ワンルームマンション投資はやるな!最低でも注意したい項目

ワンルーム投資危険

このブログ記事では主にJ塾長が実践している「株式投資」や「債券投資」についての記事が多いのですが、最近は「不動産投資」についての問い合わせを多くいただきます。

FIRE目的で不動産投資を考えている人は多いよね?

そうだね。
とくに投資用の資産が少ない若い人からの相談が増えているよ。
でも、J塾長は基本的に不動産投資は、一定のキャリアがある人が独自に行うべきで、投資初心者が不動産会社を頼ってするべきではないと考えています。

本日は破産者も出ている不動産投資、とくにワンルームマンション投資について考えてみます。

 

不動産投資とインフレの関係については「インフレが加速する社会で不動産投資?住宅ローンと資産価値」も見てください。

 

ワンルームマンション投資の被害が増加している

不動産投資とは「投資家がアパートやマンションなどの投資用不動産を購入して賃貸経営により収益を得る」投資法です。

大家さんになるんだよね。

そうだね。
一棟アパートや区分マンション等を購入して、賃貸に出し入居者から毎月の家賃を得るのが基本的な流れだよ。

しかし、実際に不動産投資を行っている人のなかには、大きな損失を出している人も少なくありません。

とくに「ワンルーム区分マンション投資(1R投資)」での被害が多く出ているようです。
J塾長も1R投資での損失についての相談を受けたことがあります。

1R投資は不動産業者が先導することが多く、9割以上の投資家が「投資物件を勧められる」ことで、対象不動産を購入しています。

しかし、当初の目論見どうりに進まず毎月の持ち出しとなり、数年後には生活を圧迫する負債になってしまいます。

1R投資のすべてではありませんが、不動産投資初心者の1R投資では、このように失敗することが多いようです。

それでは1R不動産投資に失敗する要因について考えてみます。

 

不動産投資の知識がないまま紹介で契約

1R投資を始めるきっかけとして最も多いのが「紹介」です。

紹介って友だちとかなの?

そうだね。
先に不動産投資を始めている「友人」、「同僚」なかには「親族」などもあるよ。
不動産会社の営業を紹介して投資を勧めることが多いね。

また不動産会社を紹介するのではなく、「不動産投資セミナー」を紹介することもあるね。

友人や同僚の紹介であれば不動産会社に対する警戒も少なくなり、説明についても疑うことなく契約に至るケースもあります。

しかし、友人や同僚は決して親切で紹介しているのはありません。

実は不動産会社を紹介し1Rマンションの契約に至ると、40万円~80万円程度の礼金が紹介者へ支払われます。
これは驚きですが、レアな話ではなく、普通にある話ですね。

えーこれじゃ親切じゃないでしょう。
ビジネスだよビジネス。

そうです。
1R投資における紹介は、「マルチ商法の勧誘」となんら変わりありません。
まずそこをしっかりと覚えておきましょう。

これは想像ですが、先には1R投資を始めた人が自身の損失を埋めるため、紹介により大金を稼いでいるのだと思います。

この流れは本当にマルチ商法(ねずみ講)を同じなので、悪質な話だと判断できます。

 

表面利回りでは投資は判断できない

実際に不動産会社の営業と話をすると、1R投資の収益について「美味しい話」を沢山聞かされるでしょう。

しかし、そこで注意したいのが「表面利回り」と「実質利回り」についてです。

表面利回りは経費を抜かない利回りで、実際に受け取る利益ではないよね。
詳しくは下の記事を見てね!

 

不動産投資ではさまざまな経費が必要で1Rマンションでは、「管理費」、「修繕積立金」、「固定資産税」などが必要です。

これらの経費を引いた利回りが「実質利回り」で、投資の効果は実質利回りで判断しなくてはなりません。

たとえば毎月の家賃が7万円だとしても、そこから1万円が管理費等で引かれるので6万円しか受け取ることができません。
これだけで表面利回りが14%以上低下していますね。

また年1回の固定資産税や住宅設備の修繕費なども発生するので、実質利回りはさらに低下します。

不動産会社は表面利回りだけで事業計画を立てているので、しっかりと実質利回りを計算して判断することが大切です。

J塾長の基準は実質利回りが4%を超えることが最低です。
つまり表面利回り7%以上を考えています。
またローンを利用する場合、ローン金利も考慮してくださいね。

 

そもそもボッタくり物件を提案されている

不動産投資の初心者は「不動産の相場」を理解していません。

そこに付け込んだ不動産会社が、不当に高額な1Rマンションを売りつけてくる可能性があります。

過去に相談を受けた案件では、相場から2割~4割も高額で買った人がいます。
と言うか…投資初心者のほとんどが相場より高く購入していました。

1Rマンションは価格も安く物件数が多いことから、投資初心者を騙して高額で購入させる手口が目立ちます。(なかにはまともな物件もあります。)

新築であっても中古であっても、相場より高く不動産を購入すると、投資に苦しむだけでなく「出口戦略(不動産を売却すること)」も立てられなくなります。

投資に失敗したからと言って、売却もできなくなるんだね。
不動産を相場より高く買ってたら、売却時に大きな損失がでるから…

1R投資では不当に高額で価格提示されることも多いので、不動産情報を利用して「エリア」、「駅」、「間取り」、「㎡」など近い物件の相場を確認しましょう。

不当な価格で不動産を購入している人は、不動産会社の営業に疑いを持たない人が多いようです。
「あの人は良い人だから…」と思うのは自由ですが、後から後悔しないように。

 

不動産投資ローンの金利を考える

住宅ローン

不動産投資に失敗する人の多くが「不動産投資ローン」を利用しており、なかにはノンバンク系の金融機関から借りている人もいます。

不動産投資ローンの金利は安くて1.6%~で、一般的には2.0%~2.5%程度だと思います。

金利が2.0%だとしたら、これだけで表面利回りが下がるよね。

鋭いね。
フルローンを利用した場合、表面利回りが4%でも金利だけで2%になってしまうんだよ。
これに管理費や修繕積立金、固定資産税が入るから、マイナス金利になるのは当たり前だね。

不動産会社は金融機関と提携することで、フルローンを提案してきますが、フルローンは予想以上に金利負担が多く、実質利回りを低下させる要因だと考えてください。

 

サブリースで身動きが取れなくなる

家賃を不動産会社が保証する「サブリース」に魅力を感じて、1R投資を始める人が多いようです。

しかし、これは大きな勘違いをしているのかもしれません。

家賃保証だから安心の契約じゃないの?

サブリース前提の投資スキームの場合、不動産価格が相場よりも高く設定されていることがあります。
またサブリース契約中の家賃は、契約を結ぶ不動産会社が決定権を持つので、いきなり家賃を値引きすることもあります。
そうなると毎月の収入が減り、ローン返済に支障が出ることもあります。

またサブリースについては解約したくても解約できない状況になることも問題です。

サブリース契約で解約条項があっても、解約までに半年~1年程度かかったり、解約条項がない契約もあります。
そうなると不動産売却の障害になり、「売却価格の低下」や「売却できない」状況に追い込まれるでしょう。

サブリース契約は投資家の収入を守る契約ではなく、サブリース会社(不動産会社)の利益を維持するものだと考えましょう。

サブリースを利用するのであれば、いつでも解約できる(最低でも告知後3ヵ月以内)契約を結んでください。

 

まとめ

最近、不動産投資の相談をいくつか受けており、とくに1R投資については収益性の悪さだけではなく、止めることもできない最悪のケースがあります。

不動産会社の営業は美味しい話で誘惑してきますが、「表面利回りではなく実質利回り」、「不動産価格の相場」、「ローン金利」、「サブリースの解約条項」などを考慮するだけで、その話が真実か見えてくるでしょう。

次回は実際にあった1R投資のトラブルについて紹介します。

 

※このブログはあくまでJ塾長の感想であり、投資を勧めるものではありません。投資は自己判断と責任でおこなってください。

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