通信障害のKDDI、数百万人へ賠償報道!株価の動きはどっち
KDDIが今月2022年7月2日に発生した通信障害について、数百万人規模を対象にした補償を行う方針を固めたと共同通信が報じています。
あの通信障害は携帯事業者では、過去最大の傷害事故だったよね。
2日以上復旧しないエリアもあったらしいよ。
障害の影響は大きく、エリアも全国だったので、それこそauが日本で使えなくなった騒ぎでした。
この傷害事故に対してauを運営する「KDDI(9443)」は、数百万人を対象とした補償を行う方針を決めたと共同通信が報道しています。
本日は「KDDI(9433)」の通信障害における補償にが株価に与える影響を考えてみます。
KDDIの通信障害については「au通信障害でKDDI株は暴落へ?株価の見通しと投資判断」も見て下さい。
KDDIの補償にはいくら必要か
今回の報道ではKDDIが補償の対象としているのは、音声のみの契約を結んでいる加入者が中心で、データ通信込みのスマホ利用者などは除外する可能性が指摘されています。
なんでスマホ利用者は対象外なの?
あくまで報道なので詳しくはわからないけど、データ通信については一部使用できたエリアがあるかららしいよ。
でもなんか納得できないよね。
今回の補償の規模は数百万人と報道されており、仮にau契約者総数の6,200万人の10%である620万人が対象になると仮定したら、1,000円(根拠なしの金額)の補償で合計62億円が必要です。
また法人契約を結んでいる企業からの補償も必要なので、100億円規模の補償が必要になるのではないでしょうか?
多いのか?少ないのか?…わからないね。
あくまで報道では通話のみを契約している加入者が対象とされていますが、今回の報道で納得できない加入者からのクレームは一定数出るでしょうね。
そうなると「ヤバイ…」って、方針を撤回するかもしれません。
しかし6,200万人の加入者全てに500円の補償をすると310億円、1,000円の補償をすると620億円必要です。(※補償金額に根拠はありません。)
実際に補償する場合、どの程度の規模になるかはわかりませんが、そこそこの金額になるのは間違いありません。
株価への影響は軽微か?
KDDIはもともと通信障害に対する補償について前向きな発言を行っており、補償することが株価に与える影響は少ないと思います。
KDDIの今期の業績予想は増収増益を予想しています。
- 売上 : 5.6兆円
- 営業利益 : 1.1兆円
- 純利益 : 6,880億円
今期の純利益予想は6,880億円で、100億円の補償なら1.4%、620億円でも9.0%の影響で済みます。
このことから株価に与える影響は小さく、織り込み済みの材料だと考えます。
かえってブランド価値が上がるかも?
KDDI以外にもNTTドコモ、ソフトバンク、楽天モバイルなど、大小はあっても通信障害を起こしています。
しかし、約款には補償について書かれていても、実際に補償を実施した会社はありません。
今回KDDIが実施したら、それはそれで評価に値するのではないでしょう?
KDDIの通信障害については大きな障害でしたが、高橋社長による記者会見などの対応は評価が高く、思ったよりも株価は影響されていません。
障害発生後の株価は、一時的に急落したけど、7月中旬には障害発生前の株価に戻っているから、大きな影響は感じられなかったよ。
通信事業は複雑なシステムが重なって成り立つことから、このような障害はこれからも発生すると思います。
しかし、KDDIの補償が実現することで、かえってブランド価値が高まり、将来的に株価も上昇すると感じています。
補償の発表は7月29日の決算発表
補償については報道が先行しており、KDDIからの公式発表は現在はありません。
しかし、明確に報道を否定しておらず、補償については7月29日の第1四半期の決算報告で行われる模様です。
まあ、いつものリーク記事ですが、J塾長的にはKDDIがわざとリークして、市場の反応を確認しているような気も …… 考えすぎですね。
7月29日の注目は「障害による加入者数の減少があるか?」と「補償が実施されるか?」だと思います。
とくに加入者数の減少は株価の下落要因で、さらに状況によっては業績の下方修正もあり得ます。
ネットでは加入者減が騒がれていますが、実際にはそこまでいないと思いますね。
7月29日に注目です。(がんばれKDDI@J塾長は元KDDI社員)
※このブログはあくまでJ塾長の感想であり、投資を勧めるものではありません。投資は自己判断と責任でおこなってください。