株価暴落の原因は米国長期金利の上昇!理由を初心者向けに解説

アメリカVS日本

2021年5月11日より日経平均株価が下落し、13日までの3日間で2,000円以上の暴落状態となりました。

このブログを書いている14日の寄り付きでは、米国株の反発から日経平均株価も買いが先行して始まっており、今回の混乱もひとまず…となってくれればと期待しています。

さて今回の暴落については先日のブログでも紹介してきまが、直接の要因はアメリカの長期金利の影響だと言われています。

詳細は「日経平均909円円安!コロナによる株価の暴落に注目」を参照してください。

このブログは投資の初心者向けに作成しており、なぜ米国長期金利と日本の株価が関係しているかろ、理解されていない人も多いと思います。

そこで長期金利と株価の関係性について簡単に解説します。

長期金利とは?

長期金利」とは金融機関が1年以上の融資に対する金利で、1年未満の金利は「短期金利」と呼びます。

長期金利は物価や短期金利の動向などの要素から定めており、長期金利が低いほどお金が借りやすく、経済活動(企業活動)も活性化します。

ただし私たちがよく見る長期金利はおもに「10年物国債」の利回りであり、現実的には「長期金利=10年物国債の利回り」と考えてもよいでしょう。

長期金利が下がると株価は上がる

それではなぜ長期金利が下がると株価が上がるのでしょうか?

長期金利はお金を1年以上借りる場合の金利ですが、連動する形で金融機関の定期預金などの預金金利も変動します。

つまり長期金利が下がることは、定期預金などの金利も下がることから、資金を預金しても利息は少なくなります。

そうなると投資家は銀行に資金を預けておくよりも、株式を購入した方が多くの利益が出ることから、預金を下ろして株式投資にシフトします。

そして預金から株式へとシフトされた資金は、株価を押し上げる効果を生み出します。

つまり長期金利の下落は、資金を預金から投資へ移動させる効果があります。

反対に今回のように長期金利が上がった場合は、この動きと反対の流れです。

「金利が上がったから株式よりも安全な預金や国債が魅力的だなぁ」

「株式を売って国債を買おう!」

このように長期金利が上がると国債や預金の金利も上昇することから、株式を売却して安全な預金に資金が流れることで株価が下落します。

暴落の要因を解説

日本経済新聞の記事「米長期金利が上昇 物価急上昇で、株価は下落」には、今回の暴落について米長期金利の上昇と書いていますが、実際には米10年物国債の金利上昇が要因です。

つまりアメリカ金融市場で米10年物国債の利回りが上昇(1.67%と前日より0.05%高)し、さらに4月の消費者物価指数(CPI)大きく予想を上回ったことが米国株価下落の要因とされています。

長期金利の上昇は株価の下落要因であることは解説しましたが、さらにCPIが高くなることはインフレが加速していることを指すことから、「米連保準備理事会(FRB)の金融緩和策の見直しがあるのではないか?」との市場意識が生まれ株式の売りを加速させたようです。

インフレについては「インフレとデフレの違いを知って正しい投資判断を」も参照してください。

政策に変更なしとFRB議長

ただしFRBのパウエル議長はこのCPIの結果等は、「あくまで一時的なも」のであり金融政策の変更は考えていないとのコメントを発表しており、J塾長的には今回の影響は限定的だと考えています。

また現地時間5月13日のニューヨーク株式市場も433ドル上昇したことから、とりあえず沈静化したと考えています。

株式投資は長期金利に注意する

株式投資は長期金利との関係性があることから、金利動向には常に注意を払う必要があります。

また米国の長期金利が日本株にも影響することも覚えておいてください。

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