楽天グループ株が大赤字でギャンブル化?手を出すのが怖い理由

楽天過去最高赤字

楽天グループ(4755)」が2022年12月本決算を発表、連結最終損益が過去最大「3,728億円の赤字」になりました。

すっごい赤字だよね。
理由はやっぱり「口にしてはならない事業」のせいなの?

ハリポタじゃないから口にしてもいいけど…(笑)
予想通り楽天モバイルの赤字が拡大たのが理由だよ。

今回の決算では大幅に赤字拡大していますが、実際には想定内の範囲であることから、市場では「やっぱり」、「予想通り」的な反応が起きています。

過去最高の赤字により決算翌日の株価は大幅に下落するかと思いきや、終値で713円と前日比で51円高となりました。

びっくり!

楽天グループに何が起きているのでしょうか?

本日の話題は楽天グループの状況とこれからの動きを予想します。(決算内容につては、今回は解説しません。)

 

みんな大好き楽天グループの話題は「楽天モバイル債は年利3.3%に決定!ジャンク債では低金利?」も見てください。

 

楽天グループの株価が上昇した理由

楽天グループの決算発表は2023年2月14日の取引終了後でしたが、赤字が拡大したことで翌日15日の株価は大幅安になることが予想されました。

でも結局は前日比で7.7%の上昇だったよ。
なんで?

15日の始値は前日の終値より23円安の639円、ここから大幅に下落すると思っていました。
しかし、予想を反して株価は上昇し、15日の終値は7.7%高の713円まで上昇しています。
7.7%高ですから楽天グループにとっては、稀に見る上昇率だった訳です。

しかしながら今回の決算で楽天グループの株価が上昇する理由が見つかりません。

 

課金契約数は増加しているが…

楽天グループの決算報告ではMNO(自社回線モバイル契約)の回線数が451万回線と、2022年11月からの2ヵ月間で7万回線増えています。

なかなか善戦しているんじゃないの?

いや、7万回線では収益改善は見込めないね。
楽天の計画では1,200万回線を目指しているので、このペースでは17年程度の期間が必要になるよ。
だから見ようによっては、かなりやばい数字だと思う。

「7万回線も増えた」、「7万回線しか増えていない」…見方はいろいろとありますが、楽天モバイルの目標である1,200万回線を見据えた場合、後者の意見が正しいのではないでしょうか?

収益性を高めるの目玉が経費削減?

楽天グループが楽天モバイル事業の人員削減などを実施していることは、ネット等の報道で周知されています。

詳しくは下の記事を見てださい。

 

報道はブルームバーグから出ており、「楽天グループがモバイル部門の人員削減に着手した…」、「赤字による財務体質を改善させる目的」だとされています。

赤字対策で人員削減をしたのが本当なら、事業的に影響が出るかもね。

今回の決算報告では楽天モバイルの人員削減の話題はなく、別の部分での削減策に注目が集まっています。
それが広告費の削減です。

今まで楽天モバイルが実施していた宣伝広告はテレビCMが中心になっていましたが、コストが高いテレビ媒体を減らしネット中心のマスマーケティングに切り替えるようです。

楽天モバイルのテレビCMと言えば、米倉さんで有名だけど、あれを止めるのかな?
米倉さん…地道にギャラが高そうだからね。(笑)

楽天グループの方針では楽天サービスの大部分に楽天モバイルの公告を入れて、さらに紹介によるポイント付与プログラムも拡充するとしています。

 

楽天ポイントを餌に契約増を狙う

楽天モバイルは2月15日から楽天モバイルを紹介した人に7,000ポイント、紹介された人に3,000ポイントを贈呈する紹介キャンペーンを開始しています。

紹介した人だけでなく紹介されて新規契約した人もポイントが貰えるんだね。

自動車保険等でよく見かける入会促進キャンペーンですが、楽天ポイントを餌に加入者増を狙うつもりですね。

楽天経済圏で流通する楽天ポイントに魅力を感じる人は多いのですが、これが契約者をどこまで増やせるかが注目です。

 

ARPU1805円は微妙な水準

楽天グループの決算発表では楽天モバイルの「ARPU(Average Revenue Per User)」が、1,805円に達したことも報告されました。

ARPUってなーに?

ARPUは1加入者あたりの利用額の平均と考えてよいでしょう。
楽天モバイルのARPUは1,805円だから、契約者平均で1人1,805円利用していることになるよ。
2021年4QのARPUは600円~700円程度だったので3倍程度に増えた計算です。

ただし、NTTドコモなどの既存キャリアのARPUは3500円~4000円水準なので、楽天モバイルのARPUは1/2程度しかありません。

1,805円も善戦してはいますが、他のキャリアと比較すると稼ぐ力は半分以下とも受けとれる数字です。

 

株価上昇は買いたい勢力が材料を探しているから

実際のところJ塾長的には今回の楽天グループの決算はネガティブな内容で、ここから株価が反転するとは思えませんでした。

個人的な判断ですが2ヵ月で7万契約増は凄いですが、目標には遠く及ばずこのままでは赤字がさらに拡大する可能性もあります。

でもなんで決算発表翌日の株価が上がったの?

あくまで憶測ですが、「買いたい勢力が好材料を探しているから」としか考えられないですね。
だって、グループとしての決算は悪く、楽天モバイルからも撤退しないのに「ECは好調」とか「フィンテックも良い」とか言って株価を上げているのだから…

ほめて伸ばす…」って教育の基本だけど、一部の投資家や評論家も楽天グループに対して、「良いところを探してほめる的な株価対策」をやっているのかもしれませんね。(笑)

 

結局は決算内容通りに株価は動く

楽天グループの決算が悪かったのは事実なので、そこを掘り繰り返して良い部分にフォーカスしても時間とともに意味がなくなると思います。

一時的に上昇しても結局は下落すると。。。

実際の動きは「神のみぞ知る」ですが、J塾長の個人的な判断では、投資はできないと考えています。
だからここが楽天グループの反転ポイントと考えるのは危険だと思います。

 

やっぱりNo.1キャリアは難しいのでは?

楽天グループは楽天モバイルを日本のNo.1キャリアにすることを目標にしていますが、現状のシェアはソフトバンクに遠く及ばず、ARPUも既存キャリアの1/2以下です。

契約者数が増えてもARPUが1/2なら、売上を考えれば契約者も2倍必要だよね。
それはいくら何でも無理だよ。

今まで何度も話しましたが、現在の楽天モバイルの国内シェアは2.2%程度(2022年9月)です。
NTTドコモが36.3%、au(KDDI)が27.0%、ソフトバンクが21.0%なので、圧倒的に不利な状況が続いています。

楽天グループの発表を見ると「人口カバー率99%を目指す」と書かれていますが、4Gサービスのカバー率が上昇するのと契約者像は関係ないですから。

既存キャリアも人口カバー率は高いから条件は同じだよ。

人口カバー率が増えれば契約者数やARPUが増える訳ではないのに…(笑)

今回の発表では楽天モバイルが苦しみながらも、計画を進めていることは分かります。

しかし、J塾長はNTTドコモなどの既存キャリアを凌駕する可能性は見いだせませんでした。

楽天証券や楽天銀行の好調は分かりますが、楽天モバイルの事業とは関係ありませんから。
そして赤字額を見ても楽天グループの将来は、楽天モバイルの業績にかかっているのも事実です。

どんなに頑張っても現状で楽天モバイルは日本のNo.1キャリアにはなれないと思います。

 

楽天グループ株投資はギャンブル化している?

参照:Yahoo!ファイナンス

楽天グループの株価上昇は「買いたい勢力が好材料を探しているから」と言いましたが、出来高を見てもそれが感じ取れます。

楽天グループの出来高は決算前までは1日500万株~1,000万株でしたが、決算翌日の2月15日は5,700万株に増えています。

楽天グループの報告内容は曖昧なものばかりで、出来高が一気に5倍になる要素はありませんでした。
また出来高が増えたことは売り買いが成立しているので、一方向へ株価が向かってないことも分かりますね。
確認していませんけど、買って売ってで短期売買を繰り返しているのかしれません。

このような動きを見ると、なんとなくマネーゲームの印象を受けます。

もはやギャンブル化しているかもしれませんね。

 

まとめ

楽天グループが2022年12月本決算を発表、過去最高である3,728億円の赤字となりました。

大きな要因は楽天モバイルの設備投資による赤字ですが、契約者は2ヵ月で7万人、1人あたりの利用額も1,805円に増えています。

決算説明書のグラフなどは大きく躍進しているように見えますが、実際には微増の範疇だと感じました。
グラフや表の書き方が上手なんだよ…

楽天グループはモバイル事業がなければ超優良企業であり、主力のEC事業やフィンティック事業(金融)などは、絶好調の状態です。

もったいないですよね。

ほんとうに…もったいない。

今回の決算により株価が若干上昇しましたが、これが続くかはわかりません。

投資を考えている人は慌てないで判断してください。

 

※このブログはあくまでJ塾長の感想であり、投資を勧めるものではありません。投資は自己判断と責任でおこなってください。