英国から電力株に追い風?岸田総理が原発再稼働に言及
2022年5月2日にアップしたブログで、電力会社の株式についてのJ塾長なりの見通しを紹介しました。
電力不足による新電力の撤退と、東京電力ホールディングスや関西電力、中部電力…等の旧電力への回帰の話だよね。
現在の日本ではウクライナ紛争によるロシア制裁の影響もあり、天然ガスの輸入が減少しエネルギー不足が加速しています。
この状況で新電力の「あしたでんき」は撤退、「楽天でんき」を始めとする新電力会社も新規受付を注視するなどの措置をとっています。
コロナの影響から脱出するためには経済を動かすことが大切。
そのためにはエネルギーは絶対に必要だよ。
GWに東南アジア、ヨーロッパを歴訪していた岸田総理が、イギリスのシティ街での講演で「原子力発電所」の再稼働に言及しました。
J塾長も予想していましましたが、いよいよ日本のエネルギー政策も舵切りをするようです。
本日のブログは5月2日のブログに続き、原発再稼働と電力株の状況について考えます。
電力株については話題は過去ブログ「ウクライナ紛争&原油高?新電力撤退と高配当電力株の見通し」も見て下さい。
東京電力ホールディングスの株価が値上がり率の4位に
5月6日の東京証券取引所において、「東京電力ホールディングス(9501):東京電力」の株価が、前日比(5/2)で74円高の530円で取引を終了しました。
16.23%の上昇だから高騰レベルの上昇だよね。
5月6日の東証値上りランキングの4位だって…
出来高も1億1,627万株もあるから、いわゆるお祭り騒ぎの様相ですね。
東京電力は材料が出るといつもお祭り騒ぎになります。
そして今回のお祭りは岸田総理がイギリスで発した言葉がきっかけです。
東京電力の株価は電力不足の影響もあり、前営業日(5/2)までは軟調な展開で株価は1株456円でした。
しかし、GWを挟んだ5月6日の終値は年初来高値の530円まで高騰しています。
東電の年初来安値は285円なので4ヵ月程度で約2倍に上昇したことになります。
東京電力の高騰は総理が原発再稼働を示唆したから
岸田総理は歴訪先のイギリスでの講演で原子力発電所の再稼働を加速する考えを公表しました。
講演はイギリス経済の中心であるシティ街で実施され、岸田総理は日本への投資をアピールするなかで、原発再稼働についての話をしています。
既存の原子力発電所が1基稼働することで、天然ガス100万トン分(年間)のエネルギーが確保できるとした上で、日本のエネルギー不足懸念を払しょくさせる狙いです。
そうかぁ、ここで重要なのは日本は経済を立て直すために、友好国からの投資を集めたいんだね。
そうなんだよ。
しかし、海外の投資家は資源が少ない日本は、エネルギー不足に陥る可能性があるので、投資を躊躇する動きもあるんだよね。
そしてアメリカなど、自国でエネルギーを生産できる国に投資が集まる仕組みになっているようだよ。
現在の円高の要因には不明な部分もありますが、その中の一つに日本のエネルギー不足を懸念する海外投資家が円を売ることも背景にあると予想します。
日本のマスコミは「岸田に投資を…」なんて馬鹿な話ばかりニュースにするけど、そうではなくて「日本はエネルギー不足になりませんよ」と世界にアピールしていたんだね。
そのために原発の再稼働は重要で、とくに点検・検査が終わっているものについては再稼働を加速しなくてはなりません。
電力不足は生活に不便だけでなく、海外から日本への投資を抑制させる問題でもあることに注目しなくてはなりませんね、¥。
原発再稼働に反対している人は、「少しくらい電気がなくても平気」とか言うけど、そうではなく国際社会における日本の信用性にかかわる問題だと思います。
イギリスでの岸田総理の講演では、原発再稼働の加速を表明しており、それを好材料として東京電力など旧電力株に買いが集まったようです。
FIREで狙いたい電力会社はどこ?
岸田総理の発言後、5月6日の各電力会社の株価を比較してみましょう。
- 東京電力ホールディングス : 530円 16.23%高
- 関西電力 : 1,224円 5.06%高
- 中部電力 : 880円 4.64%高
- 九州電力 : 858円 3.62%高
- 四国電力 : 783円 3.30%高
- 東北電力 : 746円 2.61%高
- 北陸電力 : 534円 2.50%高
- 北海道電力 : 513円 5.56%高
東京電力の16.23%高は圧倒的に高値だね。
それだけ原発再稼働の期待が高いことが分かるよ。
このなかで現在も原発を稼働している会社は、関西電力2基、四国電力1基、そして九州電力の1基です。
関西電力は廃止された原発を除くと5基が点検中です。
四国電力は現在運転している伊方発電所3号機以外の原発は廃止なので、これ以上の再稼働は不可能です。
九州電力はあと3基の原発が点検中のなの再稼働の余地があります。
東京電力は柏崎刈羽に7基の原発があり、点検中なので再稼働による効果は最も高いと思いますが、それだけにハードルも高いかもしれません。
電力不足が危ぶまれる東北、北陸ですが、東北電力は点検中の原発が3基、北陸電力には2基あります。
とくに北陸電力の電力危機が目立つので、志賀発電所の再稼働が優先されるかもしれません。
しかし、まずは現在運転中の原発を保有する関西電力、九州電力あたりで再稼働が認められるのではないかとJ塾長は考えています。
投資するなら関西電力か九州電力?
原子力発電所の再稼働は旧電力会社の業績を改善させる起爆剤であり、日本経済にとっても海外からの信用を得るために重要なものです。
もちろん将来的には原子力については見直す必要があるのはわかっています。
でもそれはコロナや世界紛争で経済が混乱している今ではありません。
まずは社会や経済を立て直して、エネルギー政策は仕切りなおすべきだと思いますね。
で、どこの会社が狙い目なの?
やっぱり、現在原発を運転していて、さらに再稼働できる原発を持っている会社だよね。
つまり、関西電力か九州電力。
四国電力は現在運転している原発しかないか除外だね。
東京電力は再稼働で株価が上がるかもしれないけど、補償の問題などがあり配当が期待できないからFIREでは使いにくいね。
さてどうなるかな?
※このブログはあくまでJ塾長の感想であり、投資を勧めるものではありません。投資は自己判断と責任でおこなってください。