年利3.3%、STOで不動産投資!J-REITとの違いは?

STO不動産投資

FIRE(ファイア)において不動産に投資するには、いくつかの方法があります。

自分で不動産を購入して大家さんになるのが一般的かな?

そうですね。
しかし最近では投資信託を利用する方法も一般的で、とくに上場しているJ-REITを購入することで少額から不動産に投資できます。

しかしJ-REITとして上場するには一定の規模が求められ、保有する不動産が少ない場合は上場までのハードルが高く、運用会社は効率よく資金を集められていませんでした。

そこで注目されているのが「ST(セキュリティ・トークン)証券」と呼ばれるデジタル有価証券です。

本日のブログは現在SBI証券で取り扱いが始まっている「不動産ST投資」について紹介します。

上場不動産投資信託(J-REIT)については「【得な秋のJリート】高配当の東海道リート投資法人に注目」なども見てください。

 

 

SBI証券で年利3.30%の不動産ST証券が受付中

現在SBI証券において「不動産セキュリティ・トークン証券(不動産デジタル証券)」の申込が始まっています。

 

  • 名称:ALTERNAレジデンス 新宿中落合・経堂・門前仲町~(譲渡制限付)
  • 信託委託者:合同会社オルタナ2
  • 信託受託者:三菱UFJ信託銀行株式会社
  • 種類:セキュリティ・トークン化有価証券
  • 対象不動産1:ALTERNA新宿中落合
  • 対象不動産2:ALTERNA経堂
  • 対象不動産3:ALTERNA門前中町
  • 予想配当利回り:3.30%~3.31%
  • 発行価格:1口50万円(2口以上1口単位)
  • 譲渡制限:あり
  • 償還予定日:2029年7月31日
  • 需要調査期間:5月27日まで
  • 抽選日:5月30日

これは3つの対象不動産に分割投資するイメージでいいの?

そうだね、都心の人気エリアに立つ賃貸用の共同マンションに投資するイメージでいいよ。
対象不動産1は28戸、2は39戸、3は33戸で1K、1DK、1LDKの間取りとなっています。

また対象不動産の1と2は現在の稼働率が100%、3は84.8%で、築年数は2020年~2021年でまだ築浅であることも特徴だね。

これは一般的なリートと何がちがうの?

大きな違いは予定償還日が設定されていることと、投資対象の不動産が少ないことだよ。

J-REITでは各運用会社が保有する不動産が多くて、なかなか投資のイメージが立たなかったけど、このST証券では不動産が3つなので直接投資できるイメージがでるよね。

また予想分配利回りが出ているので投資しやすいと思います。
小型のリートのイメージですが、このST証券は譲渡や途中解約は認められていません

だからJ-REITよりも直接不動産に投資するイメージが強いかな?
今回のALTERNAレジデンスの案件も不動産3の入居率が84.8%なので、これが100%になると分配金が増加することが予想できるから、個人投資家もわかりやすいよね。

このST証券は7年後の償還だけど、その後はどうなるの?

2029年7月が償還月になっており、全ての不動産を売却する予定です。
償還がきたら不動産を売却して投資家に対する清算をおこなうのですね。

ただし、売却による利益が最大化になるタイミングと判断された場合、償還前であっても早期売却する可能性もあります。

 

人気のST(セキュリティ・トークン)証券

マンション

デジタル証券と呼ばれる新しい技術を組み入れたST(セキュリティ・トークン)証券ですが、SBI証券では2021年から販売をスタートしました。

まだ販売が始まって間もないんだね。
人気はどうなの?

SBI証券では2021年の7月と11月に合計2本の不動産ST証券を販売しています。
「ケネディクス・リアルティ・トークン 渋谷神南(譲渡制限付)」と「神戸六甲アイランドDC~(譲渡制限付)」ですが、2本ともに完売でした。

今回も抽選による完売が見込まれますね。

不動産を直接運用するイメージだから、運用に問題が出ても売却により損失が一定程度カバーできるよね。
その意味では株式投資よりは低リスクかもしれないね。
J-REITは保有する不動産の数や種類が多くて、運用状況も見えにくいけど、不動産ST証券なら、家賃収入と経費だけをみれば運用状況のチェックも比較的簡単かも?

投資不動産の愛着も湧くから、現物の不動産投資を躊躇している人にはいいかもね。

現在、SBI証券で需要申告の申込を受付けしている「ALTERNAレジデンス」ですが、今回も完売になる可能性があります。
不動産ST証券は不動産の数が少な規模も限られることから、今回の募集も3,600口程度を予定しています。

 

ST(セキュリティ・トークン)はブロックチェーンのデジタル証券

小規模な不動産投資投資を比較的安価に証券化できるSTですが、この技術は暗号資産で使用されている「ブロックチェーン」を活用しています。

ブロックチェーンとは分散台帳とも呼ばれ、管理される台帳を1か所ではなく複数で共同管理されることで、違法アクセスによる改ざんリスクから情報を保護します。
暗号資産であるビットコインなどでも同様の技術が使用されています。

なにか新しい波がきている予感がする。

このブロックチェーンを利用したデジタルデータにより資金調達を行うのが、「STO(セキュリティ・トークン・オファリング」です。
つまりSTは技術でSTOは資金調達の意味だと覚えても良いでしょう。

IPOに似ているね?
STOによる資金調達は不動産だけなの?

現在は小規模な不動産との相性がよいことから、不動産ST証券が多いのですが、これからはIPOの代わりに中小企業を中心とした資金集めに利用されると思います。

とくに非上場企業の研究開発プロジェクト等で資金を集めることが簡単にできますね。

非上場企業の資金集めではクラウドファンディングもあるよ。

するどい指摘だね。
現在のクラファンはリターンなどを提供する形が多く、一般的には短期であることが特徴だよね。
STOによる資金集めは長期の投資としてのイメージが強いと思うよ。

またファンディーノみたいに非上場企業の新株予約権に投資する手法もあるけど、STOでは分配金が貰えるのでFIRE(ファイア)投資にはいいかもね。

これからの投資として期待ができるデジタル証券ですが、今回はSBI証券で取り扱いが始まっているST証券について解説しました。

 

※このブログはあくまでJ塾長の感想であり、投資を勧めるものではありません。投資は自己判断と責任でおこなってください。

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