楽天モバイル債はジャンク債?年利0.72%で投資判断は?

楽天モバイル債

先日紹介しました楽天グループ(4755)」が発行する「楽天モバイル債」の金利が0.72%に決定しました。

たしか年利は税引前で0.4~1.0%が仮条件だったよね。

先日のブログでJ塾長は、0.6%~0.8%くらいで、0.7%程度を予想したので、まあまあドンピシャの0.72%に決定したようです。
でも、0.72%って悪くないけど微妙な金利ですよ。
FIRE(ファイア)投資で考えても現状、あらたに投資するには難しい債券かもしれません。

本日のブログは年利が0.72%に決定した楽天モバイル債の評価について考えます。

あくまでJ塾長がFIRE(ファイア)で利用できるかで評価しています。
個人的な感想なので了解してくださいね。

楽天モバイル債の話題は過去ブログ「楽天は大丈夫か?楽天モバイル債とSUPの改悪のからの推察」も見て下さい。

 

実質年利0.57%の債券は買いか?

J塾長の予想通り楽天モバイル債の年利は0.72%で、仮条件の真ん中程度で決着しました。

もう少し高く設定されると思ったけど、やっぱり真ん中をせめて来たよね。

ソフトバンクの劣後債は2.3%程度なので、社債間限定同順位特約付の無担保債であっても期間が3年と長いことから、イマイチだと考えてしまいますね。

楽天モバイル債の年率は0.72%ですが、20.315%の税金を差し引くと約0.573%の債券です。

100万円を楽天モバイル債に投資したケースを見てみましょう。

  • 100万円 × 0.72%(年利) × 0.79%(税金) = 5,688円
  • 5,688円 × 3年 = 17,064円

うーん、

100万円を預けて年間5,688円の利息かぁ。

3年合計でも17,064円だね。
定期預金よりはいいけど、投資としては魅力はないかな?
だけど楽天モバイル債は株式やETFと比較して安全性が高いから、銀行預金に預けるくらいならいいかも?

むーちゃんの意見は最もですが、現状で楽天モバイル債はそこまで安全な投資対象になるのでしょうか?

 

3年償還で0.72%の金利は厳しい

現在、世界中でインフレリスクによる警戒が出されており、日本でも徐々に物価が上昇しているのを感じます。

インフレ時には定期預金や長期債券などは不利で、株式や不動産が有利とされています。

一定期間、お金を動かせない銀行の定期預金や債券は、インフレに追い越される可能性があるから、流動性のある資金を持つことが大切だよ。

3年償還の債券は中長期とは言えないかもしれませんが、これからの3年間で世界の金融事情は大きく変化する可能性が高いと思います。

アフターコロナで需要が増すことが理由ですが、その状況下で動かせない資金を持つことは投資的には不利だと思います。
とりあえず定期預金に預けるにしても、1ヵ月~半年定期などの短期で運用した方が安心ですね。

現状で動かせない資産を新たに作るのは危険かもしれません。

現在、高配当株の中には、配当利回りが4%を超えるものが多数あり、ミックス係数が低い大企業でも3.5%超えは珍しくありません。

また株式はいざとなればいつでも売却可能だから、社債と比べ流動性も高くなります。

インフレが日本でも始まることを予想するのであれば、楽天モバイル債の0.72%金利は話にならないレベルだと思います。

 

そもそも楽天グループは安全な会社か?

楽天モバイル債の正式名称は「楽天グループ株式会社第21回無担保社債(社債間限定同順位特約付)」であり、あくまで「楽天グループ(4755)」が発行する無担保社債です。

楽天グループが楽天モバイルの設備投資に使用する資金を集めているんだよね。

楽天モバイル債の説明にはJCRの格付けとして「A」を取得と記載されています。

しかしJCRでは、発行体の楽天グループの格付けに対する長期見通しを「ネガティブ」に設定しており、長期的な不安材料があることを示唆しています。
不安材料の理由は本業のECビジネスではなく、楽天モバイルの損益財務の負担が大きいことで、業績、収支の注視が必要だとされています。

楽天グループが3年以内に経営破綻することはないと思いますが、業績は楽天モバイル次第となるようです。

 

S&Pによる楽天グループ格付けはジャンク?

楽天モバイル債は、格付として日本のJCRが付けた「A」を前面に出しています。

しかし、この評価はあくまでJCR独自のもので、ほかの格付会社は別の評価をしています。

日本の格付会社であるJCRよりも、歴史と実績の高いアメリカの格付会社「S&P」は、楽天グループの格付けを「BB+」に設定しています。

BB+ってどのような評価なの?

S&Pの格付けでBB+は、「投機的」と分類されており、債券で言うといわゆる「ジャンク債」と呼ばれるものだよ。
基本的には投資初心者が手をだしてはいけない部類だね。

つまり日本の格付会社のJCRは投資適格である「A」としているけど、世界シェアの高いS&Pはジャンク債である「BB+」と評価しているの?

JCRは日本企業に甘いのかなぁ?

S&Pの格付は楽天グループにとって厳しい格付だけど、驚くことにギリシャの格付けが楽天と同じ「BB+」なんだよね。
これを見ると楽天グループはギリシャと同じ立ち位置であることがわかると思うよ。

実はソフトバンクグループの格付けも「BB+(S&P)」だから、楽天と同じ評価だよ。
一般的に社債の金利は信用性の高い企業は金利が低く、信用性の低い会社は金利を高くします。
また普通社債より劣後特約等の条件が設定されている社債の方が、金利は高くなります。
信用性とは社債の償還リスクの割合で、その評価として格付が利用されています。

ソフトバンクグループと同じ格付けなのに年利が大きく違うのはどうな?
格付けが低い債券なのに低金利って…楽天グループはあくまでS&Pではなく、JCRの評価で金利を決めているんだろうね。
世界ではJCRよりS&Pの格付の信用性が上だから、この判断はどうだろう?


まぁソフトバンクは劣後債ってこともあるけど、実際はそんなに変わらないから。
3年以内に楽天グループが破綻することは考えられないけど、せめて1.5%程度の金利が欲しかったね。

楽天とソフトバンクはギリシャと同じ立ち位置かぁ。
深いなぁ(笑)

銀行の定期預金に変化も?楽天モバイル債には魅力なし

最近、一部の銀行の定期預金金利が上昇しています。

一部の信用金庫で1年物の定期が0.35%、2年ものが0.45%まで上昇しているよ。

あまりメジャーでない信用金庫だけど、少しづつ金利が上昇している印象をうけるね。
商工組合中央金庫や島根銀行、愛媛銀行は1年定期が0.22%もあるよ。

少し前まではあおぞら銀行BANK支店の普通預金金利0.2%が、特出して高かったのに最近は他の銀行も追いついてきた印象だよ。

この状況を踏まえると、ここ2年~3年で金融情勢は大きく変わると考えられます。

あえて言おう!

この状況で0.72%のジャンク債を買うのは問題であると…

これはあくまで個人の考えだけど、FIRE銘柄としてJ塾長はおすすめしません。

ただし定期預金や国債を買うよりは金利が高いので良いかもしれません。

投資は自己責任なのでよく考えて判断してください。

 

※このブログはあくまでJ塾長の感想であり、投資を勧めるものではありません。投資は自己判断と責任でおこなってください。

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