてもよいでしょう。
J塾長は関西電力、中部電力の株は保有しており、現在の株価でも損失は出していません。

そのようななかで今気になっているのが「九州電力(9508)」。
タイミングを考えて九州電力株を購入したいと思っています。(今ではありませんよ)

九州電力の2022年3月期の配当利回りは4.91%でFIRE銘柄としては魅力的です。
またミックス係数が8倍程度で株価の割安感もあります。

九州電力の2022年3月期の決算状況は以下の通り。

  • 売上   : 1.7兆
  • 経常利益 : 323億円
  • 純利益  : 68億円

決算内容で算出したPERは15.42倍、PBRは0.57倍、ミックス係数は8.78倍です。

1株当たりの配当は40円で、配当利回りは4.91%と高配当です。

ただし、先ほども書いたように九州電力も2023年の業績予想は未定なので、この状況が続けば2022年よりも悪化する可能性が高いと思います。

 

楽天でんき、エネオスでんきなどから旧電力会社シフトが加速か

今回のあしたでんきの事業停止により新電力会社のもろさが露呈しました。

もともとJ塾長があしたでんきを選んだのは、あしたでんきが東京電力のグループ会社で安心感があったからです。
東京電力グループのあしたでんきが真っ先に事業停止とは衝撃的ですよね。

「やっぱ新電力は信用できないや~」「安かろう悪かろうだよね」と感じて、新電力から旧電力へ戻る加入者も続出するかもしれません。

現在、楽天でんきなど一部の電力会社では、新規の受付を停止しており、苦しい運営を強いられていることが伺えます。

あしたでんきも新規受付を停止してから暫くたっての撤退だったので、現在新規受付を停止している新電力は近々に事業停止を決断するかもしれません。
そうなると、別の新電力ではなく、東京電力などの旧電力に契約が戻る可能性があります。

今回の電力不足は我々にとっても生活に影響が出る大問題でしたが、新電力から旧電力へ顧客を戻す作用もあると感じています。

将来、電力の安定供給の目途が立った暁には、顧客の増加からも電力株の上昇が期待できると思います。

将来の投資候補としての電力株を考えてみました。

 

※このブログはあくまでJ塾長の感想であり、投資を勧めるものではありません。投資は自己判断と責任でおこなってください。

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