オリックスが株主優待廃止を発表!個人投資家の増えすぎが原因

オリックス優待廃止

今年になって大型株主優待の改悪・廃止が目立っています。

そういえばJTも株主優待を2023年で廃止するって話題になっていたよね。
あれからウクライナ紛争も起きたから、ますますJTは厳しい状況に陥るかも。

株主優待制度は日本独自のもので、海外ではあまり見かけない株主還元策と言ってもよいでしょう。

2022年5月11に「オリックス(8591)」が2022年3月期の決算を発表しましたが、このなかで人気の株主優待制度を廃止すると報告されています。

オリックスの株主優待と言えば、他社と比較しても充実しているカタログギフト
みんな大好きカタログギフト…

あれが廃止になるの?

本日のブログは「オリックス(8591)」が発表した株主優待の廃止についてと、廃止リスクの高い株主優待について考えます。

オリックスについては過去ブログ「買場か?最強のFIRE銘柄!オリックスが大幅上方修正」も見てください。

 

 

オリックスが人気の株主優待を廃止へ

オリックスが5月11日に2022年3月期の決算を発表し、同時に株主優待制度の廃止を発表しました。

人気の株主優待を廃止するのだから、決算も悪かったの?

いや、決算は悪くない内容で、経常利益は過去最高を記録しているね。

2022年3月期の決算内容を紹介します。

  • 売上   :  2兆5,203億円(2兆2,927億円)
  • 経常利益 :  5,048億円(前期:2,875億円)
  • 純利益  :  3,121億円(前期:1,923億円)

アフターコロナで業績は好調に見えるけど。
配当はどうだったの?

年間配当で1株あたり85.60円です。
現在の株価を2,300円と仮定した配当利回りは3.72%で、FIRE(ファイア)でも満足できる数字ですね。

オリックスは今期である2023年3月期の業績予想は未定としていますが、決算書を読むとロシア制裁の影響は限定的で、業績に与える影響は少ないと書かれています。

なのに株主優待が廃止ですか…

オリックスのホームページに表示されていた「個人投資からの質疑応答」にも、株主優待制度の廃止は考えていないと答えていただけにネット界隈では大騒ぎですね。
ホームページの該当部分も消去されたみたいなので、ここらのやり方は上手とは思えませんね。

 

株主優待制度の廃止は2024年3月基準で廃止へ

オリックスが公開した「株主優待制度の廃止に関するお知らせ」では、現行の株主優待制度を2024年3月31日基準をもって廃止すると書かれています。

と言うことは…今すぐ廃止するのではなく、あと2は継するのね?

そうだね。
その意味では猶予期間があるから、今すぐどうこうする必要はなさそうかな。

オリックスの株主優待はカタログギフトで、株式保有年数により商品が分かれています。

  • Aコース : 株式保有3年以上
  • Bコース : 株式保有3年未満

AコースとBコースの内容には差があり、Aコースのラインナップの方が価格も含めて充実した内容です。

ここで注意したいのは、株主優待の廃止まで2年の猶予がありますが、保有年数2年ではAコースはもらえません。

オリックスに新規投資する人は、Bコースを2年間の対象になると思って下さいね。

 

株主優待の廃止理由は個人投資家の増加

今回の株主優待制度の廃止の原因は色々と考えられますが、オリックスの発表をそのまま受け取ると「公平な株主還元の集約」です。

意味わかんないや…

つまり、企業の株主には個人投資家以外だけでなく、法人だったり、金融機関(ファンド等)だったり、海外投資家だったり…とさまざまな人がいるよね。
いわゆる「機関投資」と呼ばれる人たちは、株主優待など必要なく受け取らないケースがほとんどなんだよ。

株主優待制度は個人投資家を集めて株価を下支えする効果があっても、一定以上の負担が出た場合、機関投資家はそれを不平等とみる可能性が高くなりますね。

株主優待で個人投資家だけにお金を使うくらいなら平等に配当を増やせと。

オリックスは個人投資家を増やすことで株式の安定を図っていたのは間違いありませんが、最近の東証再編などの影響もあり方針を転換したとの憶測もあります。

さらに個人投資家が大幅に増加したことも株主優待廃止の理由でしょう。

 

オリックス株の個人投資家割合が急増していた

オリックス株主内訳
参照:オリックスHP

オリックスの投資家情報を見ると2022年3月31日時点の発行済み株式総数は1,258,277,087株です。

12.5億株もあるんだね。

資料によると現在の株主総数は823,126人で、そのなかの15.5%が個人投資家になっています。

つまり127,584人が個人投資家ですね。

一般的に金融機関や海外法人等は株主優待を使用しないので、この12.7万人に対してカタログギフトを送付していると考えられます。

しかし、2018年3月の株主総数は299,722人で、個人投資家割合も7.9%しかありません。
つまり、2018年には株主優待の対象は23,678人しかいませんでした。

えっ、4年で個人投資家の数が5倍以上に増えたの?

オリックスは個人投資家を集めるために株主優待制度を利用しましたが、反対に集まりすぎて優待にかかる費用が負担になったことが想定できます。

また、政府やマスコミが作り上げた「株主優待投資ブーム」も理由の一つでしょう。

オリックスの株主優待は内容が超充実しており、Aコースなら10,000円はくだらない内容でした。
オリックスは配当も優れているので、負担が大きくなり還元方針を転換せざるを得なかったのではないでしょうか?

 

J塾長の方針は狼狽売りをしない

そういえば父ちゃん(J塾長)もオリックスの株主だよね。
これからどうするの?

J塾長は妻と100株づつ保有している弱小株主です。
もうかなり前に購入しており、両方共に保有期間は5年以上でAコースを貰っています。

今回の廃止はショックですが、オリックスの業績は問題ないことから、このまま保有します。
2024年3月までは優待も貰えるのでは大きな下落はないと思うし…

オリックスは優待廃止による株主還元の方針として「配当等による利益還元の集約」を上げています。

これまでオリックスは配当だけでなく、自社株買いなどの還元策を実行しており、その意味ではあながち嘘ではないように感じます。

オリックスは2023年3月期の業績予想は未定としていますが、配当予想を2022年3月期と同じ85.60円としています。
業績予想は立たないけど配当はしっかり出すよ」と好意的に受け止めたいですね。

株主優待制度を廃止しても現在の配当利回りに変化がないのであれば意味がありませんが、2025年3月期以降は増配傾向が強まると期待しています。

だから今すぐ狼狽売りをするつもりはありません。
きっと一定数の優待目当ての個人投資家が慌てて売りに走ると思います。

J塾長は反対に株主優待廃止以降の増配を期待して、狼狽売りによる株価下落が出たら追加購入する予定です。

1,500円~1,800円程度まで下がってくれないかなぁ?(無理かなぁ?)
今までは配当銘柄として扱ってきましたが、これからは高配当銘柄として投資します。

オリックスの株主優待は今回と2回のみとなりました、今年もAコースを2品楽しみにしていますよ…オリックスさん。

 

※このブログはあくまでJ塾長の感想であり、投資を勧めるものではありません。投資は自己判断と責任でおこなってください。

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