レオパレス21が上場廃止を回避!債務超過解消で株価上昇へ

レオパレス21

2022年5月16日、賃貸アパート大手の「レオパレス21(8848)」が2022年3月期決算を発表し、4期ぶりの黒字転換債務超過の解消を発表しました。

これを受けて5月16日の株価は高騰し、55円高の254円で取引を終了しました。

レオパレス21は上場廃止の猶予期間に入っていたから、もう復活はないと思っていたよ。
それにしても1日で21.6%も上昇したのには驚いたよ。

翌日の17日の午前も20%近いの高騰を見せているので、なんだかお祭りが始まったようですね。

本日のブログは債務超過の解消を発表した「レオパレス21(8848)」の株価について考えます。

レオパレス21の話題は過去ブログ「【上場廃止か?】施工不良のレオパレスが黒字へ…投資判断は?」も見てください。

 

 

レオパレス21が債務超過解消を発表

2022年5月16日、レオパレス21(レオパレス)が2022年3月期の決算を発表しました。

レオパレスは施工不良問題で多くの不良物件を抱えて、業績が悪化して赤字経営が続いていたよね。

不良物件の改修工事が予定通り進んでおらず、一部の物件は改修を諦めたとも報道されていたよね。
悪いイメージが付いたことで、入居者減少による業績悪化、そして債務超過に陥っていたんだよ。
東証のルールで一定期間債務超過の企業は、上場廃止となることから、レオパレスも「上場廃止猶猶予銘柄」に指定されていたんだよ。

2022年3月期の決算が債務超過だったら、いよいよヤバかったんだけど、なんとか踏みとどまったかんじかな。

レオパレスの決算内容を見てみましょう。

  • 売上   : 3,983億円(前期:4,489億円)
  • 経常利益 : △21億円(前期:△341億円)
  • 純利益  : 118億円(前期:△236億円)

経常利益が赤字なのに純利益は黒字…それで債務超過解消って?
わからん…

決算を見てみると純利気が黒字になったからくりが書かれているよ。

まず問題となった施工不良物件の見直しを行い、解体や施工費を見直すことで、119億円程度の補修工事引当金を戻入れしたんだ。

さらに法人税の調整額も計上したことで純利益の黒字化を達成した訳だよ。

単純に業績が改善された訳ではないんだ。

 

レオパレス21株価はこのまま上昇するのか?

レオパレレスは今期である2023年3月期の業績予想を出しており、増収増益を予想しています。

  • 売上   : 4,108億円
  • 経常利益 : 68億円
  • 純利益  : 249億円

純利益は2倍以上と予想しているよね。
大丈夫なの?

レオパレスとしては入国制限の緩和による、外国人の需要が増えることを期待しているみたいだね。
入国制限が緩和されたからって、外国籍の人がレオパレスに入居するとは限らないし。

しかし今回の決算で感じたのですが、レオパレスはビジネスモデルを若干変更する印象を受けました。
低所得者や外国人をターゲットに低価格賃貸住宅をメインに営業するのではないでしょうか?
レオパレスはサブリース契約がメインだから、顧客ターゲットの変更はオーナーからの不満が出そうだね。

決算を発表してから株価は上昇していますが、債務超過が解消されただけであまり内容はよくないと思います。

株価がここまで評価される意味がわかりません。

 

不良施工による改修問題はどうなった?

アパート工事

施工不良問題が発覚した時点では、全ての建物を改修する予定でしたが、実際には改修不可能な物件もありオーナーとのトラブルがネットで報告されていました。

2022年3月期の決算で黒字化した理由の一つに、改修工事引当金の戻入れがありますが、これは予定されていた改修工事を一定数止めたことを意味しています。

施工不良物件の改修を止めたって…オーナーは大丈夫なの?
また裁判とかかなぁ?

実情はわかりませんが、レオパレスの決算説明では、全施行物件39,085棟のなかで、「明らかな施工不良棟数」は12,394棟としています。
つまり全体の31.7%の物件が施工不良としていますね。

さらに戸数(部屋数)で言うと194,038戸が「明らかな施工不良」で、そのなかの50,849戸が「改修を完了」しています。

つまり、まだ148,999戸の改修工事が残っているんだ。

なんだ、これだけ時間がかかっても26%しか直していないんだ。

しかし、レオパレスが示した改修予定には不思議な数字が書かれています。

「明らかな不備総戸数」が194,038戸で「改修完了」が50,849戸なので、これから改修しなくてはならない「要改修等」は148,999戸と書かれています。

しかし、実際に改修工事を予定する「予測改修戸数」は38,000戸しかありません。

おかしいいよね…
レオパレスの予測改修戸数は、なんと「要改修等」の25%にあたる38,000戸しか予定されていません。

レオパレスは「要改修等」を148,999戸としていますが、調査による不備が判明した22,606戸とこれから不備の判明が予測される約15,000戸の合わせて約38,000戸しか改修を見込んでいません。

意味が…わからん。

J塾長もわかりませんよ。
きっと明らかな不備と認めても、理由を付けて改修をしない物件が110,999戸もあるんだよね。

 

トラブル続出の予感も

ネットを見るとレオパレスの施工不良物件の中には、改修ができない状態のものもあったそうです。

しかし、自社で施工した物件に不良が見つかったにも関わらず、改修が進めないレオパレスの対応には疑問が出ますね。

改修対象を制限して改修引当金を戻入れする…黒字化ができた要因の一つと考えてもよいでしょう。

さらにサブリースの家賃減額もおこなっているようです。

サブリースはレオパレスがアパートを一棟借上げして、オーナーに対して家賃を補償するシステムだね。

レオパレスは施工不良で経営が悪化してから、サブリース契約者に対して家賃の減額を求めているようです。
家賃の減額に応じないオーナーのなかには、契約解除を求められた例もあると聞いています。
サブリースはレオパレスの軸となるビジネスモデルですから、家賃減額はレオパレスの収益を改善させるだけでなく、入居付けしやすい側面もあります。

これもまた黒字化の要因でしょう。

結局、アパートを保有するオーナーの負担による黒字化じゃないの?

こんなことやっていて、このまま治まるのかなぁ?
裁判の嵐になる可能性もあるよね。

今回は黒字化で株価が急騰したレオパレス21の話題でしたが、実情はなかなか厳しいことが予想されます。

今回の内容はレオパレス21の決算報告書とJ塾長の想像で書いています。

これからレオパレス21に投資を考えている人は、決算報告書だけでなく周りを見てみることをおススメします。

 

※このブログはあくまでJ塾長の感想であり、投資を勧めるものではありません。投資は自己判断と責任でおこなってください。

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