楽天モバイルで人員削減!モバイル事業撤退する?しない?

楽天モバイル撤退

昨年の11月にブルームバーグ発のニュースとして、「楽天モバイルで人員削減…」が話題になりました。

現状の楽天グループ(楽天G)は楽天モバイルの設備投資に苦慮していて、他グループの利益がモバイル事業に垂れ流されている状況だよね。
このままなら楽天G本体もヤバイとの意見も聞こえるよ。

J塾長も過去記事で「楽天がスマホ事業でNo.1キャリアになるのは不可能」と予想しており、現状ではドコモ、KDDI、ソフトバンクを超えることは考えられません。

つまり、このまま事業資金を突っ込んでも、ドコモやKDDIを超えることは不可能だと考えています。
そうなると、設備投資に費やした資金は無駄になり、さらに楽天グループそのものに計り知れないダメージを負わせるでしょう。

今回の記事は楽天モバイルの人員整理と、楽天グループの影響、さらに投資判断について考えます。

 

「楽天グループ(4755)」の話題は過去記事「楽天グループ過去最大の赤字!決算から見るヤバすぎるポイント」も見てください。

 

ブルームバーグが楽天モバイルの人員削減を報道

今まで多くの投資家やアナリストなどが「楽天モバイル事業の危うさ」について論じていましたが、いよいよそれが形に現れたようです。

ブルームバーグの報道では「楽天グループがモバイル部門の人員削減に着手した…」と報じられており、理由として「赤字による財務体質を改善させる目的」だとされています。

楽天モバイルの赤字が大きいから、人員削減により経費を抑えようとしているんだね。

報道によると楽天グループの赤字が大きいことから、「外部からの資金調達に支障」が出ていることが最大の理由みたいだね。
人件費を削減する手法は経費削減の最終手段だから、「とうとうそこまきたのか…」との印象だよ。

 

楽天グループの格付がついに「BB」に

楽天グループは昨年に「ドル建て社債」を高利回りで発行しましたが、この社債はいわゆる「ジャンク債」扱いでした。

知ってる!
世界的な格付会社のS&Pが楽天グループの格付を「BB+」にしたのが理由だね。
BB+は投機的債券で投資不適格と評価される分類だよ。
また同時に格付けを引き下げる「クレジットウォッチ」にも指定されていたけど、年末にはついに「BB」へ格下げになったよ。

楽天グループはモバイル事業のために資金調達を行いたいのですが、社債はジャンク債なので資金が集まりにくく、結果として10%以上の高金利で発行するしか方法がありません。

格付が「BBB」上の一般社債と市場も違い、ジャンク債は金利を高くしないと投資家は見向きもしません。
結果的に昨年末の楽天Gドル建て社債は、実質12%もの金利で発行されています。

そうなると、楽天は返済義務のある高金利の借金を背負うことになり、大きな経営の足かせになります。

このようなことから楽天グループの信用は下落しており、新たな資金調達も難しくなっていることが想定されます。

とくに赤字を垂れ流しているモバイル事業に対する投資は、どこからも敬遠されているのが現状ではないでしょうか?

 

人員削減はモバイル事業撤退の合図か?

ブルームバーグの報道に対して楽天Gの反応は薄いものですが、実情はどうなのでしょうか?

ネットでは内部情報として人員整理が進んでいることを告発する記事もあるよね。
常識的に考えて今の状況はまずいから、人員削減を行っている確率は高いよね。

楽天Gは「日本郵政」、「テンセント」、「ウォルマート」などから出資を受けており、さらに楽天証券株の19.99%を「みずほホールディング」に譲渡しています。
出資者が増えているので、単なる強気の事業展開はできなくなっている印象を受けますね。

憶測ですが今回の人員削減も出資者サイドからの要求もあったかもしれません。

今回実施されたとされる人員削減は、果たしてモバイル事業の撤退を意味するのでしょうか?

 

楽天グループはモバイル事業から撤退しない

バツ

楽天Gはモバイル事業の赤字がないと超優良企業ですから、早くモバイル事業を撤退するべきだと思います。

しかし、楽天Gは撤退する意思はなく、人員整理も財務的にモバイル事業の赤字を隠すことが目的だと思います。

今のままの財務諸表では資金調達が難しくなっているから、見栄えの良いバランスシートを作りたいんだね。

はやり楽天Gの格付が「BB」では、「投資先としてどうよ?」と思われますから…
バランスシートを整えて「健全な企業に見せる作戦」に移ったのだと考えますね。(笑)

楽天グループは巨額の資金をモバイル事業に突っ込んでおり、簡単に撤退できる状況ではありません。

さらにこの中途半端な事業を買取る企業もないでしょう。

だから…楽天Gはモバイル事業から撤退しないでしょう。
今回の人員削減の報道とモバイル事業撤退の関係性は薄いと判断します。

反対に人員削減はモバイル事業に力を入れる意思表示だったのではないでしょうか?

なんか残念ですね。(笑)

 

楽天グループの株価はどうなる?

楽天モバイルの人員削減の話題をよそに、「プラチナバンド獲得に進展」などのプラス報道もありますが、株価は1株600円前半で推移しています。

株価はどうなるのかな?

プラチナバンドではNTTが救いの手を出したとかの報道がありますが、どうなるかは決まっていないようですね。
2月に発表される本決算によりますが、EC事業や金融ビジネスは悪くないので、改善が見られれば株価は700円~800円まで上昇するのではないでしょうか?

しかし、2023年1月4日には、投資先の米リフト社の減損処理で2,004億円の評価損を計上すると発表しており、なかなか厳しい状況だと思いますね。

予想は難しいのですが、モバイル事業を継続するのであれば、株価はしばらく低迷すると思います。

反対にモバイル事業の撤退を決めれば、投資先として魅力的になるでしょう。

 

まとめ

楽天グループが楽天モバイルの人員削減を実施したとの報道がありましたが、モバイル事業の撤退の方針はないと思われます。

しかし、S&Pによる楽天グループの格付が「BB+」よりも一段下がった「BB」になったことから、企業的な信用が低下しているのは間違いありません。

楽天モバイルが拘っているプラチナバンドの取得に進展が見られますが、プラチナバンドにより過去の投資が回収できる訳ではありません。
これからの経費削減にはつながりますが、過去の負債を解消する手段にはなりません。
またプラチナバンドの取得で楽天がNo.1キャリアになれることもないでしょう。

楽天Gの株価は600円前半水準ですが、しばらくは厳しい状況が続くと予想しています。

 

※このブログはあくまでJ塾長の感想であり、投資を勧めるものではありません。投資は自己判断と責任でおこなってください。

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