楽天モバイル債は年利3.3%に決定!ジャンク債では低金利?

楽天モバイル債利率決定

先日のブログで「楽天グループ(4755)」が、今年初めての社債を発行する解説を行いました。

そう!
楽天モバイル債だよね。

正式には楽天グループ無担保社債だけど、資金の使用目的が楽天モバイルの設備投資だから、愛称として「楽天モバイル債」が付けられているよ。
前回の解説では仮条件として社債の利率が2.0%~4.0%に設定されていることを話しましたが、いよいよ利率が正式に決定しました。

なんと今回の利率は年3.30%」です。

本日の話題は楽天モバイル債の利率と投資判断について考えます。

 

2023年1発目に発行される楽天モバイル債の仮条件については「新発の楽天モバイル債は利率2%~4%!格付Aのジャンク債?」も見てください。

 

予想通り利率は3.30%に決定!

2023年1月27日に発表された楽天モバイル債の募集条件を見てみましょう。

 

名称楽天グループ株株式会社第22回無担保社債(社債間限定同順位特約付)
愛称楽天モバイル債
期間2年
格付A(JCR)
利率3.30%
買付単位50万円以上50万円単位
販売期間2023年1月30日0:00~2月9日14:30(楽天証券)
発行額2,500億円

今回の仮条件では利率が2%~4%と幅があったけど、結局は3.30%、仮条件の中間より少し上になったね。

ソフトバンクの社債では上限近くに設定されることもあるけど、楽天は仮条件の中間あたりが多いからJ塾長は3.0%あたりを予想していました。
まあまあ予想通りの結果でししたよ。

 

300万円投資した場合のシミュレーション

今回発売される楽天モバイル債の購入は50万円以上50万円単位です。

300万円投資した場合のシミュレーションを見てみましょう。

 

  • 購入金額         :  300万円
  • 社債発行日        :  2023年2月10日
  • 償還日          :  2025年2月10日
  • 半年ごと利払い      :  39,444円(税引)、49,500円(税込)
  • 償還までの合計利息    :  157,776円(税抜)、198,000円(税込)

 

300万円投資すると半年ごとの利払いで39,444円(税抜)、年間で78,888円(税抜)の利息が貰えるよね。
社債の償還は2年だから、利息は合計で157,776円(税抜)程度になるよ。

 

高利率の楽天モバイル債の投資判断は?

合否

以前にも紹介した通り、楽天グループの発行する社債は、世界的な格付け会社であるS&P社で「BB」と判断されており、投資不適格債券扱いです。

しかし、日本の格付会社であるJCR社では、「AA」と判断されており、格付け会社により乖離が見られます。

楽天が2022年11月に発行した「ドル建て社債」は、格付BB債券としてジャンク債扱いされていることから、JCRの格付よりもS&Pの方が信頼性が高いかもしれませんね。

あくまでJ塾長の個人的な判断ですが、今回発売される楽天モバイル債をジャンク債と仮定した場合、3.30%の利率は高いとは思えません。

昨年11月に発売されたドル建て社債は、利率10.0%、利回りは12%程度の社債でした。

楽天グループの世界的は評価は下がっており、10%以上の金利を付けないと国外における資金調達は難し状況だと推察できます。
しかし日本ではネームバリューが高いことから、ドル建て社債の1/3水準の金利を設定しても資金が集まると考えてのではないでしょうか?

楽天グループは日本においては超一流企業として信頼性も高いのですが、世界での評価は大幅に低下しているようです。

その意味では楽天モバイル債が完売することは、楽天にとっては安い経費で資金調達ができる手段ですが、投資家にとっては美味しい話ではありません。

今の楽天グループの世界的な評価であれば、円建ての国内向け社債であっても5%~8%程度の金利は欲しいところです。

しかしながら今回の楽天モバイル債の償還は2年と短期であることから、デフォルトリスクも低く大きなトラブルはないと予想します。

投資判断は自己責任ですが余裕資産で投資するには問題はないと考えます。

 

まとめ

ソフトバンク社債では資金の使用目的が、過去の社債の償還費用であることが多く、それを不安視する投資家も少なくありません。

しかし、投資会社のソフトバンクにおいては、社債の償還費用も事業の一環であるので、J塾長としてはとくに問題視はしていません。

楽天グループは投資会社ではなく事業体であり、楽天モバイル債の利用目的はモバイル事業の設備投資です。
つまり、モバイル事業がコケると、社債の償還に影響が出る可能性は否定できません。

楽天モバイル債の投資判断で悩む場合は、「楽天モバイル事業は成功するか?」、「三木谷社長が話すようにNo.1キャリアになれるか?」を考えれば良いのです。

その上で投資を判断してはいかがでしょうか?

モバイル事業は大丈夫なの?

見方によるけど、J塾長は上手くいかないと思ってます。
ドコモ、au、ソフトバンクを抜いてNo.1キャリアにはなれないでしょう。

これは誰もが思っていることで、楽天グループはこれ以上モバイルで借金を重ねると破綻する可能性もあると思いますね。
ECや金融事業が好調なので、早くモバイルから撤退してもらいたいです。

本当にもったいないと思いますね。

ジャンク債としても高金利と言えない楽天モバイル債は、日本国内で経費を抑えて資金集めをする金融商品ではないでしょうか?

それでもなんやかんや言って、3.30%は日本では高金利なので売り切れになると思います。
J塾長は楽天モバイル債よりも、高配当株の方が効率が良いと思うので、今回は見送ります。
気なる方はお早めに!

 

※このブログはあくまでJ塾長の感想であり、投資を勧めるものではありません。投資は自己判断と責任でおこなってください。