会長負担で債務超過解消?ワイズテーブルが第三者割当増資

過去のブログでも紹介していましたが、外食大手の「ワイズテーブルコーポレーション(2798)」が債務超過を理由とした上場廃止の危機に陥っています。
父ちゃんも昔はワイズテーブルの株主だったよね。
ワイズテーブルは優待株としても人気で、100株保有で年2回食事券が貰えるよ。
J塾長も過去にワイズテーブルの株主でしたが、業績悪化を見据えて現在は保有していません。
ワイズテーブルはコロナ禍による外食不況のあおりを受けて業績が悪化、2021年から約2年債務超過に陥っています。
債務超過を解消しない限り、2023年2月で上場廃止の危機にあるワイズテーブルですが、ここにきて資本の増強が決まり債務超過の解消が見えてきました。
本日の話題は「ワイズテーブルコーポレーション(2798)」の債務超過解消と投資判断について考えます。
ワイズテーブルの債務超過については「債務超過の猶予は4ヵ月!ワイズテーブル上場廃止の現実味?」も見てください。
ワイズテーブルの上場廃止まであと1ヵ月
東京証券取引所の規定では1年間債務超過を解消できないと上場廃止になります。
ワイズテーブルは東証の「上場廃止に係る猶予期間」に、2021年3月1日に入っていることから、現在1年11カ月が経過しています。
えっ
それじゃワイズテーブルは上場廃止じゃないの?
実はコロナの救済措置として今回は1年延長され、2年間の猶予が与えられているよ。
でも、それの期限があと1ヵ月しかないから、ワイズテーブルも待ったなしの状態だね。
今まで債務超過解消を目的とした事業計画を実行してきましたが、現状では解消には至っておらず、さらに業績予想も黒字から赤字に修正しており、本業による債務超過解消は不可能な状態です。
このままワイズテーブルは上場廃止になるのでしょうか?
会長を筆頭にした第三者割当増資で資本増強へ
2023年1月19日にワイズテーブルから「第三者割当による新株式の発行…」が発表され、新株による増資を実施することが発表されました。
第三者割当増資は資金調達の一つで、「特定の第三者に新株を買う権利を与えて資金提供を受ける」ことだよね。
「新株の引き受ける権利を与えて資金調達する方法」で、今回のケースでは約4億7千万円の資金調達となりますね。
今回の第三者割当増資に応じる割当予定先は7つの個人/法人であり、ワイズテーブル会長の金山氏がもっとも多く、115,200株となっています。
あとはワイズテーブルの取引先や会長の友人の企業などかな?
金山会長は1,15,200株と今回発行する新株の42.15%を引受けており、会長の自己資金による増資の印象を受けます。
つまり「ホワイトナイト」は現れなかったと言うことです。
増資で債務超過は解消されるが解決ではない!
今回の増資は会長が自己負担がメインで、会長以外の出資者も友人や取引先などの縁故企業と思われます。
つまりワイズテーブルの将来性を見据えて出資した人はいないと…
実際は分からないけど…
会長が外資ファンドなどを嫌った可能性もあると思うよ。
外資ファンドなどが資金提供すると、上場廃止や優待廃止などの条件がつくからね。
だけど最終的に自分の資金で増資するなら、もっと早くにやればと思いますね。
ワイズテーブルの業績は悪化している
ワイズテーブルは2023年2月期第3四半期の累計決算を発表しています。
- 売上 : 70.6億円
- 経常利益 : 8,000万円
- 純利益 : △1.5億円
前年同期の純利益は4億円の黒字だったから、急激に業績が落ちている印象だ。
前年はコロナの補助金があったことから黒字化しているけど、実際の業績は回復していなかったことが分かるよね。
また、今回の決算報告において、2023年2月期通期の業績予想も下方修正され、通期の純利益が9,900万円の黒字から7,800万円の赤字へ変更されました。
この状況下で上場を維持するには会長の個人資産を投入してでも債務超過を解消するしか方法がなかったと推測できますが、実際に4億円程度では焼け石に水にならないかが心配です。
ワイズテーブルが上場維持に拘る訳はなんだろう?

ワイズテーブルの株価はこの状況であっても1株1,900円近辺であり、一部の投資家からの支持を集めています。
ワイズテーブル株が人気の理由は年2回実施される株主優待で、優待が廃止されない限りコアな人気を持ち続けるでしょう。
ワイズテーブルの株主優待は100株以上で年間1万円の食事券だから、1株1,900円と仮定すると優待利回りは5.26%だよね。
赤字で無配だから総合利回りも5.26%のままだよ。
株主優待が廃止されると株価は数百円になると予想できるから、ワイズとしては株主優待を維持して株価を下げない戦略をとっていると思いますね。
実際、ワイズテーブルの金山会長は現在41.90%の自社株を個人保有しており、増資により41.92%に増加します。
現在の総発行株数は3,025,100株で、増資により3,298,400株になります。
金山会長の保有数は1,382,689株なので、時価で約26.2億円の価値があります。
株主優待を廃止して株価が暴落すると、その資産がなくなるのですから、個人資産を2億円投入してでも株価を維持したいのも納得できます。
今回の増資により株主優待が廃止、改悪になるとの意見もありますが、J塾長はそれはないと考えており、その根拠が会長による増資です。
きっと経営のぎりぎりまで株主優待を維持して、株価を下げない努力をするでしょう。
それにより自身の資産が守れますから…
また今回の第3者割当増資に協力した個人/法人に対しても義理があるから、株価を下げる優待廃止はしばらくはないと予想します。
株主にとっては嬉しいことかもしれませんが、ここからはチキンレースですよね。
上場廃止や優待廃止になるとワイズテーブルの株価は暴落する可能性も高いことから、これからもそうならないように対応すると思います。
しかし、これがいつまで続くかはわかりません。
これからのワイズテーブルの投資判断は?
増資により債務超過の解消が見えたにも関わらず、ワイズテーブルの株価は1,900円程度を推移しています。
特に上げることもなければ、下がることもない…
出来高を見ると通常でも800株程度、多い日でも2,000株程度の日が目立ちますね。
売買単元で考えると通常で8取引、多い日でも20取引程度だから、特定の人だけが取引しているように感じます。
また、株主優待の権利確定日翌日には優待価格以上の下げになるから、投資初心者はワイズテーブル株に投資するのは控えた方が良いと思います。
でも優待廃止がない限り、株価は安定しているんじゃないの?
いや、このように「出来高が低く流動性の悪い銘柄」が暴落した場合、株の売却ができずに大損してしまう可能性があります。
投資に慣れていないと売却タイミングが分からずに、あれよあれよで損失を拡大してしまうんだよ。
だから、投資初心者は出来高の少ない株には手を出さない方が無難だと思うよ。
まぁ自己責任だから、絶対ではないけど…
まとめ
J塾長は過去にワイズテーブル株を妻と100株づつ保有しており、XEXやサルバトーレ等のレストランで優待生活を楽しんでいました。
XEXの質の良いイタリアンが好きで、ランチビュッフェにもよく行きましたね。
なんとか苦境を乗り越えて完全復活して貰いたいです。
今回の増資が完了することでワイズテーブルの債務超過は解消され、上場廃止は免れる予定ですが、直近の業績が悪化していることから、近い将来、再度債務超過に陥る可能性は小さくないと思います。
4億円程度の増資では1年もたない可能性もあるので、ここからの業績には要注意ですね。
※このブログはあくまでJ塾長の感想であり、投資を勧めるものではありません。投資は自己判断と責任でおこなってください。