グループじゃない方のソフトバンク社債が発売!金利0.98%

最近、社債の話題と言えば「楽天モバイル債」、「楽天カードマン債」、「楽天ドル建て債」など、楽天グループ関係のものが多く見られました。
でも高金利の社債と言えばやっぱり「ソフトバンク」じゃないの?
父ちゃんも無担保債をそこそこ持っているよね。
そうだね。
やっぱり金利の高い社債ではソフトバンク系が多い印象を受けるね。
最近では楽天が金利3.3%の社債を発行しているけど、あれは見方によってはジャンク債だからリスクを考えると金利が高いとは言えないよ。
最近では社債の話題が楽天グループに奪われた様相のソフトバンクですが、「グループじゃない方のソフトバンク」が新発債を発行します。
本日の話題は「ソフトバンク(9434)」が新発する社債について紹介します。
楽天グループ発行の楽天モバイル債については「楽天モバイル債は年利3.3%に決定!ジャンク債では低金利?」を見てください。
グループじゃないソフトバンクが進発する「みらい創出ボンド」
株式を上場しているソフトバンクには2種類あって、「ソフトバンクグループ(9984)」と「ソフトバンク(9434)」があります。
ソフトバンクグループは投資会社で、ソフトバンクは通信事業会社だよね。
ソフトバンクグループはソフトバンクの親会社なんだけど、今回社債を発行するのは子会社のソフトバンクです。
さっそく社債の詳細を見てみましょう。
- 名称 : 第19回無担保社債(社債間限定同順位特約付)
- 愛称 : ソフトバンクみらい創出ボンド
- 発行体 : ソフトバンク株式会社
- 格付 : A+(R&I)、AA-(JCR)
- 利率 : 0.98%(税引後0.78%)
- 期間 : 5年
- 償還期限 : 2028年3月10日
- 購入単位 : 10蔓延以上10万円単位
- 発行額 : 1,200億円
- 申込み期間 : 2023年2月24日~3月9日
今回発行される「みらい創出ボンド」は、無担保社債なので利息や償還金を支払うための担保は設定されていません。
一般社債と比べてリスクは高い社債で、その分金利は高く設定されています。
ただし社債間限定同順位特約が設定されていることから、同じ発行体が発行した複数の無担保社債間においての有利不利は生じないように設定されています。
金利は0.98%だから低くはないよね。
だけど同じ通信事業者の楽天モバイル債の3.3%に比べると、1/3以下だから見劣りするかな。
たしかに今回新発される「みらい創出ボンド」も目的は「通信設備の設備投資」だから、楽天モバイル債と似ているよね。
それでは「なぜ似た社債なのに、大きな金利差が出るのか?」を考えてみましょう。
社債の金利差は発行体の信用度による
楽天グループが発行した楽天モバイル債の金利は3.3%で、ソフトバンクみらい創出ボンドは0.98%しかありません。
いやいや0.98%でも低い金利ではありませんが、日本の長期金利が0.5%になっている現状では高いとは言えませんね。
楽天モバイル債を発行する楽天グループは、モバイル事業の設備で過去最高の赤字を出しています。
また楽手モバイルの加入者数も目標を達成できる見通しもなく、相変わらずの苦戦を強いられています。
楽天グループの格付は日本ではかろうじてA(JCR)だけど、世界的な格付け会社のS&Pは投機的格付であるBBに下げているよ。
つまり楽天グループは日本ではA格付だけど、世界ではBB格付で発行する社債はジャンク債扱いされているようです。
したがって楽天モバイル債も金利をジャンク債並みに高めないと投資が集まらない可能性があったと想定されますね。
対して今回発行されるみらい創出ボンドは、ソフトバンクグループではなく通信事業のソフトバンクが発行します。
ソフトバンクグループは投資失敗などの影響で大きな赤字が出ているけど、ソフトバンクは今期も過去最高益の予想が出ているよ。
親会社と違って絶好調だね。
楽天モバイルは赤字沼だけどソフトバンクは過去最高益…社債の評価が違っても当然だよね。
楽天モバイル債とみらい創出ボンドの金利は、あくまで発行体の信用度によるもので、その意味では楽天モバイル債のよりもみらい創出ボンドの方が安全な投資先だと思います。
ちなみに2022年12月にソフトバンクグループが発行した、金利2.84%の無担保社債の話題は下の記事を見てください。
日本の利上げによっては損することも

日本は長期金利の許容変度幅を±0.5%に設定していますが、実質的には0.5%が上限金利になっています。
いわゆる日銀の利上げだよね。
だけど2023年2月21日には10年物国債の金利が一時0.505%と、上限を超える事態になったんだよ。
この事態は日銀総裁の後退による政策変更を意識したものだけど、もしかしたら近い将来に再度の利上げが実施される可能性もあるよね。
長期金利が上がると様々な金融商品の金利も上がるから、0.98%で5年も預けると損してしまうかもしれません。
日銀が金利上昇を抑えられなくなっている印象をうけるので、5年を考えると0.98%の金利は微妙ですね。
申込みは3月9日まで…J塾長はどうする?
みらい創出ボンドの申込み期間は、2023年2月24日から3月9日までです。
もう申込みが始まっているよ。
既に申込みは始まっていますが、J塾長は今回はパスしたいと思います。
理由はやっぱり金利です。
2年なら考えますが、0.98%で5年は長すぎますよね。
まとめ
ソフトバンクが設備投資を目的とした社債を発行します。
みらい創出ボンドの金利は0.98%、償還は5年後で合計1,200億円の資金を調達する予定です。
おもに基地局設備など5Gに投資する予定です。
楽天モバイル債の金利と比較すると1/3以下ですが、会社の信用度を見ると妥当な金利なので、申込み期限前に売り切れになる可能性もあでしょう。
ただし、先週の10年物国債の金利が一時0.505%に上昇したことから、日本の金利も上昇傾向にあるのは間違いありません。
ソフトバンクは業績も好調で、社債としては十分信用できるレベルだと思います。
ただし0.98%は微妙な金利なので、5年間の金利変動を予想して投資を判断してください。
※このブログはあくまでJ塾長の感想であり、投資を勧めるものではありません。投資は自己判断と責任でおこなってください。