底が見えた?米国の9月CPIが悪化しても株価上昇のなぜ?

米国労働省が2022年10月13日に「消費者物価指数(CPI)」を発表し、上昇率が前年同月比で8.2%と市場予想を僅かに上回りました。
市場予想はたしか…8.1%だったよね。
0.1%上回っただけだから、ほぼ予想通りと思ってもいいよね。
そうだね。
今年の6月のCPIは9.1%だったから、7月、8月、9月と3ヵ月連続で改善しているよ。
9月のCPIはほぼ予想通りでしたが、僅かでも予想を上回ったことで、10月13日の米国ダウ平均は500ドルを超える大幅な下落からスタートすることになりました。
本日のブログは10月13日に発表された「9月の米CPI」の結果から、これからの株式市場の動きを考えます。
米国の8月CPIの話題は「悲報!米国8月CPI発表で株価下落!1%の利上げに現実味」も見てください。
続落で始まり上昇で終わった米国市場
10月13日の米国株市市場は荒い値動きになり、1日の値動幅は1,500ドル以上になりました。
たしか、CPIの結果が市場予想よりも悪化したことから、ダウ平均は500ドル以上の下落から始まったよね。
最終的にはどうなったの?
下落から始まったけど、そこから一転して上昇し一時は前日終値よりも1,000ドル以上も上昇し、最終的には827ドル高の30,038ドルで終了しました。
いや~寝る前にCPIの結果を見て「こりゃ駄目だわ…」と思って寝たら、翌朝のダウ平均を見てびっくりしたよ。
今回のCPIでは市場予想が8.1%に対して、結果は8.2%でした。
始めは0.1%の違いで株が大きく売られたので、「なんかなぁ」と思っていましたが、最終的には持ち直したことから、今回のCPIの結果は投資家に好意的に受け止められたようです。
なぜ0.1%の違いで株価が下落したのか?
終値では800ドル以上の上昇を見せたダウ平均ですが、CPIの発表直後は大きく下落していました。
やっぱり0.1%程度でも予想が外れたから、悪材料として見たのかな?
最終的には800ドル以上の上昇であったことから、今回のCPIの結果は市場として好感されているはずです。
しかし、直後に株価が下落した理由は、「売るタイミングを狙っている投資家」が一定数いたことが原因のようですね。
つまり、「CPIの悪化を予想」して売りを仕掛けるべくタイミングを計っていた投資家が、発表と同時に売りを仕掛けたと思われます。
少しでも数値が悪ければ大量の売りを仕掛ける輩だね。
きっと0.1%の悪化でも「売りのタイミングがきたっ」と売りを仕掛けたのだと思います。
しかし、その流れに乗らない投資家が多く、反対に買い戻しにより株価が上昇したのではないでしょうか?
CPI発表前の1週間程度で株価も大きく下落していたかたら、CPIが安心感につながって割安銘柄に買いが集まったようですね。
CPIの結果の内容ではなく、売りのタイミングを計っていた投資と冷静に判断した投資家のせめぎ合いだったのかもしれません。
米国のインフレはピークを越えたのか?
今回のCPIの結果を見るとまだまだ高水準ですが、3ヵ月連続で改善されており、市場としては織り込み済みだったと思われます。
またこれにより、FRBのインフレ対策も効いているとの見方もできるので、安心感から株式が一転買われる状況になったののではないでしょうか?
FRBの利上げは一定の効果が出ていると判断されているようだね。
FRBは75ポイントの(0.75%)の利上げを実施していて、その効果が少しづつ出ている印象はあるよね。
米国の投資家のなかにも「インフレがピークを越えた」と考える人も増えており、割安株を買い戻す動きも出てきています。
はたして米国のインフレはピークを超えたのでしょうか?
米国投資家の恐怖感は低下している

「CBOEボラティリティ指数(VIX)」は近い将来の米国株式市場の変動を予測する指数で、投資家が予測する今後30日間の株価の変動予想を表します。
VIXは株式市場が「下落する」と考える投資家が増えると数値が上昇し、株価が「上昇する」と考える投資家が増えると数値は下落すると言われているね。
たとえば今後30日間で株式市場が下落すると予想する投資家が多いと、VIXの数値は上昇します。
反対に株価が安定するか上昇すると予測する投資家が多くなるとVIXの数値は下落します。
投資家心理を数値化している面白い指数だよね。
VIXは投資家の心理を表しているとも言われており、急激な上昇は市場が「恐怖でパニックを起こしている」ことを意味します。
しかし9月のCPIではVIXは上昇しておらず、そのことからも投資家の多くは結果を冷静に受け止めているようです。
米国の利上げは続くが底は近づいている気配
9月のCPIは3ヵ月連続で改善されていますが、その理由は「原油価格」を始めとする「エネルギー価格」の下落だと思います。
エネルギー価格と食品を除いたコアCPIは依然として高水準にあり、利上げの効果に疑問を持つ専門家もいるようです。
しかし株式市場が冷静になりつつあるので、短期的な底は見えているように感じますね。
10月14日の日本市場は全面高
翌日の14日の東京株式市場は前日の米国株式市場の上昇を背景に、大幅な上昇をみせました。
日経平均は前日比917円高の27,155円、するっと27,000円台を回復したよね。
現在の日本株は米国株の影響をモロに受けているから、米国株が上がれば日本株も上がるよね。
それにしても影響受けすぎだよ。
米国の利上げをきっかけに株価は低迷していますが、日経平均で見るとしぶとく27,000円を維持しているようにも感じます。
円安は日本企業にとっては追い風の面もあるので、これから中間決算が本格化することで日本株への注目も集まる可能性があります。
そうなると米国市場の影響が少しは和らぐのではないでしょうか?
まとめ
米国の9月CPIが発表され市場予想を僅かに上回る8.2%となりました。
結果を受けてダウ平均は500ドル以上の下落しましたが、一転上昇に転じて終値では800ドル以上高で終了しました。
米国市場の上昇を受けて日本株も上昇、14日の日経平均は917円高で27,000円台を回復しています。
FRBのインフレ対策でCPIの数値は改善しているように見えますが、コア指数でみれば依然として悪化しているようにも見えます。
ただし投資家心理は悪化しておらず、短期的な底は近いと感じました。
日本株については米国市場の影響を受けやすい状況ですが、中間決算が本格化することで乖離しやすい状況が生まれることを期待したいですね。
※このブログはあくまでJ塾長の感想であり、投資を勧めるものではありません。投資は自己判断と責任でおこなってください。