ロシア制裁でヤバかったJT!増収増益、増配で利回り6%超

ロシア制裁により業績が悪化していた「JT(2914)」ですが、先日の2022年10月31日に2022年12月期第3四半期の決算を発表し、増収・増益となることが分かりました。
JT株は父ちゃんも昔から持っているよね。
連続増配で人気だったけど、最近は業績が悪化して2021年12月にはついに減配を実施したんだよ。
JTのタバコ事業は、日本以外にロシア・ウクライナ市場にも拡大しており、今回のロシア制裁によりこれからの事業方針を見直す必要がありました。
近年では株価も軟調に推移しており、ここから抜け出せるのが心配になっていたのも事実です。
本日のブログは「JT(2914)」の2022年12月期第3四半期決算の中身と、これからの業績を考えます。
JTの話題は「JTが大幅下落で買場到来か?ロシアのウクライナ進攻で」も見てください。
2022年12月期第3四半期決算の概要
まずは先日発表した2022年12月期第3四半期決算の中身を見てみましょう。
- 売上 : 2兆85億円(前年同期比13.7%増)
- 経常利益 : 5,355億円(前年同期比15.5%増)
- 純利益 : 4,038億円(前年同期比19.2%増)
前年同期比と比べて約15%もアップしているね。
ロシアへの経済制裁で事業に赤信号が灯っていたけど、業績は順調そのものだよ。
まぁ、今回の決算は円安が大きく貢献したのは間違いないね。
JTの決算報告書でも「ウクライナ、ロシアにおける事業は、本体とは切り離す検討を進める」と書かれているので、やはりロシア問題が負担になっているのは間違いない。
ロシア事業のマイナス分を円安が救ってくれた感じかな?
現在の円安でJTは大きな恩恵を受けているので、円安の状況が続く間にロシア・ウクライナ事業を整理したいのが本音のように感じました。
ついに増配を再開!
今回の3Q決算においてJTは、通期の業績予想を上方修正し、さらに増配を発表しています。
- 売上 : 2兆6,680億円(従来予想14.8%増)
- 純利益 : 4,450億円(従来予想31.5%増)
純利益を31%も上方修正しているね。
配当はどうなの?
上方修正により1株当たりの当期利益は250.74円になり、1株当たりの配当は44円増配の年間188円です。
JTは連続増配株として人気でしたが、業績悪化が原因で2020年は前年維持、さらに2021年には14円の減配を実施しています。
今期は前期と同様、年間140円の配当を予定していましたが、業績拡大の理由で44円増配の年間188円を予想しています。
配当利回り6%超え

今回の決算をきっかけにJTの株価は大幅に高騰しており、発表翌日の11月1日には234円高の1株2,698円まで上昇しています。
さらに翌日の11月2日も2%以上の高騰を見せており、株価は1株2,772円水準にあります。
なんか眠っていたJTが息を吹き返したみたいだね。
増配で年間配当が188円なので、株価が2,772円で仮定すると配当利回りは6.78%になります。
これは高配当ですね。
ちなみに予想PERは11.06倍、PBRは1.30倍、ミックス係数は14.3倍なので割高感はありません。
高い配当性向のJTは株主還元に熱心な企業
JTのIRを見ると今期の配当188円に対する配当性向は75.0%を予想しています。
かんたんに説明すると「1株当たりの純利益のなかから、75%を配当として出すよ」と思ってください。
実は減配した2021年12月期も配当性向は73.4%もあったので、JTは「利益が出たら公平に株主還元を実施している企業」だと判断できます。
ちなみに2020年期は88.1%、2019年期は78.6%、2018年期は69.7%の配当性向です。
JTの配当性向は2016年頃までは50%程度、2013年までは40%以下だったので、近年配当性向を高めていることが分かります。
株主優待の廃止で高配当性向を維持か?
JTは人気の株主優待の廃止を発表しており、株主優待の負担がなくなることで、高い配当性向を維持することができるうようです。
株主優待は2023年で終了が決まっているよ。
だから今年の12月31日基準の株主が対象だね。
J塾長としては最近のJTの株主優待品に魅力を感じてにいなかったので、配当で受け取る方がありがたいですね。
このように感じている人も多いと思います。
鍵はロシアとウクライナ事業の整理か?
今期は円安効果でJTの業績も大きく改善していますが、これが来期以降も続くかは分かりません。
鍵はロシアとウクライナ事業を「どのように整理するか?」だと思います。
現在、トヨタやメルセデスなど大手企業が、ロシアからの正式撤退を発表し、現地法人の売却をおこなっています。
JTもロシアやウクライナに工場を保有していることから、なんらかの対応に迫られる可能性があります。
決算書にはロシア事業などをJTグループ経営から切り離すことも検討しているようですが、経営分離ではなく結局は売却になる可能性が高いと思いますね。
JTの本格的な復活はロシア市場の整理ができた後だと思うので、これからを期待したいと思います。
まとめ
ロシア市場の悪化が理由で経営不振に陥っていたJTですが、2022年12月期第3四半期決算において大幅な増収増益を発表しました。
今回の業績では円安が多きく貢献しており、通期の業績予想も大幅に上方修正しています。
さらに44円の増配を発表しており、年間配当は188円、配当利回り6.78%にもなります。
配当性向は75.0%を予想しています。
ロシア事業の整理がまとまれば、さらに株価への好材料になることから期待したいと考えます。
株価は急上昇していますが、現状では割高ではないことから、FIRE(ファイア)銘柄として検討するのもおすすめです。
※このブログはあくまでJ塾長の感想であり、投資を勧めるものではありません。投資は自己判断と責任でおこなってください。