業績予想の進捗利率で売上&経常利益ともに高い銘柄はどれ?
9月も終盤を迎えており中間決算の内容に注目されていますが、米国企業に対して日本企業は比較的影響が少ないのではないかと思われています。
実際、円安は日本企業にとって追い風で、外国企業のからの需要も伸びているよね。
マスコミは不安を煽るのが好きだから、ネガティブキャンペーンをやっているけど、中間決算では業績を伸ばす企業が多数でると思うよ。
企業は年間の業績予想を出しており、四半期ごとの決算短信で進捗率がわかります。
本日のブログでは中間決算を前に、第一四半期の出だしから好調だった、「住友不動産ホールディングス(3231)」を紹介します。
円安で業績が拡大している銘柄については「円安効果で純利益が59%増の高配当&自社株買い銘柄はコレ!」も見てください。
そもそも進捗率とは?
基本的に上場企業は決算時に翌年の業績予想を発表します。(未定のケースもあります。)
「前期の業績はコレコレでした」って言うのが決算だよね。
そして今期の業績目標が業績予想なんだね。
そうだね。
決算は前期の業績結果をまとめたもので、そのなかに今期の目標である業績予想が含まれているよ。
進捗率は年間の業績予想に対して、実際の業績がどの程度進んでいるかの割合と考えてください。
年間目標を100%とするので、4半期ごとに25%を達成すると事業計画通りと考え、25%を下回ると業績不振と判断されれることが多いようです。
しかし、季節により業績に変化が出る業種については、前年同期の進捗率と比較します。
売上目標(予測)が100億円の企業だったら、4半期ごとに25億円の売上があれば目標は達成だね。
そうだね。
でもなかには1Q(第一四半期)で25%を大きく超える企業もあり、このような企業は今期の業績が好調なことから、株式も買われる材料になります。
中間決算に期待が持てる出だし好調銘柄は野村不動産
業績予想では予想項目として「売上」、「経常利益」、「純利益」を出しますが、なかでも注目されるのは「経常利益」です。
やはり業績と言えば利益だから、経常利益は注目されるんだよね。
しかし、今年は売上は伸びていないけど、春からの円安で経常利益が伸びている企業も少なくないよ。
だから、今期については経常利益だけを見ないで、売上の進捗率を確認することも大切だと思いますね。
そこで今回J塾長が注目したのは「野村不動産ホールディングス(3231)」です。
野村不動産HDは1Qにおいて、経常利益だけでなく売上の進捗率も29%を超えています。
また配当利回りも3%を超えているので、FIRE(ファイア)銘柄としても注目できる企業だと思います。
野村不動産ホールディングスの1Q決算内容をチェック
まずは野村不動産HDの2023年3月期第一四半期(1Q)の決算短信を見てみましょう。
- 売上 : 1,997億円(前年同期比36.3%増)
- 経常利益 : 363億円(前年同期比30.5%増)
- 純利益 : 269億円(前年同期比44.8%増)
売上も利益も好調って感じだね。
円安要因で好調な企業は、売上の伸びと利益の伸びのバランスがおかしいけど、野村不動産HDは売上増により利益が伸びているイメージを受けるよ。
それでは業績予想に対する進捗率はどうなっているのでしょうか?
- 売上 : 年間予想6,800億円の29.36%
- 経常利益 : 年間予想850億円の42.7%
- 純利益 : 年間予想570億円の63.6%
売上は通期予想が6,800億円のところ1Qで1,997億円を達成しており、進捗率は29.36%と25%を大きく超えています。
また経常利益は通期予想で850億円ですが、これも進捗率が42.7%になる363億円に達しています。
一般的には経常利益の進捗率を重要視しますが、今年は急激な円安のために、利益だけでなく事業の伸びを確認する必要があると考えます。
だから売上と経常利益の両方の進捗率が高い企業は来年に向けて期待が持てるのではないでしょうか?
野村不動産HDの株価は?
野村不動産HDの株価は現時点で1株あたり3,530円と堅調に推移している印象を受けます。
米国の利上げによる株式市場の混乱で若干の下落はありますが、事業が堅調なことから大きく下げる可能性は低いと思います。
チャート的には2020年春から上昇トレンドが始まっており、コロナ禍による影響で一時的に下落しましたが、2021年末から上昇を再開してコロナ前の株価を大きく超えています。
米国の利上げによるマーケットの悪化から、野村不動産HD株が売られた場合、買いを入れるチャンスになるかもしれません。
野村不動産HDの配当利回りは?
野村不動産HDの配当予想は中間55円、期末55円で年間110円です。
現在の株価が3、530円だから、配当利回りは3.12%だね。
FIRE(ファイア)銘柄としては、合格水準の配当利回りかな?
野村不動産HDのPERは11.01倍、PBRは0.98倍、ミックス係数は10.78倍です。
ミックス係数で見るとまだまだ割安感があるので、株価上昇の期待もあります。
中間決算で増配の可能性もある
野村不動産HDの配当性向は約30%程度なので、中間決算の内容によっては増配の可能性も期待できます。
通期予想では1株当たりの純利益予想を321円としており、そこから約30%の配当を計画しています。
1Qの1株あたりの純利益(実績)が151円だったので、業績が伸びれば通期の1株あたりの純利益が500円を超える可能性もあります。
そうなると年間配当は150円水準になるよね。
現在の株価で考えると配当利回りは4.2%に急上昇だ!
このまま業績が伸びればの話だけどね。
まとめ
進捗率とは企業が今期の業績予想を出して、四半期ごとに業績がどの程度進んでいるかの割合です。
一般的に企業の利益である経常利益を重要視しますが、売上の進捗率を確認することも大切です。
野村不動産HDは1Qの進捗率で売上が29.36%、経常利益が42.7%と予想を大幅に超える状況になっており、中間決算も期待が持てます。
年間配当予想は110円ですで、配当利回りは3.12%です。
ただし配当性向が30%程度なので、このまま業績が拡大することで増配の期待が持てます。
米国の利上げでマーケットは縮小傾向にありますが、日本企業の中間決算は期待できる銘柄が数多くあります。
しかし、単に円安の恩恵を受けている企業もあるので、利益だけでなく売上の進捗率にも注目してください。
※このブログはあくまでJ塾長の感想であり、投資を勧めるものではありません。投資は自己判断と責任でおこなってください。