利上げの影響で住宅ローン金利が上昇!気になる選択と対策法

2022年12月、日銀が実施した金融政策の改正により、長期金利が±0.5%に拡大されました。
実質的には0.25%の利上げだと受け止められているよね。
そうだね。
日銀はイールドカーブのゆがみを修正することが目的だと話していますが、市場では利上げだと受け止められています。
そしていよいよ始まった利上げに対して、金融機関からさまざまな影響が出始めています。
日銀の利上げを受けて大手銀行が「住宅ローン金利の引き上げ」を発表しました。
本日の話題は住宅ローン金利の引き上げの影響と対策を考えます。
日銀の利上げの内容と関連銘柄については「日銀が事実上の利上げ…これからぼ投資方針と注目銘柄は?」を見てください。
大手銀行が住宅ローン金利の引き上げを発表
日銀が長期金利の許容範囲拡大を決定したのは2022年12月20日のことです。
今まで±0.25%だったのを±0.5%に拡大したんだよ。
中央銀行の利上げはさまざまな金融商品に影響を出しますが、それから10日後の12月30日には大手銀行の住宅ローン金利が0.18%~0.3%引き上げられることが判明しました。
なんか早くない?
そうだね。
日銀の政策会合から10日も経たないで、住宅ローン金利の引き上げを発表しているから、銀行にとって「待ってました!」的な行動だと思うよ。
ただし、今回の金利の引き上げは、あくまで固定金利の引き上げであり、変動金利は据え置きになったようです。
今回引き上げられた住宅ローン金利(10年固定)の状況を見てみましょう。
銀行名 | 引き上げ幅 | 10年固定金利 ※()内は優遇金利 |
三菱UFJ銀行 | 0.18% | 3.70%(1.05%) |
三井住友銀行 | 0.26% | 3.79%(1.14%) |
みずほ銀行 | 0.30% | 3.50%(1.40%) |
住宅ローン金利の引き上げは、固定金利が対象で変動金利は含まれていません。
しかし、変動金利は定期的に金利が見直されることから、これから急激に引き上げられる可能性があります。
ネットバンク&地方銀行も引上げを開始
大手銀行の住宅ローン金利の引き上げにより、メガバンク以外の銀行も引き上げを発表しています。
メガバンクに続き、ネットバンクなども10年固定金利の引き上げを発表しました。
銀行名 | 引き上げ幅 | 優遇10年固定金利 |
ソニー銀行 | 0.045% | 1.245% |
auじぶん銀行 | 0.250% | 1.135% |
楽天銀行 | 0.044% | 1.442% |
ネットバンクも住宅ローン金利の引き上げに追随していることから、2023年1月以降多くの金融機関で金利上昇が始まるでしょう。
住宅ローンは「固定金利を選択する時代」が来た
2022年までは日銀の金融緩和政策により、住宅ローン金利は超低金利に状態でした。
ネットバンクのなかには変動金利0.2%台なんてのもあったよね。
0.3%~0.5%なんてざらだったよ。
これからは金利も上昇するので、変動金利で借り入れるのはリスクが高くなるかもしれません。
2023年春には新しい日銀総裁が決まる予定で、金融政策の見直しが実施される可能性があります。
金融政策が変更され「段階的な利上げ」が始まると、ローン金利は上昇し返済額はどんどんと膨らむでしょう。
とくに変動金利では急激な上昇で返済トラブルに発展する可能性もあります。
現状の日本では利下げはあり得ないので、これからは利上げを前提とした対策を行うことが大切です。
住宅ローンを借りる場合は変動金利ではなく固定金利を選択するのが望ましいと考えます。
【対策】変動金利を勧められても固定金利を選択する

金融機関としても利上げの速度が分かっておらず、現状では金利の引き上げも様子見の段階だと考えられます。
とくに変動金利が据え置かれたことは、「とりあえず固定金利を上げてリスクヘッジするか?」的な考えではないでしょうか?
このような状況で住宅ローンの申込をおこなう場合、ローン担当者から変動金利を勧められることがあります。
銀行にとっては金利の上がらない固定金利よりも、将来的に金利を引き上げられる変動金利の方が利益が大きいからです。
銀行の思惑としては「金利が上昇するのは間違いないから新規のローンは変動金利を…」となります。
新規契約で変動金利に誘導するために変動金利は据え置かれたとも考えられるね?
銀行としては固定金利ローンの契約数を減らして、変動金利を増やした方が将来的な利益が多くなるから…
騙されないように注意しなくちゃ!
見方ににもよるけど、今回の金利引き上げで変動金を上げなかったことで、固定金利に比べてのお得感が増しているよね。
「変動金利ローンは据え置きで金利も低いから固定金利ローンよりお得ですよ!」…そう言って変動金利のローンを集めて、最終的に金利を引き上げることを考えているのではないかな?
だから、住宅ローンの担当者は変動金利を勧めると思うけど、この局面では固定金利を選択した方が将来的に安心だと思うよ。
特にFIREを目的にしている人は、将来的な変動リスクの少ない固定金利ローンを選ぶ方が安心だよ。
きっと銀行の住宅ローン担当者は、強引に変動金利をセールスすると思うけど、それに流されない強い気持ちが大事ですね。
実際にアメリカやヨーロッパのインフレを見ても、日本が段階的に利上げを実施するのは避けられない状況だと思います。
そうなると住宅ローンや教育ローンなどの長期ローン金利も上昇するので、リスクの高い変動金利は避けて固定金利を選択することをお勧めします。
また、現在変動金利のローンを保有している人は、早い段階で固定金利ローンへの借り換えも検討するべきだと考えます。
まとめ
日銀の利上げの影響で住宅ローン金利の引き上げが発表されています。
引き上げは10年固定金利が主で、変動金利は据え置きの状況です。
固定金利の引き上げは0.18%~0.30%程度で、みずほ銀行では利上げの0.25%を超える0.3%の引き上げを実施しています。
長期金利の拡大は±0.25%なので、みずほ銀行はそれを越える引き上げを実施していますね。
変動金利は据え置きなのでお得な印象を受けますが、J塾長は変動金利に誘導しているようにも感じています。
なるべく変動金利の契約を集めて、一気に金利引き上げを狙っているかもしれませんね。
どちらにしても2023年以降は、固定金利ローンを選択した方がリスクが低いと思います。
※このブログはあくまでJ塾長の感想であり、投資を勧めるものではありません。投資は自己判断と責任でおこなってください。