クッキーやチョコが貰える…株主優待新設&自社株消却を発表

森永製菓株主優待

日本の大手製菓メーカーである「森永製菓(2201)」が、2022年11月10日に行った2023年3月期第2四半期決算報告(2Q)で、「株主優待制度の新設と自社株の消却」を発表しました。

森永製菓ってチョコレートの小枝、チョコボール、エンゼルパイ、マミービスケット…数えきれないくらいのお菓子を作っている会社だよね。
アイスもあるし最近では健康飲料のゼリー飲料やプロテインバーでも有名だよ。

日本人で森永製菓にお世話になっていない人はいないでしょう。
それくらい愛されているお菓子を製造する森永製菓が、株主優待の新設と自社株の消却を発表しました。

日本で愛されているお菓子を作る「森永製菓(2201)」が発表した株主還元策と投資判断について考えます。

株主優待の新設については「株主優待新設で利回り10%超!AB&Companyの投資は」も見てください。

 

貰って嬉しいお菓子の株主優待

森永製菓(2202)」が新設した株主優待の内容は以下の通りです。

 

  • 9月30日時点の株主名簿に記載のある株主
  • 100株~299株保有 : 1,500円相当の当社製品詰合せ(6ヵ月以上3年未満の株主)
  •             2,500円相当の当社製品詰合せ(3年以上の株主)
  • 300株以上保有   : 2,500円相当の当社製品詰合せ(6ヵ月以上3年未満の株主)
  •             4,000円相当の当社製品詰合せ(3年以上の株主)

 

100株保有で保有期間が6ヵ月~3年未満なら1,500円相当のお菓子が貰えるんだね。
3年以上保有すると毎年2,500円のお菓子が貰えるから長期保有がお得だよ。

優待の内容を見ると100株投資が最もお得なので、投資金額を抑えて効率よく優待投資ができるのも魅力だね。
現在の株価は3,630円程度だから優待利回りは0.41%(1,500円)、0.68%(2,500円)になります。

株価が3,630円と高いことから、優待利回りは1%未満ですが、森永製菓は配当利回りが高いので総合利回りはFIRE銘柄で採用できる水準です。

森永製菓の配当予定は1株あたり年間90円を予定しており、配当利回りは2.48%程度です。

今回の株主優待の新設により総合利回りは、2.89%(6ヵ月~3年未満)、3.16%(3年以上)まで上昇します。

とくに3年以上の株主は総合利回りが3%を超えているので、高配当銘柄と考えてもよいでしょう。
できるならNISA口座を利用して投資をしたいですね。

 

自社株の消却も発表

今回の決算発表時には株主優待制度の新設以外に「自己株式の消却に関するお知らせ」を発表、森永製菓が保有する自社株を償却することが分かりました。

これは、森永製菓が取得した自社株を無効化(消却)して、発行済株式総数を減らすことだね。
株主にとって何か得なことがあるの?

自社株の消却を行うと発行さえている株式総数が減るから、1株当たりの純利益が増えます。
1株あたりの利益が増えることは、株式の価値が高まり株価が上昇する効果が期待できますね。
また自社株の消却は株価を上昇させる効果だけでなく、増配を期待させる効果もあります。

今回の発表では発行済株式総数の9.96%を償却する予定で、540万株が無効化される予定です。

消却予定日は2022年11月30日なので、12月からは森永製菓の株式が約10%減ると思ってください。

株式が10%減ると株価も10%上昇するの?

理論的には10%の株式が消却されると、1株当たりの利益もそれだけ増えるから株価も10%程度上昇してもいいよね?
でも今回はそう上手くいかない可能性もあるんだ。

 

円安による材料高騰で業績は下方修正

2022年11月10日に発表した2023年3月期第2四半期の決算では、全同期比で売上は増えましたが、経常利益が23.4%減と大幅な減益となりました。

製造業は増収減益の会社が多いよね。
理由は何なの?

やはり円安による原材料の高騰がきついようですね。
とくにお菓子は小麦粉や砂糖、さらに製造するためのエネルギーが必要です。
安易な値上げは競争力を削ぐことから、そこも難しいみたいですね。
しかし、価格改定については既に値上げを実施していることから、これからの利益率の改善が重要なポイントです。

森永製菓の2Q累計の決算内容を見てみましょう。

 

  • 売上   :  984億円(前年同期比5.4%増)
  • 経常利益 :  104億円(前年同期比23.4%減)
  • 純利益  :  65億円(前年同期比31.0%減)

さらに2Qの決算報告では2023年3月期の業績予想を下方修正しています。

 

  • 売上   :  1,943億円(当初予想7.2%増)
  • 経常利益 :  140億円(当初予想23.0%減)
  • 純利益  :  85億円(当初予想69.4%減)

 

売上は増える予想だけど、利益が23%も減るのかぁ?
やはり原材料の高騰が厳しいのがわかるね。
これはしっかりとした値上げが必要だと思うよ。

でもお菓子が高くなると困る人も多いから、値上げはそこそこで円安が収まればと思いますね。

 

森永製菓の投資判断は?

森永製菓チャート
参照:Yahoo!ファイナンス

森永製菓は円安による原材料の高騰から利益率が悪化しており、今期の業績も当初予想を大幅に下回る予定です。

PER20.86倍、PBR1.4倍、ミックス係数は29.2倍ですが、大手製造業としては割高とは思えず、長期的な投資は可能だと考えます。

森永製菓の株価は7月以降下落トレンドに入っており、現在は2021年末につけた3,500円を割るかが注目です。

3,500円を下回ると3,300円まで下落する可能性が高いと思います。

しかし、今回の株主優待の新設と10%の自社株消却により、3,500円を下回ることはないと予想しています。

米国の10月CPIが落ち着いたことで円高方向に振れているので、このまま1ドル130円台を維持できれば、森永製菓の業績にも好影響を与えると思います。

円安が追い風になっている企業も多いのですが、国内向け製造業はかなりきついみたいです。
はたして来年春には円安も落ち着くのでしょうか?

 

まとめ

お菓子メーカーとして有名な森永製菓が株主優待と自社株消却を発表しました。

株主優待は6カ月以上保有の株主に対して実施され、100株~299株で1,500円、300株以上で2,500円の自社製品が贈られます。

3年以上保有の株主は、それぞれ2,500円、4,000円に増額されます。
現在の株価の配当利回りは2.48%予想なので、100株を3年以上保有していると総合利回りは3%を超えます。

また2022年11月末に自社株の消却を実施、発行済株式総数の約10%にあたる株式が無効化される予定です。

森永製菓は円安による原材料価格の高騰から増収減益となっており、2023年3月期の業績予想を下方修正しています。

しかし、個人的には株価は自社株消却効果や円安の改善期待もあり、大きく下落する可能性は低いと考えています。

お菓子好きにはたまらない株主優待を新設した森永製菓、みなさんはどのうように判断しますか?

 

※このブログはあくまでJ塾長の感想であり、投資を勧めるものではありません。投資は自己判断と責任でおこなってください。

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