商船三井1Qは経常利益2.7倍、増配発表で配当利回り13%

増配

商船三井(9104)」が7月29日に2023年3月期第1四半期の決算を発表し、経常利益が前期比で約2.7倍の2,841億円になることが発表されました。

コロナ禍でコンテナ需要が増していたけど、今年もまだ需要が落ちていない感じだね。

コロナ明けにより一時的にはコンテ需要も落ちていましたが、今回の決算をみると影響は限定的だったようです。

本日のブログは今年も業績好調な「商船三井(9104)」について、1Qの決算内容を元にこれからの投資を考えます。

 

商船三井などの海運株については過去ブログ「商船三井、日本郵船の株価はどうなる?今からのFIRE投資」も見て下さい。

 

あいかわらず絶好調の商船三井

コロナで需要が増した海運業界ですが、なかでも注目されているのが「商船三井(9104)」です。

商船三井は増配による高配当が人気で、2021年10月にも増配を発表し話題になっていたよね。

(※2021年10月に発表した増配については「【配当12%超え】三井商船はFIREのおすすめ銘柄か?」を見て下さい。)

 

前期は絶好調の決算だった商船三井ですが、2023年3月期第1四半期(2022年4月1日~6月30日)も相変わらず好調な内容でした。

 

  • 売上   :  3,747億円(前期比29.7%増)
  • 経常利益 :  2,841億円(前期比172.6%増)
  • 純利益  :  2,857億円(前期比174.4%増)

1Qの経常利益、純利益が前期比で2.7倍以上もあります。

今期の経常利益の業績予想では、上期(1Q、2Q合計)で5,000億円の計画です。
進捗率を見ると1Qのみで約57%に達しており、業績が好調であることを示しています。

 

増配で年間500円の配当を発表

今回の1Q決算に合わせて年間予想が350円だった配当について、年間500円予想に増配することを発表しています。

前回の決算時には今期の配当は、中間200円、期末150円の合計350円だったけど、150円も増配するんだよね。

増配により中間は100円増しの300円、期末は50円増しの200円で合計500円の配当予定です。

 

前期の記念配当を上回る配当額に

前期である2022年3月期は増配により年間配当が1,200円でした。

えっ今期より少ないよ。

実は商船三井は今年4月に1:3の株式分割を実施しているから、分割後の価値で考えると配当は400円になるよ。
だから話題になった前期よりも配当が100円増えると考えていいよ。

前期の高配当はあくまでコロナ需要による一過性のものだと考えていましたが、今年も業績好調なことから前期を上回る配当を実現できたようです。

 

配当利回りは13%超えに

商船三井の株価は現在3,635円なので、配当利回りは13.7%まで上昇します。

商船三井は「配当方針として最低でも総額300億円規模の安定配当を目指す」ことを明言しており、配当の最低基準を見せています。

今期の業績予想では1株当たりの純利益が1,939円なので、配当500円は配当性向25.7%です。
配当性向25%は特段高い配当性向ではないので、さらに増配の余力もあると思います。

 

FIRE的には魅力ある商船三井のこれからは?

バルチック海運指数

海運株のこれからを占う上でJ塾長が参考にしているのが「バルチック海運指数(Baltic Dry Index:BDIY)」です。

この前の記事で聞いた!
世界の外航不定期船の運賃の指数で、簡単な使い方としては上がれば海運業は好調、下がれば不調と見るんだよね。

よく覚えていたね。
バルチック海運指数を知ってるポメはなかなかいないよ。

コンテナ運賃の状況が分かるバルチック海運指数は2021年10月6日の5,647ドルをピークに下落しており、2022年1月28日には1,381ドルと4ヵ月弱で75%も急落しました。

春以降、上海のロックダウンの影響を受けて2022年5月23日には一時3,369ドルまで上昇しましたが、ロックダウンの解除で現在は1,945ドルに下落しています。

 

つまり、コロナ禍でコンテナ船の運賃は高値水準にありましたが、上海のロックダウンの影響を受けながら、現在は最高値の1/3程度まで下落している状況です。

 

このことから商船三井の1Qの好決算は上海ロックダウンの恩恵が高いと予想されますが、2Q以降は海運運賃が下がっているので、このまま業績が拡大することは難しいのではないでしょうか?

 

もう一段株価上昇の可能性が高いけど

今回の増配により株価がもう一段上昇する可能性は高いと思います。

J塾長は昨年の商船三井の社長のインタビューで、「配当は総額300億円を最低基準に…」と言っていたのが気にかかります。
現在の発行株式総数で300億円を割ると、配当は約83円で配当利回りは2.3%程度です。

業績に浮き沈みがある海運業界なので、最低配当原資を示すのはいいのですが、配当性向を30%程度に上げて貰いたいですね。

商船三井の配当性向は今までは20%以下程度で、今期は25%まで上昇しています。

バルチック海運指数的を見るとコンテナ運賃も落ち着いてきているので、ここからの業績が気になっています。
また円安が商船三井にどう働くかが見えてきません。

現在の株価である3,635円は分割前の10,905円なので、少し高い印象を受けます。

1株2,600円程度なら買いですけど、3,600円は来期以降を考えると買いづらいです。
やはり配当83円を意識してしまいますね。

昨年、6,000円弱(分割後の2,000円程度)で買っておけばよかったと、今さらながら後悔したJ塾長でした。

 

※このブログはあくまでJ塾長の感想であり、投資を勧めるものではありません。投資は自己判断と責任でおこなってください。

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