連続増配&連続自社株買いで総還元性向が70%以上!注目銘柄
以前に説明しましたが連続増配とは「毎年連続で配当を増やす」ことで、なかには30年以上も連続している企業もあります。
うーん、日本では花王が連続増配株で有名だよね。
たしか32年も続けているんだ。
そうだね。
そのほかにもSPKや小林製薬など20年以上も連続して増配を行っている企業があるよ。
配当は株主に対する還元であり、連続して配当を増やすことは、単に還元だけでなく企業の業績が安定していることを意味します。
また株主に対する還元策は配当だけではなく、「自社株買い」で実施されることもあります。
本日のブログは連続増配と連続自社株買いの両方を続けている「日産化学(4021)」を紹介します。
連続増配銘柄については「11期連続増配を発表!業績上方修正の高配当株はコレだ」も見てください。
14期連続の自社株買いを実施
自社株買いとは「企業が自社の資金で市場から自社株を購入」することで、株価を引き上げる効果があります。
市場で流通している発行総数が減るから1株あたりの価値が上がるんだよね。
実際には自社株買いを実施してから、消却することで1株あたりの価値が高まります。
だけど、自社株買いと消却はセットと見ている人も多いから、自社株買いが発表されると好材料として評価されます。
本日紹介する「日産化学(4021)」は、スマホのディスプレイ用の液晶配向材やコーティング材、農業化学品(農薬)などを製造する企業です。
歴史は古く明治20年に化学肥料会社として創業し、日本を代表する化学メーカーとして有名です。
除草剤で有名な「ラウンドアップ」も日産化学が生産・販売権を取得しているよ。
日産化学は14期連続で自社株買いを実施しており、さらに取得した株式の消却も毎年実施しています。
これは毎年「発行済み株式総数」が減って、1株あたりの価値が高まっていることを意味します。
日産化学の配当は10年連続増配
日産化学の配当は10年連続増配で、2012年に年間26円だった配当金が2021年には122円に達しています。
10年間で配当が4.6倍になったんだね。
そして今期の配当予想は、なんと162円だよ。
配当性向も2015年は30.7%でしたが、2021年は44.9%まで上昇しています。
日産化学の配当性向は2021年で44.9%ですが、中期計画として55%を目標にしており連続増配はこれからも続くことが予想できます。
2021年度は総還元性向75.6%
日産化学の自社株買いの規模は、2021年で年間120億円規模です。
株式数で言うと203万株だよ。
日産化学はここ数年、毎年100億円以上の自社株買いを実施しているから、これからも100億円規模の自社株買いが予想されます。
実は日産化学が2006年~2021年に実施した自社株買いで、発行済み株式総数の23.8%を取得・消却しており、1株あたりの価値も上昇しています。
自社株買いは株価を引き上げる効果があることから、自社株買いの資金も株主還元として扱われます。
自社株買いの資金と配当金を合計して、当期純利益で割ることで「総還元性向」が算出できます。
配当性向は配当方針だけど、総還元性向は「配当+自社株買い」を合計した還元方針を表すんだね。
日産化学の2021年度の総配当性向の実績は「75.6%」と高水準であり、1株あたりの利益の7割以上が株主へ還元されています。
これは凄い内容だよ。
目標は配当性向55%と総還元性向75%の維持
日産化学が発表した「新中期経営計画(2022年~2027年度)」では、配当性向を現在の現在の45%から55%へ引き上げ、さらに総還元性向も75%を維持することを上げています。
つまり、これからも高い配当と自社株買いを実施して、総還元性向を75%に維持するとしています。
これは株主としては嬉しい内容ですね。
もちろん、これだだけの株主還元を実施するには、しっかりとした業績が必要です。
それでは日産化学の決算を見てみましょう。
経常利益58%増、さらに業績の上方修正も
日産化学の2023年3月期第1四半期決算を見てみましょう。
- 売上 : 582億円(前年同期比25.4%増)
- 経常利益 : 194億円(前年同期比58.2%増)
- 純利益 : 138億円(前年同期比56.7%増)
1Qの決算短信をみると売上が25%増、経常利益が58%増と好調です。
1Qで比較すると売上、経常利益ともに過去最高を達成しているよ。
また、2023年3月期の業績予想を上方修正しています。
- 売上 : 2,233億円(前回予想2,190億円)
- 経常利益 : 573億円(前回予想541億円)
業績の上方修正の結果、2023年3月期の決算も過去最高益になる見通しです。
株価と配当利回り
日産化学の株価は現在6,620円水準で、PERは22.44倍、PBRは4.51倍、ミックス係数101.20倍と割高な印象を受けます。
しかし、さらに業績の上方修正をする可能性があるので、数値が下がる可能性もあります。
今期の配当予想は162円を予想しており、配当利回りは2.45%です。
株価が上昇しているので、配当利回りは若干低い印象を受けます。
チャート的にはレンジ的な動きなので、6,000円~6,200円あたりが狙い目かなと思いますが、少し高いイメージを受けますね。
できれば2021年夏の5,500円程度まで下がれば理想ですが、そこまでは下がらないと思いますね。
5,500円なら配当利回り3%水準ですから…
まとめ
日産化学は10年連続増配だけでなく、毎年自社株買いを実施しています。
2021年度の配当性向は45%、自社株買いを含めた総還元性向は75%を超えている株主には嬉しい企業です。
さらに2027年までの新中期経営計画では、総還元性向75%の維持を目標に上げています。
また、今期の業績も好調で、過去最高益となる予想を立てています。
しかし、株価は若干割高状態で、配当利回りは2.45%、ミックス係数も100倍を超えている状態です。
しかし、業績が拡大しているので、投資判断を行うにはそこを含めて判断してください。
※このブログはあくまでJ塾長の感想であり、投資を勧めるものではありません。投資は自己判断と責任でおこなってください。