米国株式の見通しは強気!リフレ経済からのインフレ・ショック

アメリカ国旗

Yahoo!ニュースを見ているとBloombeeg(ブルームバーグ)配信で、「米株の強気相場続く-JPモルガンは再びリフレトレード勧める」が掲載されていました。

米国市場はコロナの影響下にありながらも、バイデン大統領やパウエルFRB議長のかじ取りで、比較的機能しており株価の暴落などの心配はなく、順調に回復するだろう。

5月11日からの米国株価の暴落で、米国経済も大きなダメージを受けていますが、大型経済対策を続けることで回復するのは間違いないと思います。

日本と比較してコロナワクチンの普及スピードが格段に速いことも、米国経済の回復を予想する理由です。

経済の回復はアメリカ国民が政府を信用しているから

この記事で塾長が面白く感じたのは以下の部分です。

市場予想を大きく下回った4月の米雇用統計に対する7日の相場の反応を思い出すだけでよい。バイデン大統領が雇用統計の数字が大型経済対策の必要性を裏付けていると述べた後、7日の米株式市場で小型株は上昇した。

2021年4月の米雇用統計は当初の予想よりも大きく低下しています。

雇用統計とは就業者、失業者などの人数を調査するもので、2021年4月の調査では予想よりも多い失業者が確認できました。

このように予想を上回る失業者が出た場合、企業は企業活動を縮小していると判断されて、株価の下落材料です。

つまり本来であれば2021年4月の雇用統計は投資家の売りを誘導するもので、株価は下落するはずでした。

しかし、JPモルガン・チェースのストラテジストの話では、バイデン大統領が雇用統計の結果から、さらなる大型経済対策の必要性を訴えることで結果として株価は上昇しました。

株価はさまざまな要因で上昇したり下落したりします。

株価の悪材料が出たとしても、今回のように大統領が方針を打ち出すことで株価の下落を抑えることも可能です。

結果的には株価は下落しましたが、今回の下落は長期金利の影響であり、雇用統計で起きた状況とは別の問題です。

悪材料としての雇用統計は、大統領のコメントで回避できたが、長期金利はそうもいかなかったと言うことでしょうか?

デフレ・インフレ…そしてリフレ?

このブログではデフレ、インフレについて過去に解説させていただきましたが、今回の記事では「リフレ」なる言葉が使用されており、「再びリフレトレードを勧める」とJPモルガンのストラテジストが話しているそうです。

日本ではリフレを「リフレッシュ」「リフレクソロジー」などの略で使用することがありますが、ここで話しているのは経済用語の「リフレーション」のことです。

リフレ(リフレーション)とは「デフレ状態から抜け出したが、本格的なインフレ経済にはなっていない状況」を指す言葉です。

デフレ経済の状態で、大規模金融緩和などの経済対策をおこないデフレからの脱却をはかる

経済対策により消費者物価の下落は止まりましたが、本格的な上昇は未だ始まらない状態……これがリフレ経済。

またリフレとは下がった物価水準を回復させるための経済対策(景気対策)自体を指す意味合いもあり、リフレ政策、統制インフレ(コントロールされたインフレ)とも言います。

この記事のJPモルガンのストラテジストの話をかってに解釈すると「バイデン大統領がこのままインフレ誘導としてのリフレ政策を続けることが確認できたので、リフレトレードを主軸とした投資を勧める」でしょう。

リフレトレードとは政府の政策により恩恵を受けやすい業種に投資する手法で、アメリカではハイテク株やエネルギー株などが該当すると思います。

インフレについては「インフレとデフレの違いを知って正しい投資判断を」を参照ください。

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「インフレ・ショックに注意」がアメリカ投資家の意識

現金はだめ

この記事ではアメリカの多くの投資家から「インフレ・ショック」についての警告が出されていると書かれています。

インフレショックはインフレが急激に進行することで、一部の資産価値が減少することで、以前ブログに書いた「預金と投資の違い?不労所得におけるバランスとは?」を読んでいただければわかると思います。

急激なインフレが起こる状況では「現金」、「預金」、「債券」などの資産は、資産価値(額面ではない)を大きく減らす可能性があります。

そこでアメリカの投資家たちはインフレに強い、「株式」、「不動産」、「商品」などの資産へのすみやかな移動を推奨しています。

日本でも起きる可能性があるインフレ・ショック

インフレショックが起こると、一部の保有資産のなかで「額面は変わらないが、資産価値が減少」するものが出てきます。

貯金して購入しようとしていた20万円で購入できた洗濯機が、インフレによる値上げで25万円になったらた購入できなかった。

これを単に値上げと捉える日本人は少なくありませんが、20万円の価値が洗濯機よりも小さくなったことが原因かもしれません。

そうなると20万円を貯金している間に価値が下がったことになるので、貯金自体が安全な運用ではなかったと言えます。

そうならないようにデフレ、インフレそしてリフレ…の違いを理解して、価値が下がらないように資産を守ってください。

FIRE(ファイア)生活を目指すなら、安全な不労所得を構築しなくてはなりません。

資産の額ではなく資産価値を理解して、それが減らないような対策を考えましょう。

インフレ・デフレい強い投資商品については後日解説します。

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