株式投資⑥高配当株の見つけ方「営業利益」とは?
FIRE(ファイア)における不労所得を構築するには、安定した収入を得られる投資が必要です。
たとえば年間8%もの高配当株であっても、事業が悪化したことによる株価暴落が要因なら話になりませんよね。
そこで大切なのが投資対象である企業の業績を把握することです。😆
上場企業は決算により「貸借対照表」や「損益計算書」などの財務諸表を作成し、事業の業績を公表しています。
不労所得の構築すために企業に投資するのなら、まず直近の決算書の確認は重要なポイントです。
本日は企業の本業による取引で得た利益である「営業利益」について紹介します。
高配当株を探す指標である「PER(株価収益率)」と「PBR(株価純資産倍率)」の記事も参照ください。
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営業利益とは本業での利益
決算時に作成される「損益計算書」には「営業利益」のほかに、「経常利益」、「売上総利益」、「税引前当期純利益」、「当期純利益」などの項目がありますが、なかでも重要なのが「営業利益」と「経常利益」でしょう。
投資の初心者の人は、この2つの利益の違いがわからず混同してしまうことも珍しくありません。
営業利益とは
「企業が本業でおこなった商取引による利益で、売上総利益から各種管理費(経費)を引いたもの」
です。
売上総利益とは、商品を販売するなどして得られる利益のことで、各種管理費とは「一般管理費」、「販売管理費」など、商取引で必要な経費です。
一般管理費と販売管理費の内訳
それでは一般管理と販売管理費の内訳をみてみましょう。
一般管理費
- 給与(役員報酬含む)
- 水道光熱費
- 消耗品費
- 地代家賃
- 保険料
- 租税公課
- その他
販売管理費
- 販売促進費
- 広告宣伝費
- 旅費交通費
- 通信費
- 接待交際費
- その他
一般管理費は従業員の人件費や事務所の家賃、水道光熱費など、販売管理費は広告費用や出張費用、さらに接待費用などが含まれます。
営業利益の計算方法
それでは営業利益の計算方法をかんたんな例で説明します。
農機具を販売しているA社は、100万円で仕入れた機械を150万円で販売しました。
この期間、広告費や人件費などかかった経費は35万円でした。
このケースではA社が100万円で仕入れた機械を150万円で販売しており、商品をうることで得られる売上総利益は50万円です。
50万円(売上総利益) = 150万円(売上) – 100万円(仕入)
つぎに売上総利益である50万円から、商取引で必要な管理費等(一般管理費、販売管理費)である35万円を差し引くことで営業利益を計算します。
15万円(営業利益) = 50万円(売上総利益) – 35万円(一般管理費、販売管理費))
このようにA社の売上総利益は50万円ですが、営業利益は15万円です。
決算情報の見つけ方
決算情報は各企業のIRページに掲載されています。
たとえば日本を代表するソニーグループであれば、ホームページの「投資家情報」のなかに業績説明や決算についての資料や説明が掲載されているので参考にしてください。
(引用:ソニーグループ投資家情報)
投資の初心者は各企業が公表している決算書では、難しくてよくわかないことがあります。
そのような場合は、各証券会社のホームページや「みんかぶ(MINKABU)」などの投資サイトを利用するとわかりやすく書かれているので便利です。
原則として営業利益が好調な企業を選ぶ
FIRE(ファイヤ)における不労所得を構築するには、安定した業績の企業に投資しなくてはなりません。
なかには売上が好調にみえても、営業利益がイマイチな企業があります。
売上総利益にたいして営業利益が少ないことは、一般管理費や販売管理費の負担が大きく、効率の良い経営ができていないと判断できます。
ただし注意したいのが「一般管理費や販売管理費には標準的な基準がなく、あくまで同業他社と比較して判断しなくてはならない」ことです。
管理費等は業種により違いがありますので、同業他社と比較して明らかに、多い場合は投資を再検討することが必要でしょう。
明日は営業利益と同じく重要な利益である「経常利益」を紹介しますね。