安全資産なら債券は本当?安全性と株式との違い

国債

一般的な認識として投資のなかでも安全性が高いと思われているのが「債券」投資です。

債券は国や自治体、企業が発行する有価証券で、お金を借入するための借用証と考えるとわかりやすいと思います。

債券は安全資産と言われていますが、それは本当なのでしょうか?

またFIRE(ファイア)における不労所得として債券投資の評価を考えてみます。

債券ってなに?

債券は国や地方自治体などが発行したり、企業が発行したりする有価証券で、広く投資家から資金を集めるために利用されます。

有価証券である債券には「償還日」と呼ばれる満期が設定されており、満期が来ると額面額を返還しなくてはなりません。

また債券には別途利子が定められており、定められた期日に利子を支払う必要もあります。

債券は広く資金を得る目的で発行される有価証券であり、投資家は発行元の信頼性や利子の利率などを判断して投資します。

ただし国や自治体などが発行する安全性(信頼性)の高い債券は利率が低く、安全性に欠ける企業などの債券は利息が高く設定される傾向があることから、購入する場合は利率だけでなく慎重な判断が必要です。

債券の中身

債券には発行するための条件が設定されています。

債券ごとに条件が違えば投資家は比較して債権を購入できないことから、どの債権も一定の条件を設定して発行されます。

  • 額面金額:債権に記載されている金額、償還日にはこの価格が返還される
  • 表面利率:額面金額に対する利息の利率
  • 発行価格:実際に販売される債券の価格で額面価格より安いことがある
  • 償還日:額面金額が返還される日
  • 利払い日:利息は支払われる日付で年2回程度が多い

債券の購入を検討する場合は、これらの条件をしっかり確認して選択しましょう。

債券で有名なのは個人向け国債

債券で最も身近はのは国が発行する「個人向け国債」です。

個人向け国債は国が発行する債券であり、日本政府に対してお金を貸すことで利子を受け取れる金融商品だと考えてください。

個人向け国債の条件をみてみましょう。

  • 商品名   :  固定5第 121回債
  • 満期    :  5年
  • 金利対応  :  固定金利
  • 表面利率  :  0.05%
  • 募集価格  :  100円
  • 償還金額  :  100円
  • 利子の受取り:  半年ごとに年2回(5/15及び11/15)

財務省のホームページを引用すると「現在募集中の個人向け国債・新窓販国債」には、固定金利型5年満期の個人向け国債の条件が記載されています。

これをみると債権の満期は5年で利子は半年ごとに年2回支払われます。

また利子は固定利息で、償還日まで保有すると、額面金額がそのまま変換されることがわかります。

募集価格は100円からですが、実際に購入は1万円から1万円単位で購入できます。

このように債券にはあらかじめ一定の条件が設定されており、投資家はその条件を確認した上で投資判断をおこないます。

債券には利息の考え方による種類がある

国債にように利息を明確に設定している債権を「利付債」と呼びます。

利付債は債権の額面金額に対しての利率を設定しており、銀行預金の金利感覚で運用できる債券です。

たいして額面金額と発行価格の違う債権を「割引債」と呼びます。

割引債は実際の購入金額である発行価格が、額面価格よりも低額に設定された債券です。

たとえば額面金額が10,000円の割引債券を、8,000円の発行価格で購入した場合、3年後の償還日を迎えると10,000円が返還され、3年間で2,000円の利益が発生します。

年で2,000円、年利に換算すると6.6%程度ですね。

つまり割引債とは利子がない代わりに、あらかじめ割引価格で購入することで利益が出る債券です。

債券の種類は豊富

債券には個人向け国債や自治体が発行する債券以外にも民間企業が発行する債券があり、これを「社債」とよびます。

有名なのは「ソフトバンクグループ」や「オリックス」が発行する社債で、銀行金利と比較して利率の高さが魅力です。

また米国国債などの外国国債や外国企業の社債などもありますが、これらは外貨建てあることが多く、為替の変動も影響するので注意が必要です。

債券の種類は豊富なので一概に説明することは難しいことから、後日また順番に解説したいと思います。

債券には危ない商品も多い

金利の変動

債券についてはこれからも紹介しますが、さまざまな種類があり簡単に理解するのは難しい商品です。

なかには怪しいものや、間違いなくだめだろう的な債権もゴロゴロしており、投資の初心者は騙されることも少なくありません。

とくに証券会社の営業が投資初心者にすすめる債券には要注意です。😅

ファイナンシャルプランナーの私への相談のなかにも、複雑な条件の債券に関するトラブルが多くなっていますが、大部分が泣き寝入りするしか方法がないものです。

とくに「仕組債」と呼ばれる一定の債券は、投資初心者には判断できない内容が多いので、勝手な判断をせずに債券に詳しい投資家に相談することが大切です。

安全な債権を不労所得の軸として考える

個人向け国債は表面利率が0.05%程度なので、不労所得と考えるとかなり厳しい債券です。

しかし米国債(アメリカの国債)であれば、償還期限の長さにより1.6%~2.1%程度の利回りです。

これならFIRE(ファイヤ)の不労所得としての軸として購入するのもよいかもしれません。

ただし利率のよい米国債は償還期限が長かったり、為替の影響をモロに受けてしまったりするので、投資の初心者はよく考えてから判断してください。

米国債についても後日、ブログを書きたいと思っています。

債券を購入する方法としては、証券会社や銀行で債権を指定して購入する方法もありますが、投資信託やETFを利用する方法もあります。

直接購入するよりも安価で購入でき、リスクヘッジもできることから投資初心者は、投資信託やETFを利用することも検討してくださいね。

投資信託については「投資信託①初心者が理解したいはじめての投資信託」、ETFについては「ETFと投資信託の違いとは?NISAの適用や買い方を紹介」を参照ください。

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