吉野屋、不祥事3連発で不買運動?株価と業績悪化リスクも

吉野屋不祥事

年間を通して株式市場を見ていると、かならずどこかの企業が「やらかし」系の不祥事を起こします。

昨年ではHIS子会社の不正受給問題や、タマホームのコロナワクチン陰謀説などありましたが、みんな大好き「吉野家」でも先日まで、なんと3連発の不祥事をかましてきました。

「3度目の正直」、「2度あることは3度ある」って言うけど、本当に3回連続の不祥事があったよね。
吉野屋は株主優待株として大人気の銘柄で、株主のなかには牛丼マニアの人も多いから、今回の不祥事は頭にきている人も少なくないようだよ。

J塾長も昨年まで吉野屋ホールディングスの株を保有しており、年間1万円程度の食事券を貰っていました。
しかし、注文時の復唱をやめたり、注文を間違えたりとサービス低下を感じて、全株処分しました。
現状をみるとその判断はGoodだったと思います。

本日のブログは不祥事3連発を達成した「吉野家ホールディングス(9861)」の投資判断について考えます。

吉野家ホールディングスについての話題は「【優待改悪】吉野家が株主優待制度の改悪を発表…株価は?」も見てください。

 

 

吉野家がしでかした不祥事3連発とは?

吉野家ホールディングス(9861):吉野家」は、株主優待銘柄として大人気の企業で、牛丼チェーンや蕎麦チェーン、うどんチェーンなどを日本だけでなく、海外でも展開しているグローバル企業です。

根強いファンがいる吉野家ですが、今年になって連続3回の不祥事を起こしています。

 

【吉野屋不祥事ファイル.1】どんぶり問題

吉野家は「魁!!吉野家塾」キャンペーンを展開しており、一定のマイルがたまった顧客に対して「オリジナル名入れどんぶり」をプレゼントするとしていました。

当初の案内ではこの「名入れ」には制限がなく、自分の名前以外でも自由に入れられるとアナウンスされていましたが、マイルがたまった顧客が申込みする段階で、「自分の名前に限定する」といきなり規約を変更したそうです。

なかでも酷いのが8ヵ月以上、毎日牛丼を食べてマイルをためた顧客に対して、お客様相談室が取った無礼な対応だよ。

あれはもはや非道のレベル
3月に発覚したのだけど「差別行為と言うなら法務局へ相談されては?」とか「訴訟するなら弊社弁護士が真摯に対応する」など、大企業をバックに言いたい放題のお客様相談室長だったよ。

自分に力がないやつに限って会社をバックに偉そうなことを言うんだよ。

突然ルールを変更するのも問題ですが、お客様相談室長が脅しをかけたようにも受け取れます。

批判が巻き起こりニュースにもなって、吉野家は謝罪するはめになったんだ。
問題のお客様相談室長もネットで実名も晒されたよね。

この不祥事は吉野家のキャンペーンの問題だけでなく、問題が発生したときの高飛車な対応が問題でした。

 

【吉野屋不祥事ファイル.2】生娘シャブ漬け問題

吉野家だけでなく上場企業の経営陣のなかには、定期的に大学やコミュニティセンターなどで講演を行うことがあります。

どんぶり問題が終息する前の4月16日に早稲田大学では、吉野家の常務取締役の伊東氏が講演がありました。

このなかで伊東氏は「地方から出てきた右も左もわからない生娘が、初めて利用してそのままシャブ漬けになるような企画」とジェンダー差別ともとれる発言をしています。

これも酷かったね。
本人は洒落のつもりだったようだけど、生娘、シャブ漬けなどは反社を連想させる単語だよ。
吉野屋の経営陣は反社なのか?」って疑われても仕方がないね。

とくに顧客に対して「弁護士で対応…」と脅してから、1ヵ月程度なので、全く危機感がなかったと思われるよ。
伊東氏も経歴は素晴らしいけど、はっぱり人間性は最低かもしれないね。

吉野は報道に対してすぐさま謝罪を行い、常務取締役の伊東氏を解任、さらに早稲田大学等も非常勤講師も解任されたようです。

本来、経営陣がおこなった不祥事は個人だけでなく企業が責任を負うものですが、このケースでは伊東氏に全責任を背負わせて追い出したようです。

 

【吉野屋不祥事ファイル.3】日本人なのに外国籍として除外問題

5月6日には吉野家の新たな不祥事が発覚します。

月1で不祥事が報道されているね。
うーん安定の不祥事企業だ。

今回の不祥事は日本生まれの「日本国籍を持つハーフの就活生」に対して、新卒終活説明会の参加を断った問題です。

吉野屋から来たメールには「外国籍の方の就労ビザの取得が大変難しい」だから「今回のご予約はキャンセルとさせていただきたきます。」と書かれていました。

えっ
でもこの人は日本国籍を持つ日本人だよね。

日本生まれの日本育ち、ハーフだけど間違いない日本人だよ。
名前がカタカナで書いたから、勝手に外国籍の外国人だと判断して、説明会の参加をキャンセスしたらしい。
吉野屋は担当者のミスと言っているが、そもそもたとえ外国籍であっても説明会にも参加させない企業風土は質が悪いとしか言いようがない。

でも吉野家は海外にも店舗が多くあるから、外国人の雇用も積極的に行っているとアピールしていたよね。

ビザの問題は説明会でするべきだし、そもそも外国籍と疑われるだけで説明会の予約が一方的にキャンセルされるのはおかしい。

吉野屋はこの問題にも謝罪文を出していますが、直接電話等で確認を取らずにキャンセルしたことを認めています。
つまりは人事担当者の質が悪いことを認めていますね。

さらに言えば「グローバルな人材を求める」なんて話も、もはや眉唾でしかありません。

この報道でこれから吉野屋には、外国籍の優秀な人材が集まらない事態になる可能性もあります。

このように吉野家は3ヵ月連続で不祥事を起こしており、今後の株価への影響も気になるところです。

 

不祥事3連発だけど株価は安泰の謎

5月6日に報道された「外国籍の終活キャンセル」では、ネット上でも大きな反響がありました。

さすがに3回連続の不祥事だったので、株価への影響が避けられないとの話題で持ち切りでした。
不買運動だぁ~」とか「週明けの5月9日はストップ安だ~」と盛り上がる人もいましたね。(笑)

しかし、5月9日の始値は2,375円と5月6日の終値よりも5円安でしたが、その後上昇し10時30分には17円高の2,397円でした。

盛り上がっていましたが、日本では韓国と違って感情的な人が少ないので、不買運動などは見たことがありません。
今回も冷静な判断でクールにみられていたようです。

不祥事の影響はまったくなかったね。

ネットでは盛り上がっていたけど、実際はこんなものでしょう。
あくまで業績に直結しない不祥事なので、多くの投資家は売りに向かわなかったようです。

また人気の株主優待銘柄は、長期保有が多く不祥事でも株価が安定する特徴があります。

 

吉野屋の業績は?

不祥事でも株価が暴落しない吉野屋は、FIRE(ファイア)銘柄として投資対象なのかを考えてみます。

まず吉野家の業績ですが、2022年4月13日に2022年2月期の本決算を発表しています。

  • 売上   : 1,536億円(前期:1,703億円)
  • 経常利益 : 156億円(前期:△196億円)
  • 純利益  : 81億円(前期:△75億円)

2021年2月期と比較して売上は減っているけど経常利益、純利益ともに増益だね。
コロナが回復することで売上も回復するから、今期も順調なのかな?

実はそうではなく、吉野屋の2023円2月期は大幅な減益が予想されているよ。

2023年業績予想

  • 売上   : 1,680億円
  • 経常利益 : 54億円
  • 純利益  : 35億円

売上は9%程度の増収だけど、経常利益、純利益ともに大幅増益だ。

決算報告書に書かれている理由には、不確定要素が多いんだけど、円安による原材料高などを上げているね。
吉野屋も値上げを考えているだろうから、業績予想は修正されると思うよ。
しかし厳しいのは間違いないね。

 

吉野屋へのFIRE投資の判断は?

吉野屋チャート
参照:Yahoo!フェイナンス

吉野屋のPERは44.29倍、PBRは3.22倍、ミックス係数は142.61倍と割高水準です。

配当は1株あたり10円で、配当利回りは0.42%です。

人気の株主優待は2022年2月権利分より改悪されており、1番優待利回りが高い200株保有で2.08%程度です。
総合利回りは2.51%程度ともう一つですね。

吉野家は株主優待が人気ですが、優待利回りで考えると200株保有で2.08%、100株保有では1.69%にしかなりません。

昔は優待利回りだけで3.5%程度あったよね。

桐谷さんなどの影響で株主優待株に人気が集まり、吉野家やゼンショーはかなり高値になりました。
また吉野家は2022年2月権利から株主優待を改悪しており、100株の優待が半期で3,000円から2,000円に少なくなり、優待利回りも低下しています。

この状況において吉野屋で2%の優待を貰うなら、配当利回り4%程度の銘柄にNISAで投資した方が効率的だと思いますね。

J塾長も昔は多くの優待銘柄を保有していましたが、昨年までに8割程度は株価上昇による優待利回りの低下から売却し、高配当株にスイッチしました。
いくら吉野家の食事券が欲しくても優待利回りを考えて投資を判断してください。

吉野家のチャートとみると2020年の急激な高騰は別としても、なだらかな上昇を続けていると思われます。

しかし2023年の業績悪化予測は深刻で株価の下落要因です。

また吉野家はなぜか米国産牛肉に拘っており、円安による原材料の高騰は免れません。
値上げが必須ですが、過去の事例から牛丼屋が値上げすると、消費者から強い反発を受けて売上に悪影響が出ます。

つまり吉野家にとって今年は厳しい年になることは間違いないでしょう。

だから…これから新規の投資は控えた方がよいと考えています。

J塾長は不祥事が多く業績も厳しい吉野家への投資は控えたいと考えていますが、吉野家ファンで応援したい人は長期保有を覚悟して判断してください。

 

※このブログはあくまでJ塾長の感想であり、投資を勧めるものではありません。投資は自己判断と責任でおこなってください。

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