総合経済対策決定!さらに原油価格上昇で注目したい高配当銘柄

経済支援

2022年10月28日に日本国政府は「総合経済対策」を閣議決定しました。

総合経済対策ってなに?

現在、物価が急上昇しており、国民生活に圧迫を与えている状況です。
とくにエネルギー価格の高騰は深刻な問題で、電気、ガソリン、ガス等の値上りで困っている人も少なくないでしょう。

そこで、政府が一定の補助を行うことで、生活支援を行うことになりました。
総合経済対策には様々な項目が含まれていますが、一般国民に直接影響が出るのはエネルギー支援の項目ですね。

政府が発表した総合経済対策では、高騰するエネルギー価格に対して一定の補助を行うことが決まりました。

しかしその裏では原油価格が再度上昇を始める可能性が出ています。

本日のブログでは日本の総合経済対策と原油価格の今後、さらに注目したい株式銘柄を考えます。

 

原油高騰の影響については「ウクライナ紛争&原油高?新電力撤退と高配当電力株の見通し」も見てください。

 

総合経済対策の目玉は4.5万円の負担軽減策

今回政府が発表した総合経済対策には「子育て・出産支援」や「低所得者支援」なども含まれますが、一般国民に恩恵が出るのは「電気、ガス、ガソリン価格補助」です。

これは高騰する電気、ガス、ガソリン価格を、政府が支援することで値上りを抑制させる対策だよね。

政府の発表では1世帯あたり月に5,000円程度の負担緩和を狙っているようです。

実施は1月から9月で、合計45,000円の負担減になりますね。

1ヵ月で45,000円貰えると勘違いしている人いますが、あくまで月に5,000円の負担緩和を想定しており、現金が支給されることはありません。

 

この支援ではあくまで電気事業者、ガス事業者(都市ガス)、石油事業者に対して補助金を出すことで、価格を抑制するのが狙いです。

 

つまり、国民に直接お金を配るのではなく、事業者に補助金を渡して価格を下げる対策だと思ってください。

どのくらい安くなるの?

政府の目安では電気で1キロワットあたり7円を補助する予定だ。
月に400キロワットを消費する家庭なら2,800円安くなる計算だね。

また都市ガスなら1立方メートル30円を支援する予定で、標準的な家庭なら月900円程度の支援になるよ。
電機とガスで合計すると月3700円程度負担が減るよね。
さらにガソリンにも補助金が出ているので、だいたい月5,000円程度は恩恵を受けるかな?

この支援では実際に補助金を受け取るのは事業者なので、消費者である国民は恩恵を感じにくいと思います。

冷静に効果を判断する必要があります。

 

4月には電気料金の値上げでチャラへ

政府は世帯あたり月に5,000円相当の支援策と豪語していますが、実際にはその効果は3ヵ月で終わるかもしれません。

総合経済対策のエネルギー支援は1月から9月の予定だから、9ヵ月間あるはずだよ。

でもね、電力会社は来年の4月以降の電気料金値上げを申請しているんだよ。
だから、4月からの値上げ後は現状と同じか高くなる可能性があるんだ。

各電力会社では2023年4月からの電気料金の値上げを検討しており、すでに北陸電力、東北電力などは値上げを発表しています。

また東京電力も法人向け電力の値上げを発表しており、個人契約についても値上げを検討しているようです。

今回の電気料金支援は現在の電気料金価格を安くする目的ではなく、来年4月以降の電気料金値上げを緩和させるのが目的のようです。

 

つまり、総合経済支援で電気代が安くなったと感じるののは、あくまで電気料金値上げ前の3月までで、4月になると値上げにより支援分はチャラになります。

 

なんか、電気料金の値上げをごまかすトリックみたいに感じるよ。
経済支援が終わる9月には、今よりもさらに高い電気料金になるんでしょう?
これはちょっと…ひどいな?

来年4月の値上げ幅は10%~20%程度を予想されていますが、10月には値上げされた全額を負担しなくてはなりません。

本当に「はやく原発を全て稼働させろや!」って言いたいですね。

 

この状況下でOPECプラスは原油の減産決定

この状況で10月5日に開催されたOPECプラスで、大幅な原油の減産が決定しています。

OPECとロシアでつくるOPECプラスは、大幅な減産で合意したんだよね。

1日あたり200万バレルの減産が決まって、アメリカのバイデン大統領も困惑していることが報道されているね。
いや、呆れているのかな?

OPECプラスの言い分は、「世界経済はリセッション(景気後退)に突入しており、原油の需要も減少することから価格維持の目的で減産を決定した」だと思いますが、インフレ経済が加速する現状での減産は世界経済を混乱させる結果を生むかもしれません。

原油価格(WTI)も一時は1バレル75ドルを割っていましたが、現在は上昇して1バレル88ドルと高値圏にあります。

このままだと再度100ドル近辺に上昇する可能性もあるでしょう。

 

この状況で注目したいエネルギー銘柄

ENEOSチャート

この状況で注目したい銘柄を考えた場合、電力会社は難しいと思います。

電力各社は政府から補助金を受け取っても、カツカツ状態なので業績が回復するとは思えません。
J塾長が注目したいのは、原油株、とくに「ENEOSホールディングス(5020)」です。

ENEOSホールディングス(5020)」は国内の5割のシェアを持つ石油元売り企業で、高配当からFIRE銘柄としても人気です。

1株当たりの株価は490円水準で、PER9.20倍、PBR0.51倍、ミックス係数は4.62倍と株価も割安状況です。

また年間の配当は1株あたり22円、配当利回りは4.49%と高配当です。

業績は絶好調で2023年3月期第1四半期決算では、経常利益純利益が前期比で2倍に拡大しています。

 

  • 売上   :  3兆5,551億円(前年同期比59.8%増)
  • 経常利益 :  3,319億円(前年同期比111.1%増)
  • 純利益  :  2,213億円(前年同期比147.1%増)

年間の事業予測(経常利益)を1Qで達成しており、まさに絶好調の印象です。
ENEOSについては世界経済のリセッションから、今後業績が悪化するとの見方もありましたが、OPECプラスの減産の影響で原油価格が上昇すれば、このまま業績が拡大する可能性が高いと思います。

また、今回の総合経済支援では電気、ガス、ガソリンに対して補助金を出しますが、そのなかで最も恩恵を受けるのはガソリンだと思います。

電気料金や都市ガス料金の値上げはプロセスが複雑ですが、ガソリン価格は消費者に見えないところで決まっています。

価格の決め方が不透明なだけに利益も出やすいのがガソリンだよね。
なんか、許せないけど!
本当にガソリン価格も電気と同じく政府が規制するべきだよ。

田舎で発電所から離れていても電気料金は都市部と同じなのに、ガソリンは都市部と比較して3割も高いから納得できないよね。

本当にガソリン価格とプロパンガス価格は不透明だよね。
エネルギー政策として電気や都市ガス並みの規制が必要だと思いますね。

不満はありますが、ENEOSホールディングスの業績は今期も拡大すると予想します。

FIRE銘柄の軸として検討してはいかがでしょうか?

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