下方修正発表!すかいらーく20億円の赤字転落で100店閉鎖
「ガスト」、「夢庵」、「バーミヤン」などのファミリーレストランを展開する「すかいらーくホールディングス(3197)」が、2022年8月12日に2022年12月期中間決算(2Q)を発表し、予想をはるかに下回る下方修正を行ないました。
すかいらーくHDと言えば、父ちゃんも1,000株持っていたよね?
過去ブログでも紹介しましたが、昨年の夏に保有するすかいらーくHD株を売却しました。
ただし妻名義の株についてはホールドのままでしたが、今回の件で「やはり…」と考えて含み益がある状況で本日売却しました。
詳しくは過去ブログ「すかいらーく株を売却!大量閉店の影で人材枯渇の可能性?」を見て下さい。
本日のブログは1年前にJ塾長が予想した通りの状況に陥った「すかいらーくホールディングス(3197)」について紹介します。
すかいらーくホールディングのやばすぎる決算内容
「すかいらーくホールディングス(すかいらーくHD)に何が起こっているのでしょうか?」…そんなことを感じさせるくらいヤバすぎる決算内容が8月12日に発表されました。
そんなに酷かったの?
コロナとかいろいろあったけど、2020年から閉店を進めていて利益効率を上げていたイメージがあったよ。
すかいらーくHDは2020年11月に全国200店舗を閉店すると発表し、スリム化を図ることで利益率を上げる方針を発表していました。
J塾長の近くのガストも2店閉鎖され、閉店作業は順調に進んでいる印象を受けていましたが、同時に優秀な人材が離れてサービスも悪化していると感じていたのも事実です。
とくに人材の悪化は酷く、まともなサービスもできず、J塾長も嫌な思いをしたことで昨年の株式売却となりました。
そしてそれから1年後の2022年8月に、J塾長の予想を的中させるような中間決算が発表されました。
2022年12月期第2四半期(2Q)の決算を見てみましょう。
- 売上 : 1,415億円(前期比11.8%増)
- 経常利益 : ▲37億円
- 純利益 : ▲27億円
売上は前期比で11.8%増の1,415億円でしたが、利益に関しては大幅な赤字に転落しています。
さらに通期予想を大幅に下方修正しています。
- 売上 : 3,120億円(前回予想3,360億円)
- 経常利益 : ▲20億円(前回予想75億円)
- 純利益 : ▲20億円(前回予想40億円)
前回の業績予想では経常利益75億円、純利益40億円の黒字予想でした。
しかし、3ヵ月しか経っていないにも関わらず、それぞれ20億円の赤字に下方修正されました。
ちょっとこの修正っぷりは「今さら感」があって、明らかにおかしいと思うよ。
業績の悪化はインフレの影響を強調
2Q決算では今回の業績悪化についての要因を「インフレの影響」を第一に上げています。
またインフレ増の背景には以下の4つの問題があることも示しました。
- 円安の進行による食材価格の高騰
- エネルギー価格の高騰
- 物流コストの高騰
- 最低賃金の上昇と採用難
円安については2022年5月の中には130円台に突入しており、前回の決算報告時点でも十分な円安だったと感じています。
またエネルギー価格の高騰はウクライナ紛争からなので、これも春から予想できる内容だと思います。
なんか、これらの問題が突然出てきたみたいに理由付けしているけど、なんか経営陣の判断が大甘な感じを受けるなぁ。
すかいらーくHDが下方修正の理由に挙げているものは、どの会社も春から対策を行っているものばかりで、「いまさら何を…」って感じるよね。
最低賃金に関しても言い訳にしか聞こえないよ。
キャッシュフローの悪化とさらに100店舗の閉店へ
すかいらーくHDの決算書のキャッシュフローを見ると、前期比で120億円減少しており、キャッシュフローが悪化しいることもわかります。
また業績悪化の対策としてはおもに「客単価の向上」と「生産性の向上」を上げていますが、実際には「値上げ」と「閉店」によるものだと感じています。
なんかプレミアム商品を投入して客単価の向上とか言っているけど、結局はハンバーグを改良して値上げをおこなうしかないと…
なんかこの前、ハンバーグの改良したばかりだけど、さらにプレミアム化して値上げを狙っているみたいだね。
ガストのハンバーグ単品は659円(税込み)だけど、改良してもハンバーグ単品に1,000円は払わないよね?
値上げで客離れが進む危険性はあると思うよ。
最近のガスト「ちょっと改良して値上げ」ばかりやっているイメージを受けるね。
さらにすかいらーくHDはあらたに100店舗を閉店することを決定しました。
昨年に200店舗閉店したのにまたやるの?
今度は北関東を中心としたロードサイド店を100店舗を閉店するみたいだね。
閉店は2023年初旬を計画しており、100店舗を閉鎖することで出店合計も3,000店舗を切る状況になります。
大幅な閉店は人材流出を加速させる
すかいらーくHDの閉店は不採算店を整理する目的なので仕方がないと思いますが、これによりさらに人材が流出することが考えられます。
今のガスト等の不人気はメニューもそうですが、一番はスタッフのサービス酷いことがが原因ではないでしょうか?
ランチ時にはサービスが1人しかおらず、注文しても1時間も出てこない…このようなことは当たり前で、クレーム言うと「人がいないんですよ」とあり得ない言い訳。
さらに注文間違えをしてはリカバリーできない。
せめてすべてをロボットにすればいいのに、中途半端な利用しかしていない…
昨年からの閉店ラッシュと来年の閉店で300店舗以上がなくなりますが、その数だけの店長も降格され、なかには退職する人も多いと思います。
人材確保は企業にとって生命線であり、すかいらーくHDはこの線が切れつつある状況ではないでしょうか?
配当は無配へ、株主優待はどうなる?
今回の決算報告で6円予想だった配当が「未定」に修正され、実質無配になりました。
赤字予想でキャッシュフローも悪化しているから、これは無配は仕方がないね。
株主優待は?
2020年に株主優待の改悪を実施しおり、今回の業績悪化でさらに改悪、最悪で廃止も考えられますが、J塾長としては廃止はないと思っています。
理由は株主優待の廃止は株価を大きく下げる要因になることから、現在のすかいらーくHDはそこに踏み込めない理由があるからです。
2Q決算発表後の8月15日の株価は90円安の1株1,499円と窓をあけて大幅に下落しましたが、翌日の16日は40円程度の回復しています。
この謎の買い支えは「株主優待の廃止はない」と考える投資家が多いことを表していると思いますね。
すかいらーくHDが株主優待を廃止できない理由としてJ塾長が思っているのが、10.93%を保有する筆頭株主の存在です。
すかいらーくHDの筆頭株主は「日本マスタートラスト信託銀行」で2位が「日本カストディ銀行」です。
つまり、日銀やGPIF(年金運用機構)、各種ファンドが大きく関与していると推測され、安易に株価下落を引き起こす株主優待廃止を選択できないと推測しています。
あくまで推測ですが株主優待を廃止すると、株価は1/3程度まで下落する可能性があることから、大株主には到底受け入れならないのではないでしょうか?
さらに最近、「日銀がすかいらーくHD株の保有を増やした」との噂もあるので、なおさら株価下落を誘導する優待廃止は難しいと考えます。
しかし、若干の改悪はあるかもしれませんね。
人材教育を疎かにするサービス業はかならず衰退する
すかいらーくHDを見ているとサービス業は、やはり質の良いサービスがないと衰退すると感じました。
もちろんファミレスですから一流レストランのサービスなど必要ありませんが、挨拶、案内、提供などの基本サービスが良ければ、客はそれだけで満足すると思います。
しかし今のガストやバーミヤンは、不愛想でサービス精神もありません。
テイクアウトに至っては、残飯のような盛り付けでグチャクチャで、メニューの原型もありません。
さらに注文と違っても、「郵送で返金しますから」で終わらせようとする態度です。
これじゃ先が見えているよね。
だから、妻が保有していた残り少ないすかいらーくHD株も全て売却し、「住友林業(1911)」と「住友化学(4005)」を購入しました。(笑)
まとめ
すかいらーくHDは2Q決算報告で大幅な赤字を計上しており、今期の業績予想の大幅な下方修正を行っています。
40億円の純利益予想を修正し、20億円の赤字に下方修正しました。
下方修正の原因としてはおもにインフレや人件費の高騰等を上げています。
6円の配当予想は無配に修正、株主優待の変更は発表されませんでした。
さらに2023年頭に100店舗の閉店を予定しており、2020年からの累計では300店舗を閉店することになります。
これによりすかいらーくHDの全国の店舗数は、合計3,000店を下回ります。
すかいらーくHDの株価を支えているのは、株主優待なので優待が廃止されると株価の大幅な下落が予想されますが、現状では優待廃止はないと予想します。
J塾長はすかいらーくHDから完全撤退しますが、ファミレスの「すかいらーく」だった時代には大変お世話になったお店なので、頑張って貰いたいと思っています。
※このブログはあくまでJ塾長の感想であり、投資を勧めるものではありません。投資は自己判断と責任でおこなってください。