ANAの株価はどうなる?大赤字から黒字化への予想

ANA飛行機

全日本空輸(ANA)のANAホールディングス(9202)は、2021年4月30日に「21年3月期」の連結最終損益を発表しました。

「ANAホールディングの決算説明資料」を見ると、21年3月期の業績(純利益)は「4,046億円の赤字」で、主な要因はコロナ禍における航空需要の落ち込みです。

ANAホールディングス(ANAHD)の株価は、4月30日の時点で1株2,505円です。

5月1日からはゴールデンウィーク期間により市場が休みに入ることから、今回の業績による株価の影響はまだわかりません。

ANAは株主優待銘柄として人気の企業で、コロナ前の2019年3月期には1株当たり75円の配当も実施していました。

現在、コロナ禍での業績悪化により配当は停止されていますが、それでも航空券の割引きが受けられる株主優待により人気の高いANAHD。

これからの動きを考えてみました。

赤字が大幅に改善

2020年10月に業績予想として発表していた数字は5,100億円の赤字でした。

しかし最終的には4,046億円の赤字ですから、1,050億円程度改善されています。

改善された要因として上げられているのが、「大幅なコスト削減」や「設備投資の抑制」であり、予想よりも大きな効果が出たことで赤字幅が圧縮されたと考えられます。

ANAホールディングスの株価

ana株価チャート

(※Yahoo!ファイナンス 株価チャート)

株主優待株として人気のANAHDの株価は2020年1月には3,500円程度の水準でしたが、コロナの影響による業績悪化に連動して2,300円~2,800円程度のレンジ幅で推移しています。

これからのANAHDの株価はどのように推移するのでしょうか?

現在のANAHDの株価である2,505円はコロナの影響が出る前の株価(3,650円)の約7割程度です。

2018年の高値である4,700円と比較すると、半値程度に下落しており、これ以上の大きな下落は考えにくい水準だと思います。

チャートをみても一進一退を繰り返しており、また今回の発表は織り込み済みであることから、大きな影響はないと考えます。

株主優待株については別ブログもありますので、参照してくださいね。

来期黒字化で株価は好転か

ANAHDでは2021年3月期の業績とは別に2022年3月期連結決算の予想を発表しており、大幅な赤字から一転して35億円の黒字を目指す内容です。

コロナのワクチン接種の進行による効果、コスト削減の推進、貨物事業への注力などの効果による黒字転換が予想されています。

たしかに欧米のコロナの終息傾向にある国では、航空需要が改善されており、日本でもワクチン接種が進むことでANAHDの業績も改善されると思われます。

ただしこの予想はあくまでコロナが終息へ向かうことが条件であり、さらに悪化するようなら計画自体が狂うでしょう。

しかしアメリカやイギリスなどの状況を見る限り、ワクチンによるコロナ封じ込めは効果が出ており経済にも良い影響をもたらしています。

その意味ではANAHDの予想は達成される可能性が大きく、株価が好転するきっかけになるのではないでしょうか?

ANAHDの株価はバーゲン水準か?

ANAHDの株価はリーマンショックの影響で2012年に2,000円を大きく割り込む水準(1,600円台)に達しています。

しかしその5年後の2017年には4,700円台にまで上昇しており、業績が安定することで株価は評価されることが証明されています。

つまりANAHDの株価は業績が上がれば、素直に上昇すると思われるので、現在の株価を心配する必要は少ないと考えています。

個人的には黒字化の目途がついた時点で、2,800円~3,000円程度に回復すると考えています。

5年後にはコロナは終息しており、航空需要も回復していると予想する人にとっては、バーゲンプライスでANAHD株を購入できるチャンスかもしれません。

2021年の航空需要は13%の回復予想

日本経済新聞の記事には、「国際航空運送協会(IATA)は2021年の世界の航空需要が2020年の13%しか回復しない(引用:日本経済新聞)」との予想が紹介されています。

IATAは昨年11月の予想時には50%程度の回復予想としていましたが、コロナの変異ウイルスの拡大などの影響から、回復予想を下げてきました。

この予想はANAHDにとっても厳しい予想ですが、あくまで50%回復の予想は維持した状態で、変異ウイルスの拡大をリスク要因として別シナリオとして13%回復を発表したようです。

航空業界にとっては厳しい予想ですが、この予想が当たらないことを願うばかりです。

J塾長はANAHDの株式は保有しておらず、JALを少しだけ保有しています。

JALもANAHDと同じ状況なので心配ですが、数年後には回復していると信じてホールドしています。

またANAも状況が改善されて株価が低水準にあれば、購入を検討したいと考えています。

優待株